芸予要塞探索ガイド【しまなみ海道・小島】

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「芸予要塞」は愛媛と広島を結ぶしまなみ海道の離島「小島」に残る、明治時代に造られた旧日本軍の要塞跡。瀬戸内海に浮かぶ小さな島の中に、100年以上前に造られた多くの戦跡が残っている。明治時代、日露戦争前にバルチック艦隊の襲来に備えて造られた芸予要塞の規模は大きく、当時の技術の粋が詰め込まれた戦跡はまるで古代遺跡のようにも見える。近年、天空の城ラピュタのようと写真映えする戦跡が人気だが、地方の離島にある芸予要塞は訪れる人も少なく、手つかずの戦跡に自由に立ち入る事ができる。歴史好き、廃墟好きにはもちろん、映えを求める人にもたまらないスポットだ。

小島・芸予要塞へのアクセス

今治波止浜港

小島へのアクセスは愛媛県今治市の波止浜港からの馬島行き小型フェリー。1日約10便。往復往復で440円。離島とはいえ、児島までは船に揺られて約10分で到着する。波止浜港には駐車場とトイレ・待合室を兼ねた小さな建物があり、駐車場は港の外と港の中に合計35台ほど駐車可能。大きくはないが甲板も備えており、自転車は追加料金90円で持ち込めるが、坂の多い小島散策では使う機会はないだろう。

船は出航すると造船所が軒を連ねる海域を進んでいく。潮待ちの港として栄えてきた今治市は、造船会社がひしめく。船の内部が見えるくらいまだ建造中のものもあれば、完成後の修理や点検などで停泊しているような船も。これだけ巨大な船を間近に見上げながら進んでいく風景は、瀬戸内海でも数少ない。この風景だけでもとても見応えがある。

来島

巨大な船が重なり合う場所を抜けると、来島海峡に出る。海峡に出る直前、内湾の出口にこの海峡の名前となっている来島に寄港する。穏やかな波のない海面だが川のようにゆっくりと海が流れている。来島は戦国時代には能島、因島と同じく、村上水軍の拠点の1つだった島。その後、潮待ちの港として多くの船で賑わった港だ。現在は人口約30人。公民館や寺などがあるが、とても静かな島。ここで降りる人は無く、荷物だけが船員から地元住民に親しげな挨拶と一緒に渡されていた。

小島行フェリー

来島を出発すると、すぐ向こうに目指す小島が見える。海沿いに少しの民家がある普通の島に見えるが、海上からは見えないように多くの要塞遺跡が眠っている。内湾を抜け出し、しまなみ海道の来島海峡大橋がかかる海峡部へと進んでいく。

小島と潮流

小島が近づいてくると、突然波もなく静かだった海がざわめき始める。海が轟音を立てて、流れ始めた。これが日本三大急潮流のひとつに数えられる来島海峡の潮流。来島は狂う潮が訛ってつけられた島の名前という説がある。以前は潮待ちの港が瀬戸内海の各所にあったが、この流れの中を人力や風力だけで進んでいくのは困難。潮を読み、この潮の流れに乗って進んでいくのが当時の航海だった。今の時代はエンジンを動力として進むので、潮を待つ必要はなくなった。それでもこの流れの中に入ると、船は振動し、激しく水が船に当たる音が確かに感じられた。

小島

強い潮の流れを横切ると、再び海は穏やかになり、小島の港が見えてきた。港と言っても桟橋が2つあるだけ。付近にも民家が数軒点在するだけの島。この島に今も眠る要塞の跡はここからは感じられない。

小島へのアクセス

小島の桟橋に到着。船から降りたのは、釣り人2人と地元の方1人。桟橋付近には民家が軒を連ねているだけで店も何もない。桟橋から西にトイレや案内看板があるので、まずはそちらに向かう。

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