日本水仙花開道 【愛媛県伊予市双海町・スイセン畑】

最終更新日

Comments: 0

冬の花といえは、スイセン。特に海沿いの丘などに広がるスイセン畑は人気があり、有名スポットとなっている場所も多い。
愛媛県伊予市にある「日本水仙花開道」は、海を見下ろす小高い丘の斜面一面のスイセン畑。近年人気が出てきているが、まだまだ知名度は低い穴場的なスポット。人を気にせずにスイセンと海の写真を撮るにはもってこいの場所だ。海とともにこの町を彩る花としては、線路沿いに一面に咲く菜の花がとても有名である。しかし、その菜の花の開花前に、もうひと花添えてくれるのが、スイセンだ。
日本で一番海に近い駅と称される「下灘駅」の近く、海を見下ろす丘の上に、一面の水仙畑が楽しめる。現地の案内看板では、「日本水仙花開道」という名前がつけられている。時期は1月上旬~下旬。松山から国道378号線(ゆうやけこやけライン)を西に向かう。海にいちばん近い駅で有名な「下灘駅」を通り過ぎた頃、小さな港町に差し掛かる。この町の丘の上に、「日本水仙花開道」がある。水仙畑が咲いている時期は、下灘運動公園の駐車場が臨時に開放されている。駐車場からは、国道378号線を横断歩道で渡り、東方向へ。郵便局を通り過ぎ、ガソリンスタンドのある信号つきの交差点を左折する。そして、電車の鉄橋をくぐらず、その手前の交差点を右折。細く時代を感じる道を少し歩くと、そこに「花開道」の入口がある。段ボールでこしらえた看板がフェンスにつけられている。看板がなければ、絶対にわからない。

線路を渡り丘に登れば一面に広がるスイセン畑

伊予市双海町の漁港

細く急な道を登ると、線路を渡る。ここは踏切がないので、電車の往来には十分注意すること。幸いに、見通しはよく、列車の速度も速くはない地点だ。線路を渡り、人ひとりが通れるくらいしかない幅の道をどんどん登っていく。登るにつれ、眼下に風光明媚な港町の風景が広がっていく。

日本水仙花開道

海を見下ろす気持ちのいい坂道を登って行くと、清々しい香が風に運ばれてくる。そして、その香りと同時に、美しい花畑が広がった。
「日本水仙花開道」は毎年1月に訪れており、2月に入ってから訪れるのは初めて。
道端の水仙の花もかなり色褪せてきており、心配だったが、そんな心配は心地よい潮風にどっかに持っていかれた。水仙の花はとても色鮮やかに咲き誇り、その美しさはとても素晴らしい。この花畑を育てている方の愛情と努力が、美しい花となってずっとここにとどまっているかの様だった。

海と美しい漁船を見下ろすスイセン畑

スイセン

木陰の下、光を浴びる水仙の花。輝く真っ白な花は清楚で、まるで宝石のような美しさ。

日本水仙花開道

水仙畑をどんどん上へと登って行く。振り返ると、港の風景と水仙の花畑がとても美しい光景を作り出している。
花畑の中の小屋もとてもいい味がある。この水仙畑は水仙を育てている所有者が一般に解放してくれているそうた。小屋では水仙を販売していて、訪れた多くの人が水仙を買い求めている。希望すれば、係の人が自分の好きな水仙の花を畑から摘んでくれるとも聞く。このとても気持ちのいい香りと美しい花。自宅でも楽しめるのはちょっとした贅沢だ。

日本水仙花開道

冬の太陽をいっぱいに浴びて輝くスイセン。一面に咲かせた白い花がキラキラと輝き、潮風にさわやかな香りをばらまきながらそよぐ。足元では、青い海。目の前では緑の海が、優しい風にさざめいている。

双海町のスイセン畑

膝を屈めて、緑の海の中に身を潜らせる。さわやかな潮風に乗ったスイセンの甘い香りが鼻腔をくすぐる。そよぐ風にゆらめくスイセンの海。このまま沈んで行きそうになるくらい、とっても気持ちが良い。
スイセンの海の向こうに見えるのは本物の海。黄色のカラーリングで統一された漁船が濃紺の冬の海にとても眩しい。とても懐かしく、遠くまで来たような気になる、とても美しい風景。

