天照の水「氷山命水」【氷ノ山登山口にある人気の湧水】
兵庫県最高峰であり、西日本を代表する名山のひとつ・氷ノ山(1,510m)。鳥取県との県境にそびえるこの山は、四季折々に多彩な表情を見せ、登山や自然散策を楽しむ人々を惹きつけています。その鳥取県側、氷ノ越コース登山道の入口に湧き出す清水が「氷山命水」です。

標高が高く、日本海に近い氷ノ山は冬には豊富な雪に覆われます。その雪解け水が長い年月をかけて山体に染み込み、自然のフィルターで磨かれたのがこの湧水。名前の通り氷のように冷たく、夏の登山で火照った体を一瞬で癒してくれる格別の存在です。キンキンに冷やした冷蔵庫の水を思わせるほどの冷たさでありながら、口当たりは柔らかくまろやか。登山者だけでなく、わざわざ水を汲みに訪れる人も多いのも頷けます。

氷ノ山には天照大神がこの付近から山を越え、美しい樹氷で覆われている姿を見て感動されたという神話があります。そのため天照の水とも呼ばれているようです。道路は狭いながらも湧水前は少し広がっており、路肩に3~4台の一時駐車が可能です。登山と合わせて立ち寄るなら、「氷ノ山高原の宿 氷太くん」に車を停めて歩くのがおすすめ。宿の駐車場は登山者も利用できると確認しています。
(わかさ氷ノ山キャンパーズヴィレッジの駐車場から登山を開始すると、ここを通りません)

湧水はパイプを通して整備されており、その場で手軽に汲んで飲むことが可能。飲む分は無料ですが、持ち帰る場合は1ℓにつき50円というルールが設けられています。

湧水のそばには「幸居庵」という休憩小屋もあります。入口には「自由に休憩どうぞ」と札がかかり、中は登山愛好家の趣味部屋のような温かな雰囲気。登山前に装備を整えるもよし、下山後にほっと一息つくもよし。氷山命水とともに、登山者の心を癒してくれる隠れ家的な存在です。
大自然が育んだ氷の雫「氷山命水」。氷ノ山を訪れたなら、ぜひその清冽な一滴を味わってみてください。
天照の水 氷山名水
場所:鳥取県八頭郡若桜町舂米
交通:中国自動車道・山崎ICより国道29号線経由1時間30分
駐車場:路肩に3~4台駐車可能
料金:1ℓ50円(その場での飲水は無料)
【投稿時最終訪問 2024年8月】