鳴門渡し船【岡崎渡船・土佐泊】

最終更新日

Comments: 0

徳島県鳴門市。渦潮など徳島県でも有数の観光都市ですが、大塚グループの発祥の地で関連企業が多く建ち並ぶ県内でも多くの人が暮らす町です。鳴門の渦潮やリゾートホテルが建ち並ぶ観光スポットである市の北東部は島嶼部となっています。今はいくつもの橋で結ばれて陸続きとなっていますが、歩行者や自転車は大型船が通れるように高い場所に造られた橋を渡るのは時間と労力がかかり、遠回りになることから、市内には3か所の渡船が今も利用されています。その中でも最も東側に位置し、平安時代の歌人である紀貫之の土佐日記にも出てきた土佐泊に渡る風光明媚な渡船が岡崎渡船です。

無料で乗れる住民の足である鳴門の渡船

岡崎渡船

岡崎渡船は鳴門市の四国本土側、撫養川の河口にある岡崎と小鳴門海峡を挟んだ向こう岸、大毛島の土佐泊を結ぶ渡船です。

岡崎渡船さざなみ

四国側が渡船の母港となっており、ここで次の便となる出航を船が待っています。停泊している船は「さざなみ」という名前で、乗客30名、乗員2名の6.6tの漁船のような小型船です。ちなみに渡し船は市道と同じ扱いとなっているため運賃は無料。まさに地元の人の足となっています。もちろん観光客も無料で利用できます。

岡崎渡船待合所

渡船場には従業員の詰所兼待合所があります。運行間隔はほぼ30分ごとなので、運が悪ければ到着して次の便まで30分ほど待つことになります。ここでゆっくりと海を眺めながら待つも良し、付近の海を散策するも良し。のんびりとした時間を楽しみましょう。なお11時の次の便は乗務員の昼休憩のためか12時30分までありません。この時間帯は注意が必要です。

小鳴門海峡を渡る気持ち良いクルージング

鳴門渡し船

船首がフェリーのようにハッチが開いており、ここから船の中に乗り込みます。自転車も無料で乗せることができます。サイクリングの途中に組み込めば、楽に海を渡れると同時にちょっとしたクルージングを楽しむことができます。

小鳴門海峡

船が渡るのは小鳴門海峡。北側に鳴門海峡がある大毛島の南側に渡る渡船です。渦潮ができる鳴門海峡とは違いとても穏やかな海です。最大幅が約500mで、まるで大きな川のようにも感じます。

小鳴門海峡渡し船

時間になるとゆっくりと船は転回して出航します。船首に近づかないようにチェーンはかけられますが、ハッチは閉じずに航行します。穏やかな海であっという間に着くのでそまままでも大丈夫なのでしょう。

岡崎渡船

ゆっくりと四国本土から船は離れていきます。少しの間の船旅ですが、とても濃厚な旅情を感じることができます。

小鳴門海峡と撫養橋

小鳴門海峡の中程まで来ました。最も狭まった場所には神戸淡路鳴門自動車道の撫養橋と一般道(車輌専用)の小鳴門橋がかかっています。やはり船で向こう側に徒歩で渡るなら、渡船がとても便利です。

鳴門の渡船

穏やかな海を小さな渡船がゆっくりと、しかしながら力強く進んで行きます。海がとても近い船の上は小鳴門海峡の景色や潮風をダイレクトに感じられ、とても気持ちの良い船旅です。海峡という狭い空間で船の上にいると、森の緑、海の青さに溶け込みそうになる心地よさです。

紀貫之も訪れた旅情溢れる土佐泊

土佐泊の渡船

船は5分ほどで海峡を渡り、あっという間に対岸の土佐泊に到着します。土佐泊では利用者が乗り降りすると、すぐに本土側の岡崎に引き返します。その手際は見事で、ついつい離れていく船を見送ってしまいます。

土佐泊待合所

土佐泊の渡船場にも小さな待合所があります。目の前が海の小さく昔の待合室にはこれでもかというほど旅情が溢れだしています。この付近は高知に向かう船が潮待ちをした土佐泊という港があった場所で、平安時代に紀貫之が土佐日記でその様子を記しています。近くには、弘法大師の像が大木の中に鎮座する潮明寺や平道盛の妻であった小宰相の局の墓などの見所が徒歩5~6分の所にあります。是非立ち寄ってみましょう。

■土佐泊近くのリゾート温泉ホテル

岡崎渡船

住所: 徳島県鳴門市撫養町弁財天派名32-12
電話: 088-684-1166(鳴門市土木課)
休み: 無休
料金: 無料
営業時間: 6:40~19:50(約30分ごとに出航)
交通: JR鳴門駅より徒歩20分
駐車場: なし

【投稿時最終訪問 2020年5月】

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください