臥龍の渡し 【大洲市肱川・春の風物詩】

最終更新日

Comments: 0

伊予の小京都と呼ばれる大洲市に流れる肱川。愛媛県最大の河川であり、6月~9月は「鵜飼」、8月~10月は「いもたき」が催される風情ある川でもある。
その肱川に、季節限定の観光がある。それが、『臥龍の渡し』だ。臥龍山荘下の河原から、対岸の如法寺河原まで、渡し舟が出ている。乗船料は100円。人が数人集まれば随時出航するので、気軽に乗ることができる。4月1日~5月31日までの、土・日・祝日に運行される。(10時~16時)
渡し舟と言っても、人力ではなくエンジン。6月からの鵜飼で使う屋形船が使われている。この時期、大洲の肱川には、いっぱいの屋形船が係留されている。
船に乗り込み、靴は船の舳先で脱ぎ、中に入る。中は座布団が敷かれ、テーブルがある。いかにも屋形船である。

屋形船に乗って渡る春の肱川

大洲の肱川

エンジンがかかり、ゆっくり出発。船内から眺められるのは、この時期、ツツジで山頂が覆われた冨士山や、新緑深い臥龍山荘付近の森。そして、肱川の広い河原。その美しい自然や歴史を、船頭さんが楽しく案内してくれる。

臥竜の渡し

船はやがてひときわ水深の深そうな場所へと進んでいく。「臥龍淵」と呼ばれ、臥龍山荘から見下ろす、肱川の絶景の場所である。船はその臥龍淵にある中州へと乗り上げ、停泊する。ここで渡しは終了。中州なので、向こう岸に渡るには足を濡らす必要がある。
水深は浅いので渡るのは問題はないが、わざわざ足を濡らし向こう岸に行き、遠い橋まで歩いてまた元の場所まで戻る人はそういない。往復乗船が基本なのだ。料金は片道100円だが、必然的に往復200円が必要となる。

渡し船に乗って見れる美しい不老庵

不老庵

では、何故こんな中州で下船するのか。その理由がこれ。この中州からは、臥龍山荘の「不老庵」が真正面に見える。不老庵から見る臥龍淵は素晴らしい景色。それゆえその素晴らしい景色から素晴らしい建築である「不老庵」を見返すことの出来る場所なのだ。
「不老庵」は崖に突き出した建物で、その柱にはなんと、生きた木がそのまま使われている。大きな窓からは、肱川の雄大な流れが楽しめる、風情にあふれた建物だ。新緑の中に佇む日本家屋は、とても絵になる。目の前の臥龍淵も目を楽しませてくれる。全く流れが無いようだが、川の中では時速20km近くの水流があるそうだ。また、水深も12m程ある。時々水鳥がやってきて、この流れや中洲で羽根を休めるそうだ。
大河の真ん中に立ち、自然と風景を満喫したら、船頭さんから戻りますと声がかかる。再び船に乗り、元の乗船した場所へと向かう。

臥竜の渡し

肱川にかかる沈下橋。肱川は度々増水し、氾濫する川だ。この橋は増水時には水の中に水没し、流れてくる流木などを堰き止めて橋が決壊しないように設計されている。四万十川でよく見られる橋だが、この肱川でも旅情あふれる風景を見せてくれた。

臥竜山荘

船を下りたら目の前は臥龍山荘。先ほど船から見た素晴らしい山荘を、今度はゆっくりと散策してみるのも良いかもしれない。

臥龍の渡し

期間:4月1日~5月31日、土・日・祝日のみ運行(10時~16時)

場所:愛媛県大洲市

交通:松山自動車道大洲ICから車で約10分

駐車場:臥龍公園を利用(約50台)

    おおず赤煉瓦館前を直進し、堤防の細い切れ目をくぐると臥龍公園

    臥龍公園内を一番東まで進むと、臥龍の渡し

料金:片道100円、往復200円

近隣観光:臥龍山荘、おはなはん通り、大洲神社、おおず赤煉瓦館

【投稿時最終訪問 2007年5月】

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください