砥部衝上断層【衝上断層公園】

愛媛県の県庁所在地、松山市の隣に位置する砥部町。「砥部焼」や「とべ動物園」で有名な町だが、国の天然記念物に指定されているとても珍しい地形がある。それが「砥部衝上断層」(とべしょうじょうだんそう)であり、「砥部断層」の略称で地元では知られている場所だ。

衝上断層公園

国道33号線から国道379号線に入り、少し走ると、砥部断層がある。看板が出ており、伊予鉄バスの「砥部断層口バス停」もあるので、比較的わかりやすい。
付近は「衝上断層公園」という名で、親水公園として整備されており、夏には川で水遊びも楽しめる。駐車場にはトイレと自販機、そして簡単な遊具と東屋があり、地元の人がくつろいでいる。
断層に向かうには、この吊橋で対岸へと渡る。

衝上断層公園

吊り橋の上から下流を眺める。荒々しくむき出しになった岩が川幅を狭めている。まさに断層が露出していそうな雰囲気が満点。岩場にはちょっとワイルドな鉄の橋が架けられている。もちろんあの橋を渡って断層を見れる場所までアプローチも可能。

衝上断層公園

鉄橋も試しに渡ってみた。コンクリートで階段を登り、細い橋を行く。吊り橋ほどの高さは無いが、なかなか渡るのは面白い。
この付近は川幅が狭まっているので流れが深い。泳げそうなくらいだが、残念ながら流れる砥部川の付近や上流には民家が多いので、水遊びはできても泳げるほどの水質ではない。

砥部断層

鉄橋の少し下流が滝になっている。素人目に、この滝が断層かと思うが、現地の案内看板によるとそうではないらしい。それよりも、滝の手前に空いた水中の穴が気になる。これは沖縄県の西表島「カンピレーの滝」で見た「ポットホール」かと思ったが、確証はない。現地案内看板にも、この穴は「かめ穴」という名をつけられているが、どうやってできたか記述はなかった。
滝の右岸には水路が作られていて、この滝の上部から水が導水されている。

砥部衝上断層

滝の右岸は崖になっいてるが、左岸は広い岩場になっていて、滝壺を観察できる。上衝断層は、赤い丸で囲んだ岩肌がそうらしい。素人目には全然わからない。こんな岩肌が、天然記念物に指定されるなんて・・・
砥部町のホームページによれば、日本列島を横断する中央構造線がここに走っているらしい。露出した中央構造線上の約6500万年前の古い地層が、約4000万年前の新しい地層の上に乗り上げた、珍しい逆断層だそうだ。
現地の案内看板も読んだが、知識のない僕には全くその意味や価値がわからない。しかし、はっきりとわかったことがある。それはここに中央構造線が走っていること。
中央構造線とは、関東から九州を縦断する日本最大の断層だ。断層といえば、地震の巣窟。先日、愛媛県にある四国唯一の原発である伊方原発へ中央構造線が間近にあるという理由で運転停止の訴訟がされたが、それがこれか。
現在ではこの場所の断層は全く動いていないとの事。もし、ずれるようなことがあれば、断層の上に作られた水路に何らかの影響が出るのですぐにわかるような事が看板に書かれている。でも、断層がずれたら、それすなわち・・・
気軽な気持ちで訪れた砥部断層だったが、改めて地震大国日本で生きる意味を目の当たりにさせられてしまった。

松山の観光と宿泊情報

松山の宿泊といえばやはり道後温泉ですね。四国を代表する温泉街で、老舗からモダンな旅館まで多くの宿があり、歴史ある温泉風情を楽しめます。また、松山にはシティホテルが多くあります。中には温泉を引いている場所もいくつかあります。予算や目的によって豊富な宿が選択できる松山の宿泊は、愛媛の旅にはオススメです。

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砥部衝上断層

住所: 愛媛県伊予郡砥部町岩谷口
電話: 089-962-7288
交通: 松山自動車道・松山ICより車で約15分
料金: 無料
駐車場: 20台(無料)
【投稿時最終訪問 2011年9月】

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