道の駅みなとオアシスきさいや広場【宇和島の海鮮食べるならここ!】
愛媛県宇和島市。伊達正宗の長男、伊達秀宗が初代藩主となった港町で藤堂高虎が築城した、江戸時代の天守閣を現在に残す減産十二天守のひとつ宇和島城が町の中心にある。宇和島はみかんの全国有数の産地であり、また四国有数の漁港を有し真珠の養殖もさかん。闘牛が定期的に開催されている事もあり、食と歴史、文化を楽しめる観光都市でもある。愛媛でも指折りの美味しいものの宝庫の宇和島には美味しい郷土料理がたくさんある。そんな郷土料理を気軽に一か所で楽しめる美味しい場所。それが道の駅「きさいや広場」だ。
「きさいや」というのは、宇和島のある南予地方の方言で『来てください』という意味。特産物の販売は当然ながら、食や文化をいろいろと楽しめる場所だ。
宇和島で必食!「鯛めし」と「じゃこ天」
きさいや広場の建物。この中にレストランや物産店が入っている。建物の外には大きな屋根付きのステージがあり、イベントが開かれたり、ビアガーデンになったりする。常時テーブルとイスがあるので、ここで買った美味しいものを食べることもできる。
道の駅にはフードコートレストランがある。ここには「かどや」や「ほづみ亭」といった、宇和島の名店が出店しており、地元の食材を使った郷土料理・名物料理を楽しめる。今回オーダーしたのは、宇和島の郷土料理の「鯛めし」(1250円)
道の駅のすぐ近くにある「かどや」の弁天町店で鯛めしを食べようとすると1790円するので、こちらのフードコートのかどやで食べる方がお手軽だ。
鯛めしは愛媛県の郷土料理であるが、県の北東部と南部ではまったくモノが違う。松山や今治(中予・東予地方)がある瀬戸内海側の鯛めしは、鯛の炊き込みご飯。宇和島(南予地方)がある宇和海側の鯛めしは、鯛の刺身をご飯に乗せ、特製タレと生卵、薬味でいただく。どちらの鯛めしも美味しいが、海の幸というイメージとしては、この宇和島の鯛めしに軍配が上がる。プリプリの鯛の刺身を、アツアツのご飯に乗せ、甘辛い独特のダシと生卵でいただくのは、とにかく贅沢。あまりもの美味しさに、ガツガツとかきこんでしまう。
鯛めしには、こちらも愛媛県、特に南予地方の名物の「じゃこ天」がつく。ハランボと呼ばれる小魚を骨ごとすりつぶした練り物を揚げたもの。その独特の食感と旨味はおかずはもちろん、酒の肴にもぴったり。宇和島の郷土料理を2品も味わえる鯛めしは、観光客向けのメニューとはいえ、その味もしっかりしているのでとても美味しい。地元の美味しい料理を楽しむなら、やや値段は張るがこの鯛めしを頂きたい。
「ほづみ亭」と「かどや」以外にも、宇和島でも名の通った美味しい海鮮を食べさせてくれるレストランがここに集って出店している。メニューを見るだけでも、何を食べたらいいのか定まらない。
レストランでは入口の食券機でお目当てのメニューを買うと、自動的に各店に知らされるシステムになっている。あまりにもメニューが多いので、どれを食べようかついつい迷ってしまう。出来上がるのを待っている間もあれも美味しそう、これも美味しそうと誘惑をいっぱいふりまいてくる。何度ここに通っても楽しめそうだ。
宇和島地方の名物を使った料理のひとつ、ほづみ亭の「太刀魚ちりめん丼」(1000円)
どんぶりの上乗っているのは「太刀巻」という宇和島の特産品。太刀魚を3枚におろし、竹に巻きつけて、炭火でじっくりと特性のタレにくぐらせながら焼いた一品、濃厚なタレの味と脂の乗った香ばしい太刀魚の身は、ごはんにでもビールにも相性抜群なくらいに美味しい一品。そんな太刀魚にかじりつきながら頂く丼は、かなり絶品。山椒を散らすと、さらに味が深まり、なんともいえない。それはもう、高級なうな丼に匹敵する可能ような味わいだ。
新鮮な魚や貝、意外なスイーツも目白押し!
