四国カルスト・姫鶴平キャンプ場

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四国の中央部には東西に険しい山地が横たわる。特に愛媛県と高知県の境には標高1500mを越える山々がひしめく。そんな険しい山の上にも車でアクセスでき、キャンプやハイキングが楽しめる人気のエリアが「四国カルスト」だ。
四国カルストには日本三大カルストのひとつ。四国のほぼ中央、標高1000mを超える山の上に広がる広大なカルスト地形だ。
四国カルストには「天狗高原キャンプ場」と「姫鶴平キャンプ場」がある。
天狗高原キャンプ場は広大なカルスト地形を目の前に、森に包まれたロケーションはとても気持ちよく、隣接する国民宿舎のお風呂を使えるのもうれしい。
しかし、今回選んだキャンプ場は「姫鶴平キャンプ場」だ。「天狗高原キャンプ場」が四国カルストの東端にあるのに対して、「姫鶴平キャンプ場」は四国カルストの中央に位置する。施設は天狗高原キャンプ場の方が良いが、姫鶴平キャンプ場の方が安くて、ある風景を見るために適しているのでこちらを選んだ。

雲の上に広がる広大なカルスト台地のキャンプ場

四国カルスト

四国カルストは愛媛県と高知県にまたがる山の上にある。どちら側から訪れるにしても、山をかなり登らないとたどり着けない。山の上には一面のカルスト地形を利用した牧場が広がり、のんびり牛が草を食む。

四国カルストの道

キャンプで訪れた日は、残念ながらお天気はイマイチで風景は全く見えない。しかし、霧の中の四国カルストもなかなか風情があってよい。

ソロキャンプお手軽料理

キャンプを行ったのは10月。標高1500m近い四国カルストではもう季節は秋だ。姫鶴平に到着が遅くなったので、もう日は沈みかけだ。それだけに、まだ平地では暑さが残るこの季節も、このキャンプ場の夜はとても冷え込んで寒い。お気軽キャンプができる季節はとっくに終わっていた。
「姫鶴荘」という隣接する宿泊施設に、ひとり100円と聞いていた協力金を払いに行き、テントを設営する。真っ白な霧に包まれる山の夜はかなり冷え込む。
ソロテントを素早く設営したら、簡単に夕食を作って済ませる。作ったのは豚の生姜焼きにポテトチップを細かく割って入れてみた。このパリパリ感がクセになりそう。
明日の朝は早い。食事が終わったらとっととテントの中にもぐりこむ。晴れてくれたらいいな・・・
時々霧の晴れ間から見える満点の星空に、明日の朝への望みが見え隠れする。

姫鶴平キャンプ場で迎える朝は幻想的!

四国カルストの夜明け

セットしたスマホのアラームが鳴る。朝が訪れた。恐る恐るテントから顔を出してみる。天気は回復しているか?霧は晴れているか?その答えを見た瞬間、「ひゃっほ~っ」という感性の声を思わずあげてしまった。
この風景。これが今回、この姫鶴平のキャンプ場を選んだ理由。カルスト地形には木は生えておらず、稜線は森林限界を超えた山の稜線のようにさえぎる物は一切ない。森林限界を超えた稜線の朝ほど幻想的で美しいものはない。
満天の星空を散りばめた暗闇に差し込んだ光が空を濃紺色に変えていき、燃えるような赤を地平線から立ち上げさせる。静かに流れる風の音が、自分の心音まで聞こえさせるくらいの静寂に周囲を包む。
1日の始まり、静寂の中に躍動が交る雲の上の世界に訪れる美しい朝。それを気軽に楽しめるのが、このキャンプ場だったのだ。

四国カルストの夜明け

ゆっくりと回る巨大な風車が風を切る音がここまではっきりと聞こえてる。四国カルストの朝は、とても巨大なオブジェがさらに美しい風景を演出してくれる。

四国カルストの日の出

ゆっくりと立ち込める雲海の中から姿を現す太陽。雲の中にいくつもの山が島のように頭を出している。雲の上から見る日の出は、まさに別世界。雲海の日の出は神秘的で神々しい。
高い山の上から見る日の出は、平地で見るそれよりも格段に美しい風景だ。狙っていた風景が見れたので、とてもうれしかった。

雲の上の高原の姫鶴平キャンプ場でゆっくりしたい

姫鶴平キャンプ場

残念ながら、美しい日の出を見て間もなく、再び稜線は霧に覆われた。幸い雨が降っていないので、ゆっくりと朝食を作る。

姫鶴平キャンプ場

この姫鶴平キャンプ場はご覧になってもわかるように遮るものは何もない。そして、この周辺で一番高い稜線にあるので、前後左右、どこからでも風が吹いてくる。天気が良くても、強烈な風が吹くと危険なので、その時は「天狗高原キャンプ場」を利用したい。

姫鶴平キャンプ場

この姫鶴平キャンプ場は「キャンプ場」というよりもキャンプ適地のような扱い。広い芝生広場になっていて、昼間はここでは訪れた人が遊んだり、ランチを楽しんだりする。夕方・朝には人はいないが、昼になると観光客がどっと押し寄せるので注意が必要。
設備は緊急避難ができそうな大きくて立派な炊事場がサイトにある。自販機が1台備え付けられている。トイレはサイトの1段下にあるが、ボットンで使い勝手はイマイチ。少し離れた所の姫鶴荘のトイレ(建物の後にあり、夜にも使える)を利用させていただく方法もあり。駐車場もすぐそばにあり、ベンチもあるのでとても快適だ。

姫鶴平ではもっと手軽にデイキャンプもできる

姫鶴平キャンプ場の下に広がるグラウンドのような広場では無料でデイキャンプを楽しむ事ができる。カルスト地形を眺めながら、草を食む牛や足元に広がる山々を望みながらののんびりする1日はとても気持ちが良い場所だ。シーズンには、このキャンプ場のすぐ下が牧場になっていて、のんびりと草を食む牛の姿が間近に楽しめる。絶景でとても夜明がとても気持ちの良いキャンプ場でした。

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姫鶴平キャンプ場

住所: 愛媛県上浮穴郡久万高原町西谷
交通: 松山自動車道大州ICから国道197号、県道36号・383号を西予方面へ約2時間
   松山自動車道松山ICから国道33号・440号を約2時間
料金: 協力金100円(姫鶴荘で受付)
駐車場: 約20台・無料
施設: 炊事場(水道・流し・屋根つき)、トイレ、自販機
サイト: 芝生広場(フリーサイト)
ロケーション: 高原(稜線上で遮るものなし)
標高: 約1300m

【投稿時最終訪問 2007年10月】

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