支笏湖【冬でも楽しめる北海道の湖】
日本でも屈指の透明度を誇る北海道の「支笏湖」(しこつこ)。大自然に囲まれた原始のままの姿の湖にはカヌーや流行りのSUPを初め、ダイビングなども楽しめるアウトドアスポット。水の凍らない支笏湖は、冬でもアクティビティを楽しめたり、真っ白な湖の雄大な風景を眺められると人気のスポットです。
冬でも見所がいっぱいの美しい支笏湖
支笏湖は日本最北の不凍湖で、世界有数の透明度を誇る摩周湖に匹敵する透明度があります。周囲約40km、最大水深363mで平均水深も265m。火山の河口が元にできたカルデラ湖で、国内第二位の深さがあります。面積は日本で8番目の大きさですが、貯水量は琵琶湖に次いで2番目に多く、なんと琵琶湖の3/4もの貯水量なのです。
水温は非常に低く、真夏でも50mより深いところでは5度を超えることはほとんどありません。その一方、深い水深のために、湖面が凍ることはほとんどなく、日本最北の不凍湖とされています。
支笏湖の観光の拠点は、千歳川が流れ出す付近に広がる支笏湖温泉。観光駐車場から、土産屋や飲食店、旅館が並ぶ道を湖に向かって歩きます。冬でも全ての店ではありませんがレストランや食堂、土産物が営業しており、訪れる観光客のも少なくありません。
また、支笏湖温泉には「翠山亭」や「休暇村支笏湖」など、良質な湯を楽しめる宿もあります。
メインストリートから横道を入ると、冬季は閉店しているお店や空き店舗も目立地ます。それでもしっかりと道は除雪されており、歩きやすくなっています。
土産店などを抜けると、支笏湖の湖畔にたどり着きます。湖底が見えるほどの透明な支笏湖の美しさには、凍てつく寒さの冬でも感動的です。
カルデラ湖である支笏湖は、周囲を険しい山々に囲まれています。開けているのもこの付近のみで、原始の姿のままの湖です。
支笏湖は多くの活火山に囲まれており、写真は西方の展望。南側にそびえる風不死岳(ふっぷしだけ)。さらに南には樽前山。そして湖の北側には恵庭岳。活火山である支笏三山が支笏湖の南北にそびえ、雄大な風景をつくりだしています。
山線鉄橋から見る支笏湖の透明度がすごい!
千歳川が流れ出す湖畔には、雪の中でその赤い色がとても映える「山線鉄橋」がかかっています。山線鉄橋の向こう岸には「親水広場」があり、支笏湖の水辺に降りることができます。夏場はきれいな水に足を浸して・・・という楽しみがありますが、冬は水辺は凍てつき雪に閉ざされているので近づくこともできません。向こう岸の小高い丘の上には「野鳥の森」と「休暇村支笏湖」があります。
山線鉄橋は明治41年、王子製紙が千歳第一発電所を建設するための物資運搬用に敷いた軽便鉄道(通称山線)に架けられたもの。北海道で現存する現役最古の鉄橋です。
当初は木製でしたが大正12年に鉄橋に架け替えられています。明治32年に北海道官設鉄道上川線に「第一空知川橋梁」として空知川に架けられていたものが、大正12年に王子製紙の専用軽便鉄道として現在の場所に移設されました。命の保証はないとしながらも、客車を連結して一般客も乗車できたそうです。
山線鉄橋から眺める支笏湖。橋の上からは千歳川となって流れ出す場所を見下ろすことができます。エメラルドグリーン色の湖底がはっきりと見える神秘的な眺め。支笏湖ブルーと呼ばれる透明度の高い支笏湖の湖水の美しさを感じられるスポットです。
支笏湖の北側にそびえる恵庭岳。標高1,320 mの活火山で、そこに鎮座することで支笏湖の風景を一段と雄大なものにしてくれています。また、恵庭岳山麓の湖畔には「丸駒温泉旅館」があり、支笏湖の湖畔の露天風呂は原始的で広大な湖を一望する秘湯の湯として人気を博しています。
支笏湖湖畔には遊覧船船着き場があります。夏場は水中を見れるグラスボートなどか運航しており、その奥にはボートやカヌー、ダイビングのサービスもあります。
冬場もウエットスーツを着たカヌーやSUPのツアーが湖に繰り出しており、冬ならではの極寒アウトドアアクティビティが楽しめます。
支笏湖から流れ出す千歳川。その流れ出す所に山線鉄橋がかけられており、川の流れを上から望むことができます。
山線鉄橋は千歳川となって流れ出す支笏湖の澄みきった湖水の美しさを感じられるスポット。日本有数の水質を誇る支笏湖の澄んだ水は「支笏湖ブルー」と呼ばれ、神秘的なわれる青色の輝きを放っています。
美しく凍てつく支笏湖湖畔
湖畔には氷のモニュメントが残っていました。透き通った湖の水をスプリンクラーで吹きつけ凍らせてつくったもで、1月中旬から2月中旬の千歳・支笏湖氷濤まつりではアイス・ブルーの氷柱が美しくライトアップされ、とても賑わいます。訪れた時期は3月中旬でしたので、この氷柱は祭りの名残です。
湖につき出した桟橋が凍りついています。湖面が凍ることは中々ありませんが、水しぶきなどで濡れた木々や岩は、冬にはあっという間に凍てついてしまいます。
「支笏湖湖畔の森」はその名のとおり湖畔に広がる広大な森。深い森も冬場は葉を落とし広々としています。付近は探勝路となっており、春になれば野鳥などを観察することができます。
支笏湖ビジターセンターは見所いっぱい
湖畔に程近い場所に、支笏湖ビジターセンターがあります。冬でも営業しているので、暖と支笏湖についての知識が得られますので、是非立ち寄りましょう。
ラウンジの壁一面の窓からは支笏湖の冬景色を一望できます。ここではゆっくりとくつろぐことができ、暖かい館内から望む絶景はまた格別です。
支笏の森の景観と環境の実物展示。直径1.2mのウダイカンバ(マカバ)の巨木を中心に、森に暮らす動物や、樹木、昆虫などを紹介しています。今は一面真っ白な支笏湖ですが、緑の季節になると多くの生命に包まれます。
支笏湖を取り囲む山々と支笏湖の湖中の地形模型(クリスタルジオラマ)が目を引きます。支笏湖の成り立ちや見どころも映像や写真で紹介されており、目の前に広がる神秘的な湖の魅力をさらに深めることができます。
丸駒温泉を目指す冬の支笏湖はドライブも最高!
支笏湖温泉から国道453号線を湖畔沿いに北上します。車窓に流れる雄大な支笏湖の風景がとても気持ちよく、北海道の大自然を満喫できるルートです。走る先には恵庭岳がそびえており、その山麓には北海道の秘湯として名高い丸駒温泉旅館があります。
ドライブの途中に眺める支笏湖の南側にある風不死岳とその後ろに真っ白になった樽前山。特に樽前山は支笏湖温泉付近から見ることができず、湖の北側に車を走らせて初めてその姿を見ることができます。樽前山は荒涼な山容で木々が生えず、山頂に溶岩ドームが形成されている典型的な火山。その荒々しい山肌には多くの雪が降り積もり、付近の山と比べてもひときわ真っ白になっています。
秘湯の湯としても名高い「丸駒温泉旅館」は、風不死岳と樽前山を背にして広がる支笏湖を眺めながら入浴できる露天風呂があります。支笏湖北側にドライブするならぜひ立ち寄りたい日帰り入浴できる温泉です。