唐岬の滝【ゴールデンウィークの新緑】

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愛媛県松山市の隣にある東温市。その山中には『白猪の滝(しらいのたき)』と『唐岬の滝(からかいのたき)』がある。共に中予地方(愛媛県中央部)では有名な滝で、夏目漱石と正岡子規も訪れたことがある名瀑だ。国道494号線沿いにどちらの滝もあり、一緒に訪れることも可能。新緑眩しいゴールデンウィークに、上流にある唐岬の滝に訪れた。松山自動車道川内インターより、国道11号線を高松方面へと走る。5分ほど走り、桜三里へ入る手前、国道494号線への入口がある。面河・石鎚スカイライン方面と看板も出ている。494号線を走り、しばらくは山間の穏やかな農村風景を走る。その途中、滝への道すがら、寄っておきたい場所がある。それは『惣河内神社』と『金比羅寺』だ。『惣河内神社』と『金比羅寺』は隣接していて、境内を行き来できるようになっている。『金比羅寺』は紅葉、『惣河内神社』は寒桜が美しく、秋には紅葉と桜が同時に楽しめるスポットだ。今回は『金比羅寺』の新緑を楽しむためにここに立寄る。車は寺の入口を過ぎてすぐに広い路肩があるので、そこに停めさせてもらう。

新緑が美しい金比羅寺に少し立ち寄り

金比羅寺新緑

神社の石段を登り始めてすぐ、鮮やかな色に目を奪われる。鮮やかな赤と、眩しい緑が彩る神社の境内は、とても気持ちが良い。

金比羅寺新緑

見上げると、新緑のモミジ。その眩しいほどの緑が、澄み切った青空に映える。秋はこの青空を黄色や赤で彩るモミジやイチョウだが、この時期は鮮やかな緑で空を彩っている。寺の本堂も古くはあるが、とても歴史があり、荘厳なつくりで見ごたえがある。

唐岬の滝へのアクセス

金比羅寺の新緑を楽しんだら、再び車を山へと走らせる。しばらく進むと、『白猪の滝』の駐車場へとたどり着く。白猪の滝は帰りに寄るとして、このまま山へと車を進ませる。白猪の滝を越えた辺りから、登りがきつくなってくる。
そして道は快適な片道2車線から、1~1.5車線の道になる。今走っている国道494号線はこの先ブラインドカーブが連続し、離合できないところも多い。ただ、交通量はさほど多くなく、道も整備されているので、山道に慣れている人は問題ないレベルだと思う。この国道は「黒森峠」を越え、面河ダム湖を経由して、石鎚山の麓へと向かっている。何度も何度もカーブを曲がり、標高をあげていく。すると、広い路肩と看板がある場所にたどり着く。ここが「唐岬の滝」の入口だ。「石墨山」への登山口にもなっており、カーブを曲がったところには駐車スペースもある。トイレも備えられており、休憩用のベンチも設けられている。
ここから唐岬の滝へは、トイレ横から続く林道へと進む。途中、川を横切る。これが唐岬の滝の上流。滝へは駐車場から下る道をたどる。唐岬の滝は林道途中から登山道に入るが、最近山の伐採が行われたので、林道が奥まで続いている。林道を進むと、一面木を切られて、開けた風景が広がる。

唐岬の滝への道
唐岬の滝への道

この風景は、まるで高い高原に来たかのような錯覚になる。遠くの山々と、道後平野まで一望できる展望はとても素晴らしい。この付近は林業が盛んで、高山を思わせる木々が伐採された跡も、開放感があって気持ちいい。
林道の途中に滝への道標があり、そこから登山道が分岐している。登山道が伐採された尾根の上を白いラインを描くように続いている。その道を進み、林の中に入るくらいに、足元から気持ちのいい水の轟音が響いてくるのがわかる。伐採跡の奥の森によく目を凝らすと、ここからも滝の姿が木々の向こうに見えた。
林の中に入ると、道は急な下りになる。滝の音を聞きながら、道を下っていくと、ついに目の前に唐岬の滝が現れた。

落差114mを滑り落ちる唐岬の滝の溪谷美

唐岬の滝

落差114mの唐岬の滝。七段に別れ、豪快に水を落とすというより、滑り落ちていると言った方がしっくりする。それでも急峻な傾斜を流れ落ちる滝の水量は十分で、谷間には水しぶきが舞い上がっている。水の爽やかな音とマイナスイオンをとても感じられる気持ちのいい場所だ。

水量が少なく、ひとつひとつの滝の落差が少ないので、滝の中段の水が落ちている滝つぼまで接近できる。登山道は滝の左岸中腹まで続いていて、ここから滝つぼに入れる。滝つぼと言っても深くはなく、一枚岩の上を水が流れているだけ。足元に気をつけて流れを渡ると、降り注ぐ水のすぐそばまで近づける。手を流れ落ちる水に浸すことも可能だ。

唐岬の滝

滝の中段でその流れの迫力を味わった後は、滝の最下部へ。登山道から川岸に降りる場所がある。とは言っても地面が崩れており、木の根っこや岩にしがみついてしか下りることができない。自信のない方は控えた方が良い。
河原に下りると、大きな岩がごろごろと転がっている。ここから滝を見上げると、今まで見えなかった唐岬の滝の全容が見ることができる。正面から見ると、落差114mといわれてもピンと来なかったが、こうやって見るとなるほど、それなりの高さがあるように見える。
新緑とマイナスイオンに包まれた滝はとても心地よい場所だった。さて、滝を十分に楽しんで英気を得たら、坂道を登り返して駐車場に戻ろう。帰り道にもうひとつの名瀑、白猪の滝にも是非立ち寄りたい。

唐岬の滝

場所:愛媛県東温市河之内
交通:松山自動車道川内インターより約3場所:愛媛県東温市河之内交通:松山自動車道川内インターより約35分

料金:見学無料
駐車場:5台
所用時間:無料駐車場より徒歩約20分

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