有馬温泉 太閤の湯【有馬温泉の日帰り湯】

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関西の奥座敷と称される「有馬温泉」。和歌山の白浜温泉、愛媛の道後温泉と並ぶ日本三古湯に数えられる。有馬温泉は六甲山の北側の山麓にある。神戸市内にありながら、中心部からのアクセスにはやや時間がかかるが、トンネルや高速道路などで比較的容易にアクセスできる。有馬温泉にはいくつもの宿が点在するが、宿泊料金の相場としては少しお高め。昼間は日帰り入浴も可能な宿も多いが、その料金もやや高め。手軽に有馬の湯を楽しむには、やはり日帰りの温泉施設が良い。

有馬温泉の贅を極める温泉テーマパーク

太閤の湯

今回訪れた日帰り入浴施設は「太閤の湯」。有馬温泉には「金の湯」「銀の湯」をあわせた日帰り温泉施設が3つあり、そのうちのひとつ。「金の湯」「銀の湯」は市営の公共浴場。リーズナブルな値段でありながら、施設も清潔で充実した源泉かけ流しの温泉なので観光客や六甲山の登山客で賑わっている。しかし太閤の湯は岩盤浴など付帯施設が充実したレジャー施設の顔が強い。入浴料も2400円と、ホテルの外湯以上の料金に設定されている。今回は特別優待券を入手し、半額に値下がったのでなんとか利用する事ができた。太閤の湯は元々旅館だったようで、その建物を日帰り入浴施設に改装したようだ。よく見ると、装飾の下の建物は古い昭和の旅館のようで、もともと浴室があったと思われる別棟はそのまま放置されている。ホテル「有馬きらり」の付帯施設であり、ホテルの宿泊者はこの太閤の湯も無料で利用できるそうだ。

太閤の湯駐車場

太閤の湯の駐車場。太閤の湯は有馬温泉でも上の方にあり、駐車場が広く取れる土地は限られている。敷地内に分散して、小さな駐車スペースが点在している。入口には料金ゲートがあり、4時間まで無料で駐車できる。近くには瑞宝時公園といった紅葉の名所もある。館内で食事などすれば無料時間も延長になる。少し車を置かせてもらって紅葉散策といった楽しみもできる。

豊臣秀吉や黒田官兵衛が愛した有馬の湯をゆっくり楽しむ

太閤の湯

訪れたのは11月。有馬温泉は標高4~500mにあり、平地より紅葉が早い。美しく赤く染まったモミジを湯上りに楽しむ事も出来る。

太閤の湯官兵衛古道

太閤の湯の建物付近には「官兵衛古道」が整備されている。2014年の大河ドラマ「軍師官兵衛」にあやかったようで、森林浴と散策で健康増進をはかる散歩道でありかながら、主人公・黒田官兵衛が幽閉された有岡城の土牢などが再現されている。豊臣秀吉やその軍師黒田官兵衛は有馬温泉をよく利用していたそうだ。

金泉・銀泉両方楽しめ、太閤の金の茶室で温泉サウナ

太閤の湯

意匠を凝らした館内は見応えあり。見た目は新しくできた立派な施設だが、よく観察すると、所々に古い施設が見え隠れしている。見える所は立派な内装で装飾し、目立たないところは安くそれでも上手にリノベーションされている。

岩盤浴

階段で階下に下りたら浴室と岩盤浴がある岩盤浴は無料。浴場に更衣室があり、ここで岩盤浴専用の浴衣に着替える。岩盤浴でいい汗をかいてから、温泉へと向かう。

内湯

内湯には有馬温泉の特徴とも言える赤茶色の金泉と無色透明の銀泉、2つの湯船が用意されている。金泉は含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉。かなりの高濃度の泉質で、迂闊に白いタオルを湯に入れると茶色く見事に染まる。湯当たりを避けるため、ここでは銀泉とブレンドされてマイルドにされている。湯船は広く、大勢が入浴しても大丈夫。そのため、残念ながら投入塩素の量は多めで、塩素臭はやや気になる。浴室の壁一面がガラスブロックになっており、いっぱいの光が差し込み、とても心地よい。さらにはその光の中に配された、秀吉ゆかりよ金の茶室が輝いて、とても贅沢な感じがする。

金の茶室

「黄金の蒸し風呂」の中は、金の茶室を模したサウナになっている。一面の金色のタイルが配された限定4席の上質空間。漂う蒸気が金色に輝き、音が反響する密室はとても幻想的。座席を洗う水を入れた瓶はまるで水琴窟。ひしゃくで水をすくうと澄んだ高い音が密室にひびく。茶釜の中で金泉と銀泉を煮詰めて、サウナ内の蒸気にしている。身体の中まで温泉成分と癒しに満たされる最高の空間だった。

サウナ

サウナは他に1ヶ所。「溶岩サウナ」と名付けられた広いサウナで、岩盤浴効果もあるそうだ。

露天風呂

露天風呂へは階段を2階分登って屋上に出る必要があり、バリアフリーではない。階段を2階分登れないと、露天風呂は楽しめない。屋上には炭酸泉、瓢箪型の銀泉、釜湯など色々な湯船がある。周囲は壁に囲まれているが、陣幕など意匠が凝らされており、雰囲気は良い。上空は遮るものはなく、空から光が降り注ぎ、有馬の湯が気持ちよく太陽の光にきらめく。また、頭上には紅葉で赤くなりつつ六甲山の山並みが心地よく眺められる。太閤の湯は有馬温泉でも山の上のほうにあり、とても静かで自然の息吹が感じられる。この露天風呂には岩盤浴と足湯が同時に楽しめるスペースがある。日本初の施設ということで、とても変わっている。戦国時代の陣屋を模した造りも、新鮮味をさらに高めてくれる。また、貴重な金泉のかけ流しの湯もある。4人も入ればいっぱいになるが、塩素の香りはなく、湯はとても新鮮。しかし湯はとても濃厚で、舐めるとかなりしょっぱい。「これぞ有馬温泉」を楽しめる、希少な湯だ。

湯上がりは落ち着いたフードコートで美味しいものを

太閤の湯川床の宴

レストラン「川床の宴」有馬がの川床をイメージした店内は、とても落ち着いた雰囲気。しかし、そのメニューの価格はどうも落ち着かない。かなり奮発しないと食べられないので、この奥にあるフードコートへと進む。

太閤の湯レストラン

フードコート「湯の山街道」。芝居小屋の升席をイメージしたような時代屋台風。システムはショッピングセンターによくあるもので、オーダーをして出来上がったら手元の機械が鳴り、カウンターに受け取りに行く。それでも店内の造りやメニューは通常のフードコートよりも凝っていて、落ち着いて食事ができるようになっている。その分、やや値段設定も高めになっている。

太閤の湯牛丼

「黒田庄牛の牛丼」1350円。やや甘めの味付けの牛丼。温泉卵もつき、なかなか美味しい。

太閤の湯カツ丼

「三田ポークのロースカツ丼」1350円。普通にカツ丼。普通に美味しい。通常のフードコートと違い、ゆっくりとくつろげ、比較的美味しいものは頂ける。湯上りの館内着で食事ができるのもゆったりとできて良い。が、やはり値段は高めの設定。駐車場の無料時間内に、有馬温泉の中の飲食店を食べ歩いてみるのも楽しそうだ。

【有馬温泉の宿一覧】

有馬温泉 太閤の湯

住所: 兵庫県神戸市北区有馬町池の尻292-2
電話: 078-904-2291
時間: 10:00~23:00 (札止め22:00)
交通: 神戸電鉄有馬温泉駅から徒歩7分
駐車場: 200台 4時間まで無料 以後1時間ごと400円(土日祝600円)
        館内で2000円利用ごとに1時間無料 最大7時間まで
入浴料: 平日/大人2400円、小人1200円、幼児400円
   土日祝/大人2600円、小人1300円、幼児500円
休館日: 年数回あり
備品: タオル、バスタオル、浴衣ボディソープ、リンスインシャンプー、
   ドライヤー、鍵付ロッカー

【投稿日最終訪問 2014年11月】

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