物産販売コーナーの一角には巨大な水槽がある。いっぱい魚が泳いでいて、子供たちには大変人気だ。
この中の魚は全て食べられる魚で、レストランの食材にもなっている。娘にも、さっき食べたのはこの魚だよと、ちょっとした食育の時間。
食事を楽しんだら、物産販売コーナーを見る。お土産や海鮮加工品を始め、鮮魚店やテイクアウト可能な一品を扱う店もある。ここで好きなものを買って、外のベンチで食べるというのもありだ。
また、物産販売コーナーの外側のスペースには、JAが出店している。新鮮な野菜が安く買うことができる。そして、なんといっても主力商品は「みかん」で、様々な種類のみかんが豊富にしかも激安に陳列されている。
建物の外側には、コロッケなどの特産品を使った一品を販売する店や、観光情報センターがある。近くにある「熱田温泉」の湯を使った足湯などもある。この「きさいや広場」だけでも、十分観光やショッピングをする価値がある。
また、このきさいや広場でレンタサイクルもある。有名自転車メーカー・ジャイアントのロードバイクやクロスバイク、シティサイクルや子供用自転車など取り扱い車種のレベルはかなり高い。ここに車をおいて快適な市内観光を楽しむこともできる。
さて、レストラン以外の店でも、魅惑の一品がいろいろと売られている。全部食べるのはさすがに無理なので、ここは「あこやひめ」という店の『パールコロッケ』を買ってみた。真珠の養殖に使われる「アコヤ貝」の貝柱が入った珍しい一品だ。
最後に紹介するのは、物産コーナーの一角にある「ROYCE’」の常設店。ROYCE’は言わずと知れた北海道の有名菓子メーカーだが、なぜこんな遠く離れた四国の宇和島に店があるのか?しかも、ここは「西日本唯一の常設店」だそうだ。
その理由は、伊達正宗で有名な「伊達家」にある。宇和島は実は、伊達正宗の長男の秀宗が入封して栄えた城下町。そして、ロイズ本店がある北海道当別町は、伊達家によって開拓された土地。伊達家が縁で、2009年に宇和島市と当別町が姉妹都市になったため、この出店にこぎつけられたそうだ。
こうやって物産展で買い物をするだけでも、宇和島の歴史に触れられるとても面白い場所だった。もちろん、偶然にもゲットできたロイズのチョコレートを買って帰る事は忘れない。
宇和島の大祭「牛鬼まつり」等の展示も充実
きさいや広場には真珠の販売、展示を行う「真珠館」と、「牛鬼館」いう建物がある。「牛鬼」は宇和島のシンボルで、毎年行われる「うわじま牛鬼まつり」に使われる、5~6mもある巨大な牛鬼が複数展示されている。祭りのときには、その牛鬼がまるで生きているかのように大きく口を開いて首を激しく振り回して市内を練り歩く。この恐ろしい形相をした牛鬼が、祭の時には人の手によってリアルに動きまくる。止まっている今でも動き出しそうなほどリアルな迫力だ。
宇和島は真珠の一大産地であり、闘牛も定期的に開かれている。宇和島の美味しい料理だけでなく、その文化や特産品にも触れられる、集約された情報発信基地。この地に旅で訪れたならば、是非立ち寄りたい場所だ。
道の駅 きさいや広場
場所: 愛媛県宇和島市弁天町1丁目318-16
電話: 0895-22-3934
施設: レストラン、物産販売所、特産品販売所、観光情報センター、足湯、
トイレ、自販機コーナー
営業時間: レストラン/9:00~20:00 展示棟9:00~18:00
休館日: 年中無休
駐車場: 145台
ロケーション: 高規格バイパス道路高架下
アクセス: 松山自動車道・西予宇和インターから約30分
【投稿時最終訪問 2013年4月】