江川湧水源【徳島・吉野川に湧く名水百選】

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四国最大の河川で、四国を横切るように流れて徳島市で海へと流れ出す吉野川。日本三大暴れ川の1つであり、全国2位の川幅を持つ大河の吉野川の河川敷には、鳴門金時などの特産物をつくる畑や美しい緑地が広がり、散策やサイクリングをする人に愛されている場所です。そんな吉野川の河川敷に、地元の人の憩いの場所であり、学術的にも注目を集める徳島県屈指の湧水「江川湧水源」があります。科学が発達した現在でも、多くの謎が解明されていない、美しいだけでなくミステリアスな湧水なのです。

歩き遍路さんにもオススメしたい四国らしいスポット

江川湧水源いやしの舎

江川湧水源のすぐ近くには「江川湧水源いやしの舎」という東屋があります。壁はありませんがベンチがあり、トイレも備え付けられています。変わっているのはベンチのほかに床板が張られた寝転べるようなスペースがあり、1泊に限り素泊まり可能と案内板があります。こんなところに誰が泊まるのかと思いますが、四国には歩いて四国霊場をめぐる歩き遍路さんが多くいます。四国では比較的歩き遍路が野宿することに寛容ですが、時代の流れもあります。このように許可がされている場所があり安心して一晩を過ごせる屋根付きの場所があるのはお遍路さんにとってはとてもありがたい場所です。実際に訪問した際にここで宿泊していたお遍路さんがいました。

突然湧き出す神秘的で不思議な湧水

江川の湧水

何もないところから突然流れ出している清らかな小川。ここが「江川湧水源」です。すぐ近くには四国最大の河川、吉野川が流れており、その堤防を越えたところから水が湧き出して小川となっています。100年以上前に吉野川の堤防が造られたことで、もともとの江川に地下水となって川が流れ込んできた、はたまたもっと上流からの伏流水がここで湧き出しているなどの説があり、この湧水の元はどこから来ているのか今もわかっていないそうです。

江川湧水源

ふつふつと砂を巻き上げて地面から湧きだす透き通った冷たい水。清らかな水が湧き出してくる様子は見ているとなぜか癒されます。澄んだ水ですが、残念ながら飲用には適して言いません。

また、江川の湧水は通常の湧水のように年間を通じて一定の温度になっておらず、夏は10℃ととっても冷たい湧水ですが、なぜか冬は20℃と温かい温度になります。そのメカニズムはいまだに解明されておらず、とても神秘的です。1954年に徳島県の天然記念物に指定され、1985年には名水百選にも選ばれている、徳島屈指の湧水スポットなのです。県内の名水百選はここの他には西日本第二位の標高を誇る剣山の山中に湧く「剣山御神水」しかありません。気軽に訪れることができる徳島の名水なのです。

江川湧水源

湧き出した清水が小川となって流れ始めます。源流からの流れを追って川岸を辿りたくても、この先は川の流れに柵が架けられています。一旦車道に戻って、川沿いに道を進みます。

湧水は透き通った川となって流れていく

江川

少し離れた場所にも突然始まる流れがあります。ここからも水が湧いているのか、それとも水を引き入れて何かに利用しているのか。用途はわかりませんが、豊かな水のある風景に感じます。

江川

湧水を追って川をたどります。途中にあるJA徳島厚生連 吉野川医療センターを越えると、柵や木々に囲まれて見えにくかった川の姿が再び身近になります。他にも水が湧いている場所があるのか、きれいな水の量も増えて、流れが随分大きくなりました。川の横には公園もあり、美しい水辺で開けた場所でゆっくりとすることができます。

江川青柳

さらに流れが大きくなり、透き通った水が流れています。自然豊かな場所とはいえ、町の中に流れる川の水質としては驚くほど美しい流れです。この先には鴨島公園があります。桜の名所であり、噴水や親水広場など、美しい水辺の公園です。ぜひ立ち寄って、名水めぐりの最後を締め括りたいですね。

■吉野川付近の清流の宿

江川湧水源

住所: 徳島県吉野川市鴨島町西麻植
電話: 0883-22-2226(吉野川市商工観光課)
交通: JR徳島線「西麻植駅」下車徒歩5分
    徳島自動車道・土成ICより車で10分
駐車場: 3台(無料・江川湧水源いやしの舎)
時間:24時間
料金: 無料

【投稿時最終訪問 2020年5月】

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