香園寺・子安大師 【戌の日・安産・帯祝】

最終更新日

Comments: 0

四国の八十八箇所の霊場を白装束を身に纏い巡礼するお遍路。四国に住んでいると、白装束を纏い巡礼を続けるお遍路さんの姿をよく見かける。車やバスで回る人も多いが、昔ながらに歩きで四国を1周する人も多い。苦行に耐えながら希望を求めて歩く人々の姿を見ていると、心から応援したくなる。それと同時に、自分もいつかはお遍路をしたい。そう思うのである。

オープンで近代的な造りの香園寺

香園寺

ついに遍路を始めたというわけではないが、先日61番霊場の「香園寺」に訪れた。この寺は他の霊場である寺とはかなり雰囲気が違っている。
まず、寺の前には広い駐車場がある。そして寺の入口には、おおよそ山門があるのだが、この香園寺にはそれがない。かなりオープンな造りだ。そして、訪れる人はお遍路さん以外に、カップルや小さな子供を連れたファミリーが多い。そして、多くの女性のお腹は少し膨らんでいる。

香園寺子安大師

「子安大師」と寺の入口の碑に刻まれている。この「子安大師」が、この寺の代名詞でもある。
「大師」というのは、お遍路では「弘法大師」の事をさす。言い伝えでは、弘法大師がこの寺の近くで難産に苦しむ女性の為に祈ると安産となったとのこと。その為、この「香園寺」は四国の安産祈願の寺として有名で、戌の日には多くの妊婦がお参りに訪れる。

香園寺境内

香園寺の境内。お寺というよりも、まるで仏教系の大学のキャンパスのようだ。近代的で開放感のある寺だが、その開祖は聖徳太子であり、歴史はとても古い。

香園寺鐘楼

参拝はお遍路の参拝のしきたりにならって行った。
まずは山門で一礼。山門がないので、敷地の入口で一礼する。そして、手洗い場で手を洗い、ここで数珠を掛ける。そして、鐘楼で鐘をつく。もちろん早朝・深夜のは禁止。鐘を突くことを「驚覚」というそうで、今からお参りしますと仏様を呼び起こすためだそうだ。その為、参拝後に鐘を突くことは、タブーとされている。

香園寺焼香

本来なら本堂の納経箱に自身の名を記した「納札」を入れるが、ここはお遍路ではないので省略。ろうそく、線香をあげて賽銭をおさめる。朝の凛とした冷たい空気の中、一番でおさめた線香。とても心が洗われたような気がした。

香園寺大聖堂

本堂と大師堂が一緒になった「大聖堂」
2階に本堂と大師堂がある。建物の脇の階段で2階に向かう。

妊婦さんでも屋内でゆっくり参拝ができる

香園寺大聖堂内部

本堂内部。柱が1本もなく、とても広い。たくさんの椅子席が設けられていて、座りながらお参りができる。中央には御本尊の大日如来が安置されている。
本堂では般若心経とその寺の真言を唱える。しかし、僕は真言宗徒ではないので、般若心経は読めない。ここはお経は唱えずにお参り。

香園寺子安大師

大日如来の脇に子安大師の像が安置されている。とても穏やかな顔で、赤子を抱く姿は、本当に安産を願う女性とその家族には尊ばれていそうだ。
この本堂の壁には多くの赤ちゃんの写真が収められていた。無事に安産ができた母親はお礼を兼ねて、生まれてきた赤ちゃんの写真を奉納するそうだ。その赤ちゃんの笑顔はどの子もとっても素敵で愛らしかった。
さて、この子安大師の横に大師堂があり、ここでもお遍路さんは同様にお経を唱える。僕たちもお経は唱えないまでもお参りをしっかりしたら、本堂を後にする。

香園寺子安大師堂

外に出たら、大聖堂の横に「子安大師堂」がある。ここにも本堂にあった赤子を抱いた大師様の像があり、多くの安産を祈願する人が参拝する。
この日は戌の日。大勢の人が訪れるだろうと思い朝いちばんで参拝したのでとても人が少なかった。ゆっくりと、落ち着いた気持ちで参拝することが出来た。一通り参拝を終えると、大勢の妊婦さんとその家族が訪れ始めた。僕たちは参拝だけだったが、安産の祈祷を受けられる人も多そうだ。もちろん、僕たちと同じようにお参りのみの人も多い。

香園寺腹帯

さて、大師堂まで参拝したら、お遍路さんは納経所へ行き、納経町に本尊の墨書と朱印を頂く。もちろんお遍路ではない僕は、納経しない代わりに、腹帯と安産のお守りを購入した。2つあわせて4500円。この日は家に帰り、頂いた腹帯を巻いて帯祝をしました。
実は娘を授かった際、安産祈願で訪れたのがこの香園寺。お参りのお陰で娘はすくすくと健康に育っています。

妊婦さんと一緒にゆっくりできる香園寺近くの温泉宿

香園寺

住所: 愛媛県西条市小松町南川甲19
電話: 0898-72-3861
休み: 対象外
営業時間: 境内自由
交通: 松山自動車道・いよ小松ICより車で約5分
   JR予讃線伊予小松駅から徒歩20分
駐車場: 無料・約100台
トイレ: 駐車場に綺麗な水洗トイレあり
付帯施設: 宿坊(300人宿泊可能)

【投稿時最終訪問 2009年1月】

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください