しまなみ海道・大三島サイクリングロード 【多々羅大橋~大山祇神社・宮浦港】
『しまなみ海道』は広島県・尾道市から愛媛県・今治市を結ぶ「西瀬戸自動車道」の愛称。いくつもの橋で繋がれた風光明媚な瀬戸内な島を走り抜ける高速道路はドライブとしてもとても気持ちがいい。
しかし、このしまなみ海道、実は車で横断するだけではない。実は、自転車や徒歩でも横断できる。島と島を渡す橋の部分だけ、原付道・自転車道・歩道が高速道路と併用されている。風光明媚な島の中をめぐりながら、瀬戸内海を横断できる、とんでもなく気持ちよいルートだ。
僕はしまなみ海道は何度か自転車・車で走破している。そうなると、今度は橋で結ばれていない、付近の離島に行きたくなる。いくつか候補があるが、今回一番最初に行きたいと思ったのは広島県の「大崎上島」だ。実はここは僕の祖母方の故郷であり、幼少の頃に何度か訪れている。大崎上島に渡るには何通りか方法があるが、今回は大三島まで車で行き、そこから高速船で大崎上島に渡ることにした。せっかくなので、しまなみ海道のルートからはずれた大三島をサイクリングで楽しむことにする。
多々羅しまなみ公園から大三島横断サイクリングへ
出発地点は道の駅「多々羅しまなみ公園」
ここから約8km、サイクリングでフェリーに乗る宮浦港に向かう。宮浦港のすぐ近くにも道の駅「しまなみの駅御島」という道の駅がある。しかし、ここの駐車台数は30台程。しかも有名な「大山祇神社」がすぐ横にあり、観光客でにぎわう。長時間の車の駐車はどうも気が引ける。「多々羅しまなみ公園」なら100台以上の駐車場があり、商業施設と反対側の離れた駐車場なら気兼ねなく長時間駐車できる。また、少しは大三島のサイクリングも楽しみたかったので、ここをスタート地点にした。
ここは世界最長の斜張橋「多々羅大橋」のすぐ近くにあり、その美しい姿を間近に望むことができる。
車から自転車を下ろしたら、国道317号線を北へと向かう。少し油断してゆっくり我が家を出てしまったので船の出港時間まであと1時間しかない。船に乗る宮浦港までは8kmの距離とはいえ、峠越えが待っている。ちょっと気合いを入れて自転車をこぐ。しかし、海の上に浮かぶ、朝の美しい瀬戸内海と多々羅大橋の姿には、ついつい目を奪われてしまう。
のどかな島の風景の中を自転車で走る。しまなみ海道は「自転車」に優しい島々。いたるところにレンタサイクルがあり、サイクリングロードが整備されている。
それは島と島を結ぶしまなみ海道のルートだけではなく、その島の中をめぐる道にもサイクリングロードが設けられている。広い自転車道は車の接近を全く気にせず、快適に島の中を走ることができる。今回向かう多々羅大橋から宮浦港までのルートは、有名な大山祇神社へ向かう道のため、しっかりとサイクリングロードが整備されている。
多々羅しまなみ公園から2kmほど走ると、「大山祇神社」「宮浦港」の標識が左折を示している。左折して、県道21号線を西へと進路をとる。ここからは峠越え、登りとなる。
県道とは川の反対側にサイクリングロードが設けられている。サイクリングロードを示す標識もしっかり出ているので、こちらへ自転車を走らせる。
さあ、登りの開始だ。船の出港時間には間に合いそうだが、余裕はない。気合いを入れて登って行こう。しかし、所々、島の山里の美しい風景に目を引かれる。自然に囲まれた、美しい、瀬戸内海の島独特の時間がここには流れている。
緑のトンネルを抜け、ぐいぐいと自転車道を登って行く。自転車道は県道に並走するが、大きく迂回して蛇行する。そのため、勾配はきつくなく、中ぐらいのギア比でも簡単に登れる。結構しまなみ海道のサイクリング道は、アップダウンはあっても楽に登れる場所が多い。
三村峠からは気持ち良い島のダウンヒル
あっというまに「三村峠」に到着した。標高は約80mスタートから5km。途中目的地の「しまなみの駅御島」まではあと2kmだ。
ここまでは「多々羅しまなみ公園」を出発してから20分。写真を撮らなかったらもっと早く着いた。予想以上に早い。一度、車でこの道を走った事があり、ずいぶんと山の上まで登ったような気がしていたので、自転車では難路と思っていた。しかし、実際は海岸線から少し登ると、そこには手つかずの自然がいっぱい残る島の雰囲気がそう思わせただけだったようだ。ずいぶん山の上まで登った気がしたが、標高差80mで、ほんの10数分の登りだった。さあ、ここからは一気に下りだ。
下り道は深い山の中を県道から離れて下る。ブラインドカープが何度も続くワインディングロードはダウンヒルにはとても気持ちがいい。しかし、ここをサイクリングする人も多く、レンタサイクルで慣れない人も走る。対向自転車には十分に注意が必要だ。
山の中のワインディングを駆け降りると、川を渡って県道に出る。ここで一部サイクリングロードは途切れる。車に注意しながら左方向へと県道を下って行く。
県道を下り始めると、100mちょっと行ったところ、右側に道が分岐している。ここがサイクリングロードの続きとなる。写真では見えにくいが、青い看板と緑色の舗装帯が目印。車に注意して県道を横断して、サイクリングロードへと進入する。
ここからは開けた風景の中の自転車道を下って行く。見通しもそこそこ良く、快適だ。
大山祇神社周辺は見所いっぱいの観光スポット
あっというまに道の駅「しまなみの駅御島」に到着した。「多々羅しまなみ公園」を出発して30分足らずだった。ここから宮浦港までは約1km。自転車ならあっという間の距離。まだ出港まで30分あるので、今から「大山祇神社」に参拝する時間はある。まだ人出のない、朝の静かな神社にお参りしよう。
さて、やはりに道の駅「しまなみの駅御島」の駐車場はやはり少なく、有名な「大山祇神社」も隣接している。大きなお土産店もあり、観光バスも多くやってくるので、この道の駅に車を置いておくのはやはりヒンシュクだ。横にはスーパーもあり、人の出入りも多くありそうだ。
道の駅の道路反対側には「大三島藤公園」があり、ここの駐車場は50台とやや広い。こちらなら、まだ車は置きやすそうだ。しかし、多々羅しまなみ公園から自転車で走って正解だった。この峠越えルート、いっぱいの緑の中を駆け抜けられて、とても気持ちがよかった。萌える新緑の薫りを鼻腔にいっぱいに感じながら、風を切り走るルートは、サイクリングロードとしては高得点だった。
大三島サイクリングにオススメの宿
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