竹林の小径【嵐山~嵯峨野・愛宕街道】

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「竹林の小径」は一面の美しい竹林の中に小径が続く京都の代表的な風景のひとつ。嵐山から嵯峨野に抜ける美しい散策路であるとともに、渡月橋と並ぶ嵐山の人気観光スポットになっています。

竹林の中を行く幻想的な日本の風景

嵐山竹林の小径

散策のスタート地点は嵯峨野の竹林の中にある「野宮神社」。天皇の代理として伊勢神宮に仕える斎王が、代々伊勢に出発する前に身を清めた場所で源氏物語にも登場する歴史ある神社です。野宮神社から西に進む道は嵐山の代表的な風景のひとつ、竹林に囲まれた「嵐山竹林の小径」が続いています。

竹林の小径

野宮神社から進むにつれて、覆いかぶさる竹の密度と本数がどんどん増してきます。背の高い真っすぐに伸びた立派な竹が何万本もずらりと立ち並ぶ風景は壮観です。

竹林の小径

竹林の小径は野宮神社から天龍寺北門を通り大河内山荘へ抜ける約400メートルの道。美しく林立する竹林と竹の枝を使ってつくられた塀が両脇に続く、京都を代表する日本の風景です。

嵐山竹林の小径

見上げると竹林にも小径が切り取ったかのように空間が刻まれています。揺れる高い竹の森からこぼれ落ちる木漏れ日はとても幻想的で、昔話の世界に迷いこんだかのような気がします。

竹林の小径

どこまでも続くような竹林の中を進みます。道は直線そして所々曲がっているので、見通した美しさと先が見えない神秘さを兼ね合わせた世界に閉ざされます。

嵐山の竹林

立ち並ぶ美しい竹林に木漏れ日が輝き、幽玄の美しさを感じられます。日本絵画の中に迷いこんだかのようです。

竹林の小径

竹林が自ら動いてふたつに別れたかのように、竹林を一筋に切り裂く小路。自然と人の手が織り成す感動的な美しさ。

竹林の小径

竹林の小径は嵐山、嵯峨野の人気散策スポットなので、日中は歩く観光客が途切れることがありません。それでも多くの人が歩く嵯峨野に比べるととても静かな雰囲気。そして一瞬訪れた人の途切れた瞬間は時間が止まったかのように付近は静寂に包まれました。

嵐山竹林の小径

トロッコ嵐山駅の直前で竹林の小径はほぼ直角に曲がります。一瞬の人の切れ目を狙えるポイントです。

歴史的ある寺社やお店が建ち並ぶ小倉山

小倉池と御髪神社

トロッコ嵐山駅を越えると竹林の小径は終わり、小倉山エリアに入ります。竹林から抜け出すとすぐに目の前に広がるのは小倉池。そのほとりには日本で唯一、髪にご利益のある「御髪神社」です。

小倉山の小径

竹林はなくなりますが細い小径は続き、寺社や趣のあるお店、雑木林が点在する風景を進みます。落ち着いた素朴な風景風景は華やかな京都とはまた一味違った古き良き日本の風景です。

小倉山のカフェ

道沿いにある様々なお店はどのお店にもこだわりがあり、京都の雰囲気や小倉山の自然にマッチする雰囲気を醸し出しています。京都らしい和を感じる品や美味しそうなカフェなど立ち寄りたくなるお店ばかりです。

常寂光寺

小径を進むと「常寂光寺」の山門に出ます。百人一首の編纂を行った藤原定家の別荘があったとされる小倉山の山麓に広がる古刹。秋は一面の紅葉に包まれます。戦国時代の武将・小早川秀秋がその発展に助力したとされる歴史と自然が美しい京都のみどころの一つです。

おぐら茶屋

常寂光寺の門前にあるおぐら茶屋。日本の風景ながら日本ではないような物語の風景が広がっています。散策の途中、日本の昔話の風景の中で休憩できる素敵な茶屋です。

有智子内親王陵墓

嵯峨天皇の皇女であった「有智子内親王陵墓」。その隣には茅葺の落柿舎が建ち、日本の長閑ながらも美しい里山の風景が広がります。通りかかる人を魅了して虜にするかのような趣のある景色です。

二尊院

続いて通る立派な山門は「二尊院」

平安時代に建立された寺院で、境内には小倉あん発祥の地の碑があります。

さがの人形の家

「さがの人形の家」

江戸時代から昭和までの貴重な人形が展示されている博物館です。京都の地で見る歴史ある人形はとても奥ゆかしいものでしょう。

江戸時代のような静かな町並みの愛宕街道

嵯峨鳥居本伝統的建造物群保存地区

やがて小路は愛宕街道に突き当たります。ここを左折して化野念仏寺方面(西側)へ向かいます。愛宕街道は愛宕山に続くかつての街道です。嵐山から離れているのでここまで足を延ばす観光客は少な目で静かな散策が楽しめます。付近は嵯峨鳥居本伝統的建造物群保存地区となっており、江戸時代の町並みを今に残す美しい景観を堪能できます。

愛宕街道

立派な蔵や町屋が建ち並ぶ街道沿いには土産屋も多くあります。本格的な伝統工芸から民芸品まで、京都らしい品々を喧騒を離れてのんびりとショッピングができるエリアです。この先には「化野念仏寺」があり、石塔が立ち並ぶあの世のような墓所と美しい苔の庭を堪能できます。

京都の里山

また愛宕街道を東側に進むと、長閑ながらも洗練された京都の農村風景が広がります。のんびりと散策すると、藁葺屋根の家屋が残る京都の里山の風景を楽しむことができます。昔の素朴な風景が残る、また一味違う京都の美しい情景です。

嵐山竹林の小径

場所: 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町
交通: JR嵯峨嵐山駅より徒歩約10分
    京福電鉄嵐山駅より徒歩約8分
駐車場: なし

【投稿時最終訪問 2020年2月】

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