スイセン畑の頂上は伊予灘を一望する絶景

日本水仙花開道

スイセン畑の一番上まで登りきった。一面に広がる水仙畑の向こうは、これまた一面に広がる青い海。美しい風景に満ち溢れる、潮の香りとスイセンの香りが最高に気持ちがいい。畑の上には木で作った簡単なベンチか設けられている。そこに腰を下ろす。この風景はいつまで見下ろしていても飽きない。時間を忘れ、いつまでもここに居たい。そう思わせる場所だ。

伊予市のスイセン畑

腰を下ろしたベンチの前にも美しい水仙の花。花を近づけると、濃厚な甘い香り。思いっきり深呼吸。体の隅々までしみわたる花の香り。日々の生活でため込んだ毒々しいものがはじけて中和されていく、そんな気がした。

日本水仙花開道

2月とは思えないほど暖かいこの日。それはまるで春を感じさせるような風景。双海の春はとても気持ちがいい。蒼く輝く海に、水仙、菜の花、そして桜。鮮やかな花が彩りを添えていく。

伊予市の水仙畑

美しい花を感じながら、港町を渡る風を感じられる。ここはとてもいい場所だ。海と花畑の組み合わせはとても不思議で、心がとても落ち着く。自分がいる空の中、美しいものをいっぱい風が運んできてれる。

日本水仙花開道

花畑から見上げる空。まだ空は高く、冬の空。それでも暖かな春を感じる日差しは気持ちよく、思わずここで昼寝をしたくなるくらいだ。この水仙畑の中には道がいくつも設けられている。自分が好きな風景を探して、水仙の中をゆっくり歩いてみるのも気持ちがいい。
そういえば毎年ここに訪れるのは夕方。帰りに美しい双海の夕日を見て帰る欲張りなプラン。しかし、夕方になるとこの畑には光が山に遮られて入らなくなる。
今回は昼間に訪れたが、たっぷりの光がスイセン畑には注いでいた。夕方もいいが、やはり太陽の光が眩しい昼間が一番美しい時間帯だと感じた。

日本水仙花開道

残念ながら約束があり、その時間が迫っている。ああ、帰りたくない。日が沈むまで、ここで景色の移ろいを眺めて居たい。知らない遠くの町まで旅をして、たどり着いた場所。そんな風景がここにはあった。

日本水仙花開道

町と海が足元に一望できるようになった頃、周辺に水仙が咲く畑が広がり始める。瀬戸内海の青さとと水仙の白さ。そして、潮風に運ばれる水仙の香り。この地に立つだけで、五感すべてで癒しを感じることができる。

伊予灘と水仙畑

畑の一番上からは、風光明媚な瀬戸内海と一面の水仙の風景を眺められる絶好のポイント。多くの人がここからカメラを構える。下灘の港町はもちろん、瀬戸内海に浮かぶ島々や海から一気に1000メートル付近まで立ち上がる高縄半島の山々まで望むことができる。潮風に揺れる
双海町は夕日が有名な町。夕日に照らされた水仙を見ようと思う人がいるかも知れないが、残念ながらそれは無理。夕方になると、畑の背の山に太陽が遮られ、光は注がなくなる。遅くとも15時には水仙畑に入らないと、満足な風景を見ることができないので、注意が必要。また、水仙畑の小屋では、ここの水仙を販売している。1本20円、1束100円くらいの値段。しかし、1日の販売本数は限られているので、スイセンを持ち帰りたいなら早めの訪問が良いだろう。

海と水仙畑を眺めた後は道後温泉で宿泊しよう

日本最古の温泉とされる道後温泉まで日本水仙花開道からは車で1時間弱。道後温泉には数多くの宿があり、どの宿にも趣向をこらした温泉を楽しめ、さらには湯篭をもって浴衣姿で道後温泉本館や椿の湯といった外湯巡りも楽しめます。道後温泉から伊予鉄道の駅に続く商店街「道後ハイカラ通り」にはたくさんの店が並んでおり、各ホテルの軒先には無料の足湯があり、道後温泉は散策するにはもってこい。また松山市内にも温泉つきのシティホテルがいくつかあるのでそちらに宿泊するのも気持ちが良いです。

日本水仙花開道

場所: 伊予市双海町串194
電話: 089-994-5852(伊予市観光協会)
営業時間: 9:00~17:00
開園日: 12月下旬~2月中旬
休業日: 無休
交通: 松山自動車道伊予ICから約30分、徒歩15分
料金: 無料
駐車場: 30台 (無料・しもなだ運動公園を利用)

【投稿時最終訪問 2013年2月】

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください