秩父御嶽神社・東郷公園

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「秩父御嶽神社」は長野県の木曽御嶽山より分霊されて明治27年に創建された御嶽信仰の神社。地元の熱心な御嶽山の信者が請願して建立されました。その後日露戦争の英雄である東郷平八郎元帥に何度も依頼し、境内に銅像を建立しています。そのほか乃木希典大将の銅像や日露戦争で実際に使われた水雷や砲弾、大砲や戦艦三笠の鉄鋼などが保管されており、司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」や日露戦争などの歴史好きにはたまらない神社です。御岳神社の本殿までは延々と続く階段の山登りで、途中には多くの境内社やモミジの木々があり深い自然が楽しめ、頂上からは天気が良いとスカイツリーまで見渡せる展望があります。

巨大な鳥居と下駄が出迎えてくれる秩父御嶽神社

秩父御嶽神社鳥居

秩父御嶽神社の入口。巨大な石の大鳥居と灯籠が参拝者を出迎えてくれます。

秩父御嶽神社鉄下駄

大鳥居をくぐるとすぐの場所にある巨大な鉄下駄があります。これは秩父御嶽神社よりさらに山に入ったところにある有名なお寺、「子の権現」にあるものとほぼ同じものです。

秩父御嶽神社社務所

鳥居をくぐってすぐのところに社務所があります。長い階段を登った山の上の本殿ではなく、境内入口のところすぐにあるので、御朱印をもらうにはとても便利です。

東郷公園階段

社務所を過ぎると登りになります。延々と階段と坂道が山の中腹にある本殿まで続いています。まさにちょっとした登山です。

貴重な日露戦争の歴史が残る東郷公園

東郷公園の砲弾と水雷

階段を登ると境内の入口のような場所。一般的な神社なら両側に狛犬が鎮座しているような場所ですが、無機質なオブジェのような物が安置されています。これは砲弾と水雷で、実際に日露戦争で使われたものだそうです。神の使いではなく、兵器が護りを固めるあたり、戦争の司令官を祀った神社らしいです。

東郷公園砲弾

砲弾はロシアの最強部隊、バルチック艦隊で使用されていた主砲の砲弾だそうです。こんな重量のある鉄の弾が何キロも先から撃ち込まれるなんて、考えただけでも恐ろしく思います。

東郷公園水雷

水雷は旅順港の入口に設置されたものだそうです。旅順口攻撃でロシアが日本軍の侵入を防ぐために設置した水雷で、日本軍が引き上げたものが海軍省から下賜されたそうです。

東郷公園モミジの森

境内の一角には和風な建物があります。特に名も無い、かつての茶屋だった建物のようですが、とても雰囲気があります。紅葉の時期などは頭上が真っ赤になり、日本の秋の美を楽しませてくれるでしょう。

東郷公園東郷平八郎像

まるで神社の境内のような場所には東郷平八郎の銅像があります。日露戦争時、連合艦隊の司令長官として当時世界最強とされたロシアのバルチック艦隊に圧勝した伝説の海軍軍人。その功績をたたえ、本人が何度も固辞しながらも周囲の熱い説得で生前に銅像が建てられたそうです。唯一の東郷平八郎元帥が生前に建てられた銅像になります。

東郷公園三笠被弾甲板

東郷平八郎像の側に安置されている穴だらけほ巨大な鉄板。これは東郷平八郎が乗りバルチック艦隊と戦った戦艦三笠の被弾甲板。圧勝したとはいえ、ロシアの攻撃を受けて穴が空いた分厚い装甲は、その戦闘の激しさを実感させられます。

なお、戦艦三笠は神奈川県の横須賀に今もその実物が残っています。ぜひ機会があれば、東郷平八郎や名参謀・秋山真之の指揮で戦争を乗り越えた本物の戦艦を見学したいですね。

東郷公園東郷神社

東郷平八郎の像からさらに山に進むと中央広場があり、その橋に鳥居があります。ここが東郷神社です。秩父御嶽神社の境内社に当たります。

東郷神社

東郷神社はその名の通り、先ほど銅像にもなっていた日露戦争の英雄、東郷平八郎元帥を祀った神社です。とても質素な造りの社ですが、勝利・平和の神としてご利益を求める人や歴史ファンが多く参拝しています。お祀りされています。難しい仕事や強敵に挑む際にはぜひあやかりたくなります。

東郷公園至誠館

山の中にひっそりと佇む洋館「至誠館」は東郷平八郎が来山のおり、ここで休憩したそうです。建物の下は倉庫になっており、日露戦争後に陸軍省より下賜されたロシア製3インチ大砲が今も保管されています。

東郷公園ロシア製野砲

保存されているロシア製の大砲は日露戦争時の戦利品で、当時の海軍省より下賜されたそうです。当時の武器としては高性能で、日本軍もかなり苦しめられたそうです。

東郷公園乃木希典像

東郷平八郎とともに日露戦争を戦った乃木希典大将の銅像も建立されています。日本海海戦のあと、難攻不落の旅順要塞を陥落させた司令官。旅順攻略には大きな犠牲を出してしまいますが、人道的な戦後の対応などで東郷元帥とともに世界に英雄として報じられた人です。明治天皇からの信頼も厚く、天皇崩御後には自害したことでも知られています。東京の「乃木坂」は乃木希典の功績より名づけられた地名です。

山の上に鎮座する厳かな秩父御嶽神社

秩父御嶽神社祈祷殿

乃木希典を祀った乃木神社の上部に祈祷殿があります。ここから秩父御岳神社の本殿までは長い階段。そのため祈祷はここで行われるようです。

秩父御嶽神社本殿遥拝所

本殿遥拝所。祈祷殿の横にあり、ここから一直線に368段の階段が頂上本殿へと伸びています。右へ進むと祈祷殿を経て道中の神々をお参りしながらの距離は長いながらも緩やかな坂の迂回路になっています。

秩父御嶽神社階段

さあ、気合を入れて368段の本殿に一直線に続く石段を登ります。途中にあと200段といった具合に、残り段数の案内板もあります。神前に赴く試練に気合を入れて立ち向かいます。

秩父御嶽神社三笠山神社

 三笠山神社。階段の途中にはいくつかの社があります。本殿までの山の中にとにかく境内社が多いのが秩父御岳神社の特徴です。

秩父御嶽神社頂上鳥居

木々に覆われた頭上の鳥居から光が後光のように射し込んできます。頂上の本殿まであともう少し!

秩父御嶽神社拝殿

ついにたどり着いた山頂に鎮座する秩父御嶽神社の本殿。御祭神は国常立尊・大己貴尊・少彦名尊を三位一体とした御嶽大神で、除災招福・悪気退散のご利益が賜れます。

秩父御嶽神社拝殿

拝殿の中はとても美しく厳か。訪れる人も少ない静かな場所で、ゆっくりとお参りが出来ます。拝殿には壁がなく、周囲の自然と溶け込むシンプルながらも神秘的な場所です。

秩父御嶽神社幸せの鐘

本殿の一角にある「幸せの鐘」。打ち鳴らせば、森と山々に住んだ音が響き、とても心が洗われます。

秩父御嶽神社本殿からの展望

頂上からの展望。山々の向こうには東京の町並みも見ることができ、空気が澄んだ晴れた日には遠くスカイツリーも遠望することが出来ます。

秩父御嶽神社

場所: 埼玉県飯能市坂石580
電話: 042-978-0072
営業時間: 8:00~17:00
休業日: 無休
料金: 無料(紅葉の時期は100円)
交通: 西武鉄道・吾野駅から徒歩25分
   圏央道・狭山日高ICより約40分
駐車場: 100台(無料/紅葉時500円・2箇所)

【投稿時最終訪問 2018年6月】

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