黒井城【明智光秀と春日局ゆかりの天空の城】

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「黒井城」(くろいじょう)は兵庫県丹波市にあった城。丹波の赤鬼と呼ばれた赤井直正の居城で、織田信長の命を受けて丹波を攻めた明智光秀を破って退けた強固な城です。現在は城跡のみが残るだけですが、城があった城山(356m)まではハイキングコースが通じており歴史だけでなく美しい風景も楽します。また明智光秀が黒井城を攻略したあとは部下の斎藤利三が入城しており、その下館であった興禅寺では江戸幕府で活躍した春日局が生を受けており、歴史好きにはたまらない城跡でもあります。また、天空の城として有名な竹田城にも比較的近い場所にあり、城跡からの眺めは竹田城にも劣らないほどの絶景です。

黒井城の駐車場と春日局生誕の地

春日局庵無料駐車場

黒井城登山と春日局出生地である興禅寺参拝の駐車場が興禅寺に隣接した場所に近年整備されました。駐車場には「春日局庵」という無料休憩所があり、トイレと休憩室があります。休憩室にはベンチとパンフレットがあり、ちょっとした休憩をすることができます。

興禅寺

駐車場に隣接して建つのが「興禅寺」。まるで城のような堀と石垣を備えています。ここはかつては黒井城主の居館。黒井城は戦時中の要塞で普段はここで城主は政務に当たっていました。春日局が生まれて3歳まで住んでいたという歴史的な場所です。

黒井城登城口無料駐車場

以前からある黒井城登山口にある駐車場。春日野局庵からは歩いて3分の距離ですが、ここにはトイレがありません。こちらに駐車をするなら事前にトイレを済ませておきましょう。駐車場には自販機がありますので、万一登山の水分が足りない時はここで購入ができます。

黒井城登山( なだらかコース)

黒井城急坂コース入口

城山の頂上の黒井城までの登山ルートは「なだらかコース」と「急坂コース」の2つがあります。距離は長い緩やかな道か、距離は短い急坂かになり、どちらも危険な場所は少ないハイキングコースです。無難なのはなだらかコースですが、登山に慣れているなら行きと帰りを別々の道で歩くのも楽しいです。

黒井城なだらかコース入口

駐車場を出て、前面道路を先に進むと、すぐになだらかコースの入口があります。ここから頂上までは約40分です。

黒井城なだらかコース鉄柵

林道のようや道を進むと、野生動物が降りてこられないようにする柵が張り巡らされており、扉を開けて入山します。鉄網につけられた看板にはツキノワグマに注意と記されています。実際に2021年にこの登山道で地元男性がクマと遭遇したそうです。万が一には注意が必要です。

黒井城登城なだらかコース

最初は杉林の中を登っていきます。本当になだらかコースなのかと疑いたくなる登りです。

黒井城登城なだらかコース

杉林を登り切ると、山肌を回り込むようにシダが生い茂る森の中の緩やかな道を進んでいきます。このあたりが緩やかコースで一息つける場所です。

黒井城登城なだらかコースからの展望

所々、展望を望める場所があり、丹波の町並みを見下ろすことができます。

黒井城登城なだらかコースから望む山頂

進む頭上には標高356mの頂上が見えます。わずかに緑の中に石垣が顔をのぞかせており、空と接する平らな部分がかつての黒井城跡だと登山道途中からでも確認ができます。木々に囲まれてわかりませんが、かつては方々に曲輪を配置されて山全体が要塞化されていました。

黒井城登城なだらかコース

再び杉林の中に入ると、登りが待っています。

黒井城登城なだらかコース分岐点

途中、何度かゆるやかコースの中でも直登か回り道かを選べるようになっています。

黒井城石踏の段跡

杉林を出ると、シダが一面に生い茂る開けた場所に出てきます。石踏の段跡と呼ばれる場所です。

黒井城石踏の段跡赤門

開けた場所の最上部には真っ赤な山門が鎮座しています。その姿はとても神々しく見えます。ここまでは約30分ほど。この門をくぐると「なだらかコース」と「急坂コース」が合流しています。

黒井城石踏の段跡赤門

山門の中には仁王像などはありませんが、デッキがあり東屋のようになっています。山門の中から見下ろす風景がとても絵になります。

黒井城登山道頂上直下

合流地点から本丸まではあと約200m。最後の登りです。

黒井城頂上付近登山道

登山道の様相はすっかりと変わり、岩が多く低木しか生えていない地形になります。まるで高山に来たかのような雰囲気です。足元に気をつけて進みましょう。

黒井城からの眺め

見下ろす里の風景。戦国の世もこのように赤井直政も領民を見下ろしていたのでしょうか。

黒井城から見下ろす黒井小学校

出発した駐車場の側にあった黒井小学校を見下ろします。随分と高くまで登ってきました。

黒井城入口鉄柵

黒井城がある頂上付近にも柵があります。城跡の文化財に野生動物が入らないようにするためでしょうか。岩場に設けられたた鉄柵はまるで城にに潜入する忍者のようになった気分になります。

