井植記念館【大阪湾と淡路島を望む芝生広場の絶景】

現在はパナソニックに事実上吸収合併されていますが、一時期は洗濯機などの家電で日本の高度経済成長を引っ張ってきた「三洋電機」その創業者である井植歳男氏の足跡について展示しているのが、神戸市垂水区にある「井植記念館」です。日本を代表した企業の創設者の足跡も興味深いですが、ここでお勧めしたいのは記念館の抜群のロケーションなのです。車で乗り付けられら明石海峡を望める場所としては、おそらく神戸市垂水区の中でも一、二を競う場所ではないでしょうか。企業の敷地のため、一般公開は平日のみで観光ガイドに大々的にのっていません。しかし、この付近を平日に車で通ったならば、ぜひとも立ち寄っておきたい誰も知らない穴場スポットなのです。

山の上の白い大きな建物が目印

井植記念館入口

井植記念館には、国道2号線から一気に坂を駆け上がります。この道路付近はジェームス山の外国人居住地になるのでとても雰囲気が良いところ。坂を登りきると、一気に住宅街が開けます。ここを左折すると、住宅街の中に井植記念館の入口があります。見た目はどこかの会社の入口のようですが、きちんと看板が出ています。

明石海峡を望む広くて美しい芝生広場が最高!

井植記念館

敷地内の坂を登りきると、井植記念館の入口です。入口の左側には「三洋電機研修センター」があります。山頂に立つ巨大な真っ白な建物はこの付近ではひときわ目を引き、アクセスの目印にもなります。

井植記念館芝生広場

敷地内に入ると、一面に広がる緑の芝生広場。そしてその向こうには、さらに広がりを見せる明石海峡の青いと淡路島。芝生広場はよく手入れされていて、緑の絨毯がとても美しい場所です。さらにここはジェームス山のほぼ頂上。さえぎるものがなく、美しい海の風景が180度大パノラマで見渡せる特等席です。

井植記念館

広い芝生広場の向こうには、淡路島と明石海峡大橋が一望できます。たくさんある明り取りの窓がベンチのようになっているので、明石海峡の絶景と、美しく広い芝生広場を眺めながらくつろぐこともできます。

井植記念館芝生広場

東側には大阪湾の風景も一望。天気が良ければ、関西国際空港やりんくうゲートタワービルの姿も見えます。海から続く稜線を持つ山は鉢伏山。六甲山系が海に沈む場所でもあり、神戸市内で最も六甲山が海に迫る場所です。まさにここは海と山が交差する風光明媚な場所なのです。すぐ近くの高台の上にあるの大きな家々はジェームス山外国人住宅。今も残る、外国人が暮らす町です。開国後間もない日本にやってきたイギリス人、アーネスト・ウイリアムス・ジェームスが開発した町で、今は井植氏が興した塩屋土地という会社が外国人居留地としてこの町を運営しています。ここははるか遠くからやってきた外国人を魅了した風景でもあるのです。

三洋や松下、ジェームス山の歴史が知れる井植記念館

井植記念館

広い芝生広場の中にある井植記念館。真っ白でシンプルな建物は、芝生の風景に美しく映えます。中央の入口から自由に入る事が出来ます。なお、建物の裏側にも芝生が敷き詰められており、こちらからは垂水区内の風景や須磨アルプスを望むことができます。まさに360度の展望を楽しめる場所なのです。

井植記念館

記念館に入るとそこは白亜の殿堂。まるで神殿のようなホールがあり、その奥には井植氏の胸像が鎮座しています。

井植記念館

ホールの奥、井植歳男氏の胸像の横に展示室があります。消灯していますが、人が近づくと自動点灯するセンサーがあります。

井植記念館

展示室は記念館の一室にあります。展示としては量は少なく、いい意味で短時間で見ることができるようになっています。三洋電機はパナソニック(松下電器産業)に買収されましたが、実はその井植氏はパナソニックの創業メンバーのひとりであり、創始者・松下幸之助氏の義弟なのです。敗戦を機に米軍に松下を去ることを強要された井植氏が、松下幸之助氏の支援を得て設立したのが、三洋電機なのです。三洋電機の創業時は、松下製品を製造するなどしており、三洋電機はパナソニックと非常に結びつきが強い企業だったため、友好的な買収が成立した事が伺い知ることができます。

