湯神社 【道後温泉の守護神社】

四国を代表する温泉地で、松山市の観光名所でもあ「道後温泉」。3000年の歴史を有する日本最古の温泉で、「道後温泉本館」はそのシンボルである。
そんな歴史ある温泉街には今は多くの旅館が立ち並ぶが、その歴史の長さに比例してか、古い寺社も多く残っている。観光ガイドで紹介されなくても、「こんなところに?」という神社や「もしかしてこの人、教科書に載っていたよね」という人の所縁の寺。歴史好きや寺社好きでなくても、湯あがりの散策に訪れる神社や寺にはどこか風情を感じられる。

道後温泉を守護する湯神社

湯神社

今回訪れたのは「湯神社」。その名の通り、道後温泉の守護神社として建立されたそうだ。場所も道後温泉本館をすぐ真下に見下ろす「冠山」の頂きに鎮座している。
伊予鉄道の道後温泉駅から、からくり時計のある「放生園」の方向へ道を進むと(東方向、道後温泉商店街アーケード入口に向かって右方向)交差点がある。その交差点を直進し、山の方へ上がっていく道を進む。この道の先には「伊佐爾波神社」があり、鳥居が鎮座する参道となっている。その途中に左へ登っていく階段があり、ここが冠山と湯神社の入口となっている。

湯神社参道

湯神社へと続く階段を登っていく。階段はびっくりするほど長くは続かない。マンションで言えば、3階ちょっとほど登るほどだろうか。それでも石段を登っていくと、道後温泉の守護神社に近づいていくという、神聖な雰囲気に包まれていく。温泉の俗世から離れ、神域へ・・・

道後温泉駐車場の横に湯神社の境内

冠山駐車場

って、あれ??出てきたのは大きな駐車場。しかもここは、道後温泉観光のメイン駐車場「冠山駐車場」だ。思いっきり俗っぽい所に出てきてしまったが、神社はどこだ?
周りを見渡すと、あった。駐車場の一角が神社になっている。今まで何度もこの駐車場に車を停めていたのに、全く気付かなかった。
この冠山駐車場、冠山の頂上にある駐車場。4階建てビル程度の標高しかないが、この駐車場から「道後温泉本館」を間近に見下ろす事が出来るので、いつもそちらばかりに目を奪われていた。その気になれば、車を停めたついでに参拝できたのに・・・

中嶋神社

さっそく参拝。娘と一緒にめぐっている「道後温泉日帰り湯めぐり」の成就を祈願。お風呂セット抱えて、道後温泉本館の守護神にお参り・・・
ってここ、「中嶋神社」って書いてあるぞ?また間違えた??
実は湯神社には本殿以外に4つの境内社があり、中嶋神社もそのひとつ。兵庫県豊岡市にある製菓の神様である中嶋神社の四国分社として昭和32年に建てられたそうだ。確かに道後温泉では「坊ちゃん団子」や「タルト」など、和菓子も有名。これは温泉の神様と一緒にお祀りすべき神様だ。

湯神社

さて、こちらが湯神社の本殿。あらためて、娘と一緒に道後温泉にでめぐりができる幸せに神様に感謝。
湯神社は大国主命と少彦名命の二神を祭っている。この神様たちは、旅の途中道後温泉ができるきっかけを作った伝説の主人公。そして、この神社が造られたのは第12代天皇、景行天皇の時代。在位は西暦100年前後というのだから、その歴史の古さにも驚く。
まさに日本において、神話と現実がまだはっきりしていない時代に作られたとされ、その神話に登場した神を祭る、神秘的な神社。舒明天皇(在位西暦630年代)の勅命で神殿を新築した記録が残っているそうなので、現実的にも相当な歴史がある。
由緒ある道後温泉の護り神に参拝したら、道後温泉街に向けて出発。今度は参道ではなく、駐車場から道後温泉へと下る歩道を行く。待つのは俗世の中にある、名湯という極楽浄土。湯神社に参拝した後の道後温泉は、神々がくつろぐ神話の国にも思えた。
そういえば、道後温泉本館がその舞台のモデルとされるジブリの「千と千尋の神隠し」そのモデルとなった温泉には、八百万の神様達が日頃の疲れを癒しに訪れていた。まさにそんな世界への秘密のトンネルを今、くぐってしまったかのようだ。

道後温泉の観光と宿泊情報

日本最古の温泉とされる道後温泉には、数多くの宿があります。どの宿にも趣向をこらした温泉を楽しめ、さらには湯篭をもって浴衣姿で道後温泉本館や椿の湯といった外湯巡りも楽しめます。道後温泉から伊予鉄道の駅に続く商店街「道後ハイカラ通り」にはたくさんの店が並んでおり、各ホテルの軒先には無料の足湯があり、道後温泉は散策するにはもってこい。海にも近く美味しい魚を食べられる店も多数。毎時0分に稼働するからくり時計も見応えがあって楽しく、ゆっくりと宿をとって道後温泉を楽しみたいですね。

【道後温泉の宿一覧】

湯神社

場所: 愛媛県松山市道後湯之町4-10
電話: 089-921-0480
交通: 伊予鉄道道後温泉駅から徒歩5分
   松山自動車道・松山ICより20分
料金: 参拝無料
駐車場: あり(隣接の冠山駐車場を利用・30分100円・100台)
     
【投稿時最終訪問 2011年2月】

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