ゆらり内海 【海のお風呂と美食レストラン】

四国と九州に挟まれた「宇和海」。太平洋と瀬戸内海に挟まれたこの海はとても穏やかで豊かな恵みをもたらしてくれる。リアス式の海岸美と青い海は四国でも有数の海が美しいエリア。その宇和海に突き出したとても細長い半島である「由良半島」は豊後水道に向かって突き出した延長13kmにも及ぶ半島で、その途中には運河も作られている。そしてその半島の付け根、豊かな大地に囲まれるような場所にあるのが「須ノ川公園」だ。丸い石が敷き詰められたように美しい海に洗われる「須ノ川海岸」は「日本の渚100選」に選ばれている。美しい海岸にはサンゴも生息しており、シュノーケルやシーカヤックなどの人気スポットでもある。潮騒が響く森にはオートキャンプ場もあり、夏は海水浴とキャンプが同時に楽しめる。そんなアウトドアの基地で、心地よいお風呂や、海の幸や地元の食材を使った料理で人気を博しているのが「ゆらり内海」だ。

海水浴やキャンプのお風呂やレストランにも大人気

ゆらり内海

さて、そんな須ノ川公園の一角に「ゆらり内海」という施設がある。「食・湯」と書かれた看板が示すとおり、お風呂とレストランが人気の施設だ。残念ながら天然温泉ではないが、それでもお風呂は趣向が凝らされている。夏になれば、須ノ川の海で泳ぎ、このお風呂に入り、食事をするのが人気。建物に入ると、とてもウッディできれい。照明の使い方がとても上手だと個人的には感じる。館内はすべてフローリングで木のぬくもりを感じられる。特に夏場だと、裸足で歩く木の感触がとても気持ちがいい。

青い宇和海の海水を使った快適なお風呂

ゆらり内海大浴場

お風呂は内湯のみ。いちばん大きな湯船は「潮湯」その名の通り、目の前に広がる美しい宇和海の海水を使ったお風呂だ。真珠養殖のためにつくられたとても細かな目のフィルターで濾過した宇和海の天然海水が満たされている。海水に含まれる豊富なミネラルとナトリウム、カリウムは細胞の活性化、並びに新陳代謝の活性化に効果があるのだとか。
きれいな海水を温めたお風呂なので、舐めるとやはりしょっぱい。海水浴などで日焼けした肌や切り傷などは、かなりヒリヒリする。それだけに、とても効果がありそうな気がする。

ゆらり内海

外には出られないが、一面の窓からの採光が明るくてとても気持ちがいい。潮湯のほかには、サウナと水風呂、そして「マイクロバブル湯」がある。この湯船には通常の水が使われているようだが、とても小さな泡が発生していて白濁して見える。温浴効果が高く、毛穴の汚れの洗浄にも効果があるのだとか。

湯上がりは広くて落ち着いた2階でゆっくりと

ゆらり内海

お風呂を楽しんだら、階段を上って2階へ。階段を上がったところはラウンジになっていてとても雰囲気が良い。ドリンクも販売しているのでここで湯上りの休息もできる。

ゆらり内海休憩室

疲れた、横になりたい・・・という方は、ラウンジの横に和室がある。「海の部屋」「山の部屋」と区切られた2室があり、どちらでも無料で利用できるが、お勧めは「海の部屋」。この窓から、須ノ川の海と、須ノ川公園の池の景色を眺めることができる。意外にここに休憩室があることはみんな知らないのか、結構空いている。

夏の須ノ川公園

寝ころんでの休憩もいいが、ちょっと窓から外の景色を見ていただきたい。特に夏の夕方はお勧め。まるで山脈のような由良半島の向こうに沈んでいく夕日はとても美しい。そして、その麓に広がる須ノ川公園の芝生と池がとてもいい雰囲気。ここにヒグラシの鳴き声などが重なると、とても気持ちがいい。少し涼しくなった潮風で、お風呂で温まった体を冷やしながら感じる自然は何物にも代え難い。

海の幸や地鶏ご美味しい湯上がりレストラン

ゆらり内海レストラン

さて、ひと休憩したらそのまま館内のレストランに。ここでは目の前の宇和海でとれた海の幸などが楽しめる。刺身はもちろんのこと、この地域で有名なのは「ヒオウギ貝」という貝。まるで貝殻に絵具で鮮やかな色をつけたような貝がこの近辺ではよく取れる。その貝は濃厚な味で結構おいしく、食べたあとの貝殻はランプシェードなどアート作品に利用されている。

ゆらり内海レストランメニュー

そしてもう一つ、海の幸以外にも陸の幸もこのレストランで楽しめる。それは「媛っ子地鶏」。この由良半島で育てられる地鶏の「由良地鶏」である。海の近くだけあって、海の幸を餌に混ぜて育てられた由良地鶏の肉は粘りが強く、コクと風味があるそうだ。まだ数が少なく、あまり市場に出回っていない希少な地鶏。せっかくなので今回は、その地鶏を頂くことにした。頼んだのは、媛っ子地鶏のバターしょうゆ焼き定食。鶏肉の濃厚な味をさらに濃厚に楽しめてとてもおいしい。泳いで疲れた体にはおいしくてスタミナ満点の鳥料理がとてもありがたい。しかし、この料理、とにかくビールが欲しくなる。一口食べることに、口の中に広がるガツンと濃厚な旨みが、ビールのさわやかな苦みを求めさせる。はこの須ノ川公園で車中泊して、ビールをぐいぐい飲みたくなる誘惑に負けないように堪える。そんな必死の努力が必要な、罪な料理だった。

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ゆらり内海

住所: 愛媛県南宇和郡愛南町須ノ川286
電話: 0895-85-1155
休み: 木曜(祝日の場合は翌日)
営業時間: 11:00~21:30(土・日曜、祝日は11:00~)
料金: 入浴・大人400円、中学生以下200円
交通: 松山自動車道西予宇和ICから国道56号を宇和島方面へ車で40km
駐車場: 30台(無料)、隣接する須ノ川公園の駐車場も利用可

【投稿時最終訪問 2008年7月】

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