井植記念館の展示

展示には井植氏とジェームス山の関係も記されています。ジェームス山を開発したアーネスト・ウイリアムス・ジェームスの自邸を買い取り、故郷の淡路島を望む迎賓館「望淡閣」として所有した井植氏。その後、関連事業として、自動車教習所やショッピングセンターなど、このジェームス山に次々と開発。昭和の香りが漂う塩屋の海の上に、外国人居留地を中心とした眺望抜群の近代的な街並みが広がる現在のジェームス山の礎を井植氏が築いたことになります。そのため、井植氏の記念館がこのジェームス山に建てられたそうです。
なお、井植氏が所有した「望淡閣」は現在は「ジェームス邸」として高級レストランとして営業しています。NHKの朝ドラ、主人公が少女期に過ごした豪邸のロケ地であり、その雰囲気は抜群。平日のランチは「カジュアルランチ」として予約不要でリーズナブルなランチを楽しめます。食事をすれば、神戸市有形文化財であるジェームス邸の内部や美しい庭を散策する事が出来ます。是非とも井植記念館と合わせて訪れたい場所です。

井植記念館ホール

井植記念館の中には、広いホールもあります。文化講座やコンサートも開催されているようで、各種イベントにも利用されています。

外国人居留地や明石海峡大橋の絶景の展望台

井植記念館から望むジェームス山外国人住宅

ジェームス山の外国人居留地とその向こうに望む大阪湾。外国人居留地には今も本当に外国人の方がすんでおり、居留地の中には一般人は入れません。ビバリーヒルズのような、広い芝生の庭、ガレージのある豪邸が何軒も建ち並んでおり、外国人が優雅に暮らす町は本当に異国です。

井植記念館からの海の展望

記念館の付近には広い林が残ります。神戸市内の海に程近い場所に、これだけの緑が残っているのはとても稀有なことです。ジェームス山付近の環境がいかに素晴らしいかうかがえます。

井植記念館望む淡路島

夕方になると、明石海峡大橋に太陽が沈む夕景が楽しめます。夕日に照らされる長大な吊り橋と巨大な投影、そして赤く輝く海峡。それらを手に取るように見下ろせるこの風景はまさに絶景です。

井植記念館

井植記念館にはJR塩屋駅、山陽電鉄滝の茶屋駅から徒歩で15分でアクセス可能ですが、山の上ですのでやはり自動車が便利。駐車専用スペースには6台程可能で、その気になれば通路脇やエントランス前にも車は駐車できます。
ありえないほど気持ちよい芝生広場から絶景を見下ろせる井植記念館。平日の天気の良い日に垂水区に訪れたなら、ぜひとも立ち寄りたいスポットです。

ジェームス山の観光と宿泊情報

ジェームス山がある風光明媚な海を望む町塩屋は、開国後多くの外国人が好んで住んだ地で、付近には多くの洋館が建ち並んでおり、狭い路地を歩くと下町と異国がまじりあった不思議な景色を楽しめる隠れた散策のスポットなのです。塩屋から二駅の舞子は、「舞子ビラ」などのホテルがあり、美しい風景を上質な空間で楽しめる神戸のマリンリゾートを楽しむめる宿泊地です。

【じゃらん】須磨・舞子のリゾートホテル一覧

井植記念館

場所: 兵庫県神戸市垂水区青山台1-21-1
電話: 078-751-5216
営業時間: 9:30~16:30
休業日: 土・日・祝日、夏・年末年始
交通: JR塩屋駅・山陽電鉄滝の茶屋駅垂水駅より徒歩15分
   山陽電鉄霞ヶ丘駅より徒歩5分
   第二神明道路・名谷インターより車で約5分
料金: 無料
駐車場: 10台 (無料)

【投稿時最終訪問 2016年11月】

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