丹波を見下ろす天空の城「黒井城」

黒井城東曲輪跡

鉄柵を過ぎるとついに城跡にたどり着きます。頂上の本丸跡にたどり着くまでも様々な遺構があります。北の丸、西の丸、水の手曲輪、太鼓の段、石踏の段、三段曲輪など多数の曲輪が造られており、かつてはここから攻めてくる明智軍を迎え撃っていたのでしょう。

黒井城からの展望

今まで何度も下界の風景を望める場所がありましたが、城跡から望む展望は遮る木々もなく圧倒的な美しさ。まさに絶景です。ここからだと進軍してくる明智軍の様子も手に取るようにわかたっことでしょう。

黒井城跡

城跡には鉄製の階段が設けられるなど、城跡をゆっくりと見て回ることができるように整備されています。

黒井城三の丸

最初に出てきた広場である「三の丸」。本丸に攻めてきた敵に矢をけしかける最前線だったとていえる場所です。

黒井城からの眺め

今は何もない山ですが、かつては城門や壁が建ち、鉄壁の防御を誇っていたのでしょう。平和な風景から400年もの前の戦国時代の姿は想像できません。

黒井城二の丸跡

三の丸の上部に位置するさらに広い「二の丸」。野面積みの石垣で造られた平坦地です。頭上に遮るものがない、広い場所に出ました。ここが黒井城の本丸跡です。

黒井城本丸跡

頭上に遮るものがない、広い場所に出ました。ここが黒井城の本丸です。

黒井城本丸跡

まるで空に浮かんだかのような本丸。まさに天空の城に乗っているかのようです。天空の城といえば、同じ兵庫県北部にある兵庫県北部にある「竹田城」が有名ですが、この黒井城も条件が合えば、本丸から一面に広がる雲海を見ることができます。

保月城跡

本丸の奥には石碑があります。黒井城の別名、「保月城(ほげつじょう)跡」と記されています。

黒井城本丸跡

石碑越しに望む下界の風景。広大な田畑が山々の間に広がる美しい丹波の里。何度も途中から眺めましたが、やはり頂上である本丸から眺める風景が一番絶景と言えます。今まで一方の風景しか見えませんでしたが、本丸からは360度の展望が望めます。

黒井城本丸跡天空の広場

広い本丸にはいくつもベンチが備えられており、美しい風景を望みながらゆっくりとすることができます。まさに天空の広場。戦国時代のの山城の中枢部も平和な時代にはとても美しい光景です。

黒井城からの眺め

今までは登ってきた南と東側の風景を何度も見てきましたが、本丸からは西側、北側の風景も一望することが出来ます。

黒井城野面積み石垣

本丸、二の丸の下部に野面積みの石垣がずらりと続いています。戦国時代の城跡がそのまま残っている貴重な史跡です。

黒井城・急坂コースでの下山

黒井城急坂コース下山

帰りは急坂コースで下ります。距離は短いですが急な坂道が続きます。足元に自信がなければ登りと同じルートをお勧めします。

黒井城急坂コース

分岐点からしばらくは緩やかな下りでしたが途中からは樹林帯を一気に下ります。

黒井城急坂コース

急坂コースの途中にも本丸までの距離が記された看板があります。ここを登ってくる人の励みとなるでしょう。

黒井城急坂コース鉄柵

登りに使ったなだらかコースと同様に、登山道の終点付近には野生動物の侵入を防ぐゲートがあります。幸いにもクマとは遭遇しませんでした。本当にこんな狭いエリアにいるのかどうか不思議ですが、用心するに越したことはありません。

黒井城急坂コース階段

最後に急な階段があります。ここを下り切ったら登山口駐車場です。

黒井城

場所:兵庫県丹波市春日町多田
電話:0795-88-5115(丹波市役所観光振興係)
料金:無料
休み:無休
時間:24時間(夜間照明なし)
交通:JR黒井駅より徒歩15分
   舞鶴若狭自動車道・春日ICより約5分
   登山口より本丸まで徒歩約40分
駐車場:登山口5台、春日局庵22台(無料)

【投稿時最終訪問 2021年10月】

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