木江ふれあい郷土資料館【大崎上島】

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かつての瀬戸内海の水運で、潮待ちの港として栄えた広島県・大崎上島の木江。今では瀬戸内海の潮の流れもものともしない動力船やしまなみ海道などで潮待ちの港は不要となり、古い街並みが残るのみとなった。そんな木江のかつての繁栄の様子や船にまつわる博物館が「木江ふれあい郷土資料館」だ。

船の形をしたユニークな博物館

木江ふれあい郷土資料館

「木江ふれあい郷土資料館」は海の上を行く船の形をした、珍しくユニークな建物が特徴。
木江海水浴場やホテル清風館からすぐの所にあり、島を周回する県道沿いにあるため、アクセスは比較的容易だ。

木江ふれあい郷土資料館

赤く塗られた船底の先端部分下が資料館の入口になっている。入口を入ると、そこは「船の下」という場所らしく、海底をイメージしたつくりになっている。それでいて、壁は船の隔壁を思わせるような造り。入口すぐの所に受付がある。入館料は大人100円、子供50円と良心的。

造船や操舵、船の生活で使われた貴重な道具がずらり

木江ふれあい郷土資料館海運交流室

1階の展示は「海運交流室」
造船で有名なここ、大崎上島で造られた歴代の船の写真や模型が展示されいる。時代を感じる木造の帆船から、近代的なケミカルタンカーまで、とても多くの船がこの島で生まれている事に驚かされる。

木江ふれあい郷土資料館造船交流室

2階の展示は「造船交流室」
造船の歴史や、技術を紹介しているコーナーだ。ここでは、造船に使われた昔の道具をいっぱい展示している。中には、「船釘」などの特別な道具も。こういう展示はなかなかないので、とても興味深かった。

木江ふれあい郷土資料館造船交流室

造船交流室には「ひと昔」前の船舶機器も展示している。造船だけでなく、船舶の技術の発展もここでは学ぶことができる。

木江ふれあい郷土資料館船金庫
船金庫

木江ふれあい郷土資料館航海灯
航海灯

ちょっと時代を感じるレトロな船の道具も並んでいる。また、同階の「生活交流室」には昔の暮らしに使われていた生活道具が展示されている。レトロな品々は、見ているだけでも楽しくなる。

かつての木江の風景と今の美しい海の眺め

昔の木江

「交流室サロン」には昔の大崎上島の風景の写真がいっぱい展示されていた。平成の時代はもちろん、昭和の時代、中には大正以前と思われる写真も。今の静かな木江街並みとは違い、多くの立派な建物が軒を連ね、海には何隻もの船が停泊している。
木江港は、古くから「潮待ち、風待ち」の港として、瀬戸内海を行く船舶の出入りが盛んだった。多くの船と人が立ち寄る、とても賑やかな島だったと聞く。その頃の賑やかさと歴史がとても伝わってくる1枚だと感じた。

木江ふれあい郷土資料館操舵体験室

3階に行くと、そこは「操舵体験室」
実際に船のブリッジに置かれていた操舵機器が備え付けられていて、それを操作することができる。しかし、それらの機器が設置されている以上にすごいと思ったのは、ここから見る風景。まるで本当に、瀬戸内海の上を行く船の操舵室にいるように見えるのだ。
高台にあるため、瀬戸内海を見下ろしているはずなのに、その海の上を巨体な船を操って進んでいくような錯覚。これは素晴らしい風景だと思った。この建物が船の形をしているのは、まさにこの風景のためだと言っても過言ではなかろうか。
操舵室からは屋上に出ることができる。屋上からはこの瀬戸内海の海と後ろにそびえる島の緑を感じることができる。

船の面白さ、この島の歴史、そして自然。いろいろな物を感じられる施設で、ちら見のつもりがついつい長居してしまった。本当に乗る本物の船の時間がかなり迫ってきた。まだ見たい島の風景もある。大慌てで木江港まで自転車を飛ばして戻ることにした。

木江ふれあい郷土資料館

所在地 広島県豊田郡大崎上島町沖浦1911
電話番号 0846-62-0005
期間 通年
休み 月曜(祝日の場合は翌日休)
時間 10:00~16:00
交通 JR竹原駅から芸陽バス竹原港行きで6分の竹原港から大崎汽船で30分、白水港下船、車で8km
駐車場 駐車場あり(無料・約30台)
料金 入館料 大人100円、小・中・高校生50円

【投稿時最終訪問 2009年5月】

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