ふたみシーサイド公園のだるま夕日
瀬戸内海に面した美しい砂浜が目の前にある、愛媛県伊予市の「ふたみシーサイド公園」。道の駅に指定されており、夏の海水浴はもちろん、美しい夕日を眺められるスポットとして人気の場所だ。道の駅がある海岸線を走る国道378号線は「夕やけこやけライン」という愛称で、美しい夕景の海をドライブできる人気ルートで、海に沈む夕日を最後にこの道の駅で眺めるのが定番となっている。
夕日は一年中楽しめるが、特に美しい季節が晩秋から冬にかけて。この季節には太陽が溶けるように海に沈む「だるま夕日」を見られる可能性が高くなるからだ。
美しいだるま夕日が見られる「ふたみシーサイド公園」
だるま夕日は冬場の空気の透き通った日によく見れる。水平線から島や船が浮いて見える蜃気楼「浮島現象」が発生していることがだるま夕日を見られる必須条件。さらに太陽が沈む水平線に雲がなければだるま夕日はほぼ確実だ。
浮島現象は、水平線の上の島や船の下に小さな鏡像となって蜃気楼が発生し、まるで海からそれらが浮いているように見える。その蜃気楼の水平線に太陽が沈む時、太陽自身の鏡像と重なってだるまのように見えることから、だるま夕日と呼ばれている。
溶けるように海に沈むだるま夕日
ゆっくりと蜃気楼が待つ水平線へ太陽は近づいていく。
水平線に太陽の鏡像が幻のように映りはじめた。
本物の太陽と蜃気楼の太陽がつながり、だるま夕日となった。
蜃気楼に飲み込まれた太陽は、楕円形に形を変えて、溶けるように水平線に沈んでいく
ゆっくりと海に沈む太陽 感動の瞬間はゆっくりと幕を閉じた
美しい光景、カメラの三脚を持ってこなかったのが後悔だ。あと、太陽ばっかり見ていたので、目に光の跡が残って目が痛い。サングラスがあれば、太陽の形がはっきりと観察できたかもしれない。
子連れで夕日の海遊びが楽しめるふたみシーサイド公園
夏に娘と海水浴気分で訪れた「ふたみシーサイド公園」。10月にまたもや夕日を楽しみに訪れた。娘も外で大分遊べるようになったので、砂浜で遊ばせるためにも再度の訪問となった。
先日のふたみシーサイド公園の海水浴リンク
ふたみシーサイド公園の砂浜はきちんと整備されていてとてもきれい。海水浴シーズン外でも定期的に清掃がされており、歩き始めの幼児でも安心して遊べる。
10月だというのに、泳いでいる人がいる。スイミングキャップをかぶり、ものすごいスピードでのクロール。おそらく楽しんでいるというより、トレーニングをしているようだ。無数の島々が浮かぶ瀬戸の海を泳ぐ姿は、とても絵になる。
太陽が随分海に近づいてきた。そろそろ遊びも終わりだ。1日の最後、双海の海で一番美しい「夕日が立ち止まる時」のはじまりだ。
沈んでいく太陽。それを見送る人々。この一瞬の時間には、様々な風景と人々の思いが交錯する。空が青とオレンジに混沌とその色を混ぜられていくのに合わせて・・・
夕日が立ち止まる恋人の聖地
「夕日が立ち止まる町」というキャッチコピーの伊予市の旧双海町。しかし、水平線に沈む太陽は、その動きがわかるほど早い。ゆっくりと落ちていく太陽を見送る人が、防波堤に等間隔に並んでいる。この「ふたみシーサイド公園」は「恋人の聖地」に認定されている。
ここでちょっとカメラの設定を変えてみる。ホワイトバランスを「晴」→「電球」にしてみた。うまい具合に、海の青さが際立った。
実際に人間の目で見た風景の色は、この時はちょうど「電球」の方が良く表現出来た。同じ構図でも、設定一つで全く違う写真になる。
太陽が雲の中に入っていく。水平線までもう少し。一日の最後にして、大自然の壮大な物語のクライマックスが近づく。その美しい風景には、恋人たちも愛の語らいを忘れざるを得ないか、それとも普段よりも熱く語らうのか。
雲を突き抜け、太陽はあっという間に水平線に近づく。するとゆっくりと、水平線からもう一つの太陽が頭を出す。「だるま夕日」のはじまりだ。
恋人たちは、夕日がだるまになっていることに気づいているのだろうか。気付かなくても、このとんでもないほどの美しさには、理屈など一切必要ない。
道の駅から気軽に眺められる美しいだるま夕日
ゆっくりと海に溶けていくようなだるま夕日。雲を纏いながら海に溶けていく姿は、いつもに増して複雑にそして重厚的な美しさを演出してくれる。
最後にひときわ輝き、太陽は雲から滴り落ち、海に溶けていった。それと同時に瀬戸の海には夜の帳が下り始める。1日の終わり、さざ波の音と虫の音が涼しい潮風に運ばれる。もうここは秋。目の中に焼きついた、眩しいほどの太陽の光を名残に、この美しい渚を後にした。
残念ながら眩しいのか、娘はこの美しい太陽にずっと背を向けたまま。でもいつか、この美しい海も太陽も、自分から見たいと言ってくれる日が来るはず。また登る太陽といつか来るそんな未来は、とっても楽しみでもある。
夕日を眺めた後は道後温泉で宿泊しよう
日本最古の温泉とされる道後温泉までふたみシーサイド公園からは車で1時間弱。道後温泉には数多くの宿があり、どの宿にも趣向をこらした温泉を楽しめ、さらには湯篭をもって浴衣姿で道後温泉本館や椿の湯といった外湯巡りも楽しめます。道後温泉から伊予鉄道の駅に続く商店街「道後ハイカラ通り」にはたくさんの店が並んでおり、各ホテルの軒先には無料の足湯があり、道後温泉は散策するにはもってこい。海にも近く美味しい魚を食べられる店も多数。遅めの夕食を食べられる宿、夕食なしのプランの宿ならもってこい。また松山市内にも温泉つきのシティホテルがいくつかあるのでそちらに宿泊するのも気持ちが良いです。
ふたみシーサイド公園
場所: 愛媛県伊予市双海町大字高岸甲2326
電話: 089-986-0522
期間: 6月下旬~8月31日
交通: 松山自動車道伊予ICから車で15分
駐車場: 130台(道の駅を利用)
【投稿時最終訪問 2013年3月】