淡路夢舞台【海と緑と安藤建築】

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淡路島の北部『淡路夢舞台』は淡路島にある複合リゾート施設。2000年に開かれた淡路花博(ジャパンフローラ2000)の舞台となった場所。海を望む丘の一面に広がる公園で、多くの緑や花に彩られる素敵な場所だ。しかも、その緑や花に負けないくらい存在感があるのが、著名な建築家である安藤忠雄氏の建築物。まるで巨大オブジェのように建てられたホテルや植物園、レストランや庭園、国際会議場の建物はすべて安藤氏が手がけたもの。美しい自然にマッチする見事な人工物。そして、何よりこの公園が、「関西国際空港」の埋め立てに使った土砂の採取地の再生させて誕生させた場所であること。そのコンセプトとインパクトに魅せられて、始めて訪れたジャパンフローラ2000の時に魅せられて、足しげく通うようになった。

コンクリートと水が織り成す美しい建築美

淡路夢舞台円形フォーラム

ここ僕が大好きな場所のひとつ「円形フォーラム」
いかにも安藤忠雄氏らしい、コンクリート打ちっぱなしで、それでいてシンプル、しかし計算されつくした美しい建物。ここは昼も美しいが、夜の方がきれい。夜の淡路夢舞台は人も少なく、最高のデートスポット。

ちなみに、この淡路夢舞台には多くの水が流れる場所がある。その水底にはホタテ貝が敷き詰められている。100万枚のホタテ貝が使われているが、これは水産加工工場から出た「産業廃棄物」だった。捨てられる運命にあったホタテ貝が、安藤氏の手によって、見事に美しい風景を作り出しているのだ。それと同時に、「リサイクル」という概念をも表現している。

淡路夢舞台楕円フォーラム

「楕円フォーラム」
レストランの集まる場所にある。ここも夜は水中にライトアップされた噴水が立ち上がり、とても美しい場所になる。楕円形に、そして幾層にも囲まれた通路がまるで迷路、いや斬新な宮殿のような重厚な雰囲気を醸し出す。

奇跡の星の植物館

「奇跡の星の植物館」
安藤忠雄氏設計の植物館はこの淡路夢舞台のコンセプトを凝縮させた場所。緑と花とモダンアートのような建物の融合は本当に見事。人と自然、その融合を感じる素晴らしいこの植物館は僕は日本でいちばん素晴らしいと僕は思っている。

淡路夢舞台山回廊

「山回廊」
コンクリートの壁と擦りガラスに囲まれ、空と緑の山を見渡せる回廊。ゆっくりと流れる水際を歩いて散策できる。所々にあるベンチに腰を落としてくつろぐにもいい場所だ。

楕円フォーラムとグランドニッコー淡路

楕円フォーラムの上部。テラスなどが複雑に入り組み、本当に迷路のようだ。建物の向こうには海と「グランドニッコー淡路」(旧ウェスティンホテル淡路)が見える。このホテルなど建築物群は通路や建物同士で複雑に結ばれている。初めてここに来ると、どこがどうつながっているのか全く分からず、それは本当に迷路のように思える。安藤建築が次から次へと現れる、芸術的な迷路の空間をさまようのも、なかなか楽しい時間ではある。

淡路夢舞台水庭

「水庭」
流れる水と複雑に入り組んだコンクリートの通路が絡み合うこの場所は、まさに地下水脈を思わせる。この付近は何度訪れてもちょっと迷ってしまう不思議な場所だ。

淡路夢舞台海回廊

展望テラスより望む「海回廊」
海を背にした美しい水の流れとは開放感抜群だ。

淡路夢舞台百段苑

右から山回廊、空庭と続く。その上部に段々畑のように山を駆けあがって行くのが「百段苑」
次はこの百段苑の最上部をめざす。

淡路夢舞台

百段苑に楽に登れるエレベータが設置されている。あの緑に覆われたコンクリートの塔がそうだ。百段苑へのエレベータは山回廊最上部奥の通路からアプローチができる。

淡路夢舞台山回廊

山回廊の最上部。ここは美しい噴水に覆われたとても気持ちのいい場所。山の緑と美しい花々に囲まれたこの場所にