村上水軍博物館【しまなみ海道】
かつて、日本の重要な海運の拠点であった瀬戸内海。多くの島が重なるように浮かぶ海は海賊たちの活躍の場。そんな瀬戸内海で力をふるったのが「村上水軍」強力な軍事力を擁し、海上警護、水先案内を行い、制海権を握って通行料を徴収していた。豊臣秀吉が全国統一を成し遂げたのちは、大名の家臣となるなどして姿を消したが、戦乱期の日本の一大勢力であった。そんな村上水軍の歴史を知ることができるのが「村上水軍博物館」だ。
見た目はまるでお城の村上水軍博物館
村上水軍博物館の建物。城を思わせる意匠になっている。写真右側、屋根つきの屋外部分にはかつて村上水軍が使っていた小型船のレプリカが展示されている。そして並ぶように自転車ラックが置かれている点が、いかにもサイクリングの聖地、しまなみ海道沿いの施設らしい。
1階のパブリックスペース。吹き抜けのロビーが気持ちよく、ベンチが置かれ、村上水軍にかかわるビデオが放映されている。他にも水軍や海賊関係の書籍が収められた「海賊ライブラリー」やミュージアムショップや軽食が楽しめるカフェテリアがある。カフェテリアでも美味しい食事が楽しめるが、目の前に漁協運営のリーズナブルな海鮮レストランがある。食事はそちらの「能島水軍」のレストランのほうがおすすめ。
エントランスには、大島のある今治市のゆるきゃら「バリィ」さんがお出迎え。ゆるきゃらグランプリで1位に輝き、一躍全国区になったバリイさんは、今治のどこでも見ることができる。その時の季節にあわせた衣装やディスプレイになっている様子。この時は、七夕のコスプレだった。
展示室は2階になっている。2階には「わくわく体験ルーム」があり、子供が楽しく遊べるようになっている。小さな子連れでも安心な博物館だ。
本格的な甲冑や小袖の試着が大人気!
村上水軍博物館の目玉となっているのが、甲冑や小袖を試着。プラスチック製のレプリカだが、手抜きなく本物と同じように着用していく。スタッフも複数駐在し、着物や甲冑も多くあるので、家族全員で変身できる。幼稚園児でも装着可能だ。
幼稚園児の娘と姪っ子、小学生の甥っ子が変身。本格的な衣装にご満悦の様子の3人。午前中に行けば、休日の日でも順番待ちは少ない。大島に宿泊したのなら、朝一の観光の狙いどころだ。
充実した村上水軍に関する展示がすごい!
展示は本格的。海賊の戦の様子、本拠地となった能島の様子など。ビデオも何本も流れており、歴史好きならたまらない内容だ。
3階は展望室になっている。しまなみの海が一望できるのとどうじに、床にはしまなみ海道全域の航空写真がタイルになって敷かれている。今治から尾道へ。しまなみ海道でつながれた多くの島とその周辺の島々を、まるで鳥になったように自由に歩きながらその様子を眺める事ができる。これが意外に面白い。今まで走ってきたルート、これから行く島。そんな場所を自分の足で自由に歩き回って確かめられる。
昨日泳いだ海はここ。昨日泊まったところはここ。子どもたちに教えてあげると、興味津々にその場所を確認している。
展望室から屋上に出れば、眺められるのはしまなみ海道のはしのひとつ「大島大橋」ここ大島からとなりの伯方島を結んでいる橋だ。そんな大島大橋の橋脚が建っているように見える写真中央の島が「能島」村上水軍の本拠地のひとつで、かつては能島城という城があった島だ。多くの島に守られた能島。付近には潮の流れがまるで川の激流のように流れている。その激しい潮流を楽しむ「潮流体験」が、村上水軍博物館目の前の「能島水軍」という施設から出る船で楽しめる。強力なエンジンを積む平成の世の船なら、この潮流は物ともしないが、かつての戦乱の世は風力と人力のみが頼りの船。そんな船でこの激流を自由に渡れるのは、この海を熟知し、高い航海力を持った水軍のみ。まさに水軍のための天然の要塞だった能島。今は何もない島に見えるが、かつてはここは近寄る事も無図解しい一大軍事拠点だった。博物館を楽しんだ後は、平成の世のしまなみの風景に、かつての海軍の姿が思い浮かぶ。少し歴史ロマンを楽しめる場所だった。
しまなみ海道・大島の宿泊情報
しまなみ海道の四国側の最後の島「大島」には、美味しい魚をたっぷりと食べさせてくれる料理旅館・料理民宿があります。どこの宿もその料理のおいしさにはハズレなし!のんびりとした島の時間を美味しい魚を堪能しながら味わうのはいかがでしょうか。
【じゃらん】しまなみ海道の宿一覧村上水軍博物館
場所: 愛媛県今治市宮窪町宮窪1285
電話: 0897-74-1065
営業時間: 9:00~17:00 (入館は16:30まで)
休業日: 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日休館)
12月29日~1月3日
アクセス: 西瀬戸自動車道・大島北ICより車で約10分
駐車場: 50台(無料)、サイクルラック(10台分・屋根有)
入場料: 大人300円、大学生150円、高校生以下無料
【投稿時最終訪問 2013年7月】