みかめ本館【海鮮と展望が自慢の港町の宿】

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南予と呼ばれる愛媛県南西部。海から立ち上がる山による複雑な地形。瀬戸内海と太平洋の間、四国と九州に挟まれた豊かな海宇和海。それらがもたらすのは日本屈指のみかんの産地と、四国屈指の豊かな漁場。農業と漁業が盛んな地域で、海と山の恵みにあふれる場所だ。
そんな南予を旅する時、行ってみたいと思っていた宿があった。それが今回宿泊した「みかめ本館」だ。「みかめ本館」があるのは西予市三瓶町。この付近は独特な地形で、市の中心部は山の上の盆地にある。峠を越え、海に向かって一気に下ると三瓶町に出る。市の中心部までは20分。高速道路のインターもあるので、宇和島などへの観光や帰路も比較的アクセスが良い。また、隣の八幡浜市中心部までも県道で20分ほどで出れるため、南予地方の観光の拠点にできる場所でもある。そんな場所で、新鮮な海鮮料理と展望風呂が楽しめる宿だ。

港町の中でひときわ立派なホテルみかめ本館

みかめ本館

みかめ本館の建物。2004年に改築オープンした旅館で、三瓶町では最も大きな宿泊施設になる。2階建の民家が立ち並ぶ港町では、6階建てのみかめ本館はひときわ目立つ建物になっている。

みかめ本館駐車場

みかめ本館ロビー

みかめ本館の駐車場は屋外に3台、庇の下に2台駐車可能。やや駐車台数は少ないように思える。しかし、目の前にある「みかめ海の駅潮彩館」の駐車スペースは何時でも使えそうなので特に問題はなさそうだ。ロビーも旅館の規模に対して広く、大型テレビや新聞もあるのでくつろげる。ディスプレイはギャラリーとしても使われており、この時は明治時代の日露戦争時、海軍将校としてロシアバルチック艦隊を打ち破る快挙を遂げた秋山真之の書がかかげられていた。司馬遼太郎氏の小説「坂の上の雲」の主人公のひとりで、愛媛出身の軍人。同じく愛媛出身の俳人・正岡子規の親友だ。フロントの対応もとても親切で好感が持てた。

まるでリゾートマンションのような快適な客室

みかめ本館客室

今回宿泊したのはみかめ本館の顔ともいえる和洋室。まるで普通のマンションのリビングのようにも思える造り。旅館に来たというより、誰かのお宅にお邪魔したかのようにも思える。洋室にはベッド2台、ソファー、テーブルイス、テレビ、空の冷蔵庫などが置かれてもまだまだ空間が残るほど広い。また空気清浄器が洋室、和室にも備え付けられていて、こだわりを感じられる。ただ、喫煙は可能となっている。アメニティは浴衣ではなく作務衣。持ち帰り式のスリッパなので清潔。子供用もフロントで300円で販売している。

みかめ本館客室

和室も8畳有り、とても広くくつろげる。床の間や窓もあり、息苦しさもない。ゆっくりと体を横たえれば、旅の疲れもとれそうだ。

みかめ本館客室

広い洋室の壁一面は窓になっていて、開放感も抜群。窓の向こうには先ほど訪れたみかめ海の駅と、その向こうには三瓶湾の見事な風景が広がる。広いベランダに出れば、潮風を間近に感じられ、ちょっとしたリゾート気分も味わえる。西向きなので、夕方には見事な夕暮れを楽しめる。

みかめ本館からの海の眺め

三瓶湾の眺め。天然の良港になっていて、停泊している船も多い。複雑に入り組んだ海には波はたたず、まるで湖のよう。さざ波の音すら聞こえない穏やかな海だ。海から一気に立ち上がる急峻な山肌には、特産のミカン畑が広がり、風光明媚な南予らしい景色を楽しませてくれる。

みかめ本館ユニットバス

部屋にはバス・トイレ付。よくあるシティホテルの洗面台、便器、風呂が一緒になったユニットバス。小規模かつ地方の片田舎の旅館としては、とても設備が整っていて快適。清掃もしっかりと行き届いており、アメニティも充実。ここだけ見れば、本当に町中のシティホテルに滞在しているように思える。

名物アジの洗い!美味しい海鮮をゆったりと頂く夕食

みかめ本館夕食個室
みかめ本館夕食個室

夕食は個室で。宴会場を仕切りで区切っているのだが、すべての区画に専用の出入口がある。さらには出入口の部分にはトイレがあり、この部屋で寝泊まりすらできそうな勢いだ。気兼ねなく楽しめる個室は、家族利用でかつ、小さな子供を連れているととてもありがたい。

みかめ本館夕食

みかめ本館の夕食。海のど真ん前ということもあり、新鮮な魚を使った料理がふんだんに並ぶ。味は言うまでもなく美味しく、量も多く、食べごたえ満点。

みかめ本館アジの洗い

みかめ本館の名物料理である「アジの洗い」活きたアジを3分でさばいて冷水にくぐらせて頂く。敷きつめられた氷の上にずらりと並べられたアジは見た目にも脂がのっていて美味しそう。冷涼感ある器にもられた料理は夏には見た目も涼しい。引き締まったアジの身は歯ごたえが楽しめ、さっぱりとしながらも濃厚な味を楽しませてくれる。

海と山の風景が一望できる絶景展望風呂

みかめ本館浴室脱衣所

みかめ本館浴室脱衣所

みかめ本館の自慢である展望風呂。脱衣所は小さな旅館の風呂といった感じ。清潔にされているので、使いやすい。

みかめ本館展望風呂

展望風呂。最上階の6階にある。内風呂のみだが、湯船につかりながら三瓶湾を一望できるロケーションは見事。高層階にあり、落下防止のため窓は全開できないが、それでも窓ガラスの向こうに見える宇和海の風光明媚な景色を見ながら浸かる湯船は最高。空を渡る海風や、ゆっくりと進む船。そんな風景を全裸で湯に浸かりながら間近で見下ろすシチュエーションには時間が経つのを忘れて、ついつい長湯してしまう。シャワーも4つあり、湯量も豊富。小さめの風呂だが、シングル3室含めた12室の規模の旅館としては十分な広さ。また、風呂水やシャワーの湯にはイオン水が使われているそうだ。水質が柔らかいため、お肌はすべすべ、髪の毛もふんわり。湯冷めせず、石鹸などの泡立ちもとても良いらしい。

みかめ本館ふれあいホール

浴室のとなりにある「ふれあいホール」。最上階にあるため、壁一面の窓から望む海の風景が素晴らしい。テレビはもちろん、無料のマッサージ機が4台。ロデオマシーンまである。ジュース、ビール自販機があるので、風呂上りの交流を楽しめるスペースだ。壁際にはミニキッチンとカウンターまで備えられていて、まるでバーのよう。壁一面のディスプレイの中には、日本の江戸時代とヨーロッパの中世の邸宅のミニチュアがなぜか飾られていた。しかも見応え十分なものだった。

みかめ本館からの三瓶町の街並み

最上階から望む三瓶の町並み。「地方の港町」を代表するような風景。おおよそ2階建ての民家とコンクリート造りの3階建ての小さなビルばかりなので、みかめ本館の6階は、とても高い場所にいるように思える。まさしく町並みの展望台だ。町を観察していると、古いながらも立派なつくりの木造建築が多い。空家になっているものも多かったが、複雑な構造や中庭を抱え込んだ立派なつくりなど。かつては漁業などで財をなした裕福な家が、軒を連ねていた。そう思わせる情緒ある町並みも残っている。

開放的な海のレストランで朝食を

みかめ本館レストランアオーラ

朝食は1階にあるレストラン「アオーラ」で頂いた。路面に開放的な窓で接したレストランはまるでオープンデッキにいるみたい。宿の前にバスがあり、時々バスに乗ってどこかに向かう地元の方の姿が見られるのが、旅情をかきたててくれる。

みかめ本館朝食

朝食もボリュームがいっぱい。魚の焼き物や、南予名物の「じゃこ天」などもあり、とても充実している。食後にはコーヒーか紅茶、子どもにはジュースのサービスもある。美味しい海の幸最高の展望の客室と浴室。そして素朴ながらも暖かい応対。南予地方の旅でオススメできる、イチオシの宿だった。

ホテルみかめ本館

住所: 愛媛県西予市三瓶町朝立1番耕地548番地2
電話: :0894-33-2001
イン: 16:00
アウト: 10:00
駐車場: 5台(無料)
交通: 松山自動車道・西予宇和ICより車で20分
アメニティ: 作務衣、スリッパ(子供用販売300円)、ハミガキ、ヒゲソリ、シャワーキャップ、クシ、タオル、バスタオル、綿棒
施設: テレビ、冷蔵庫、お茶セット、ドライヤー
客室: 12室

【投稿時最終訪問 2013年4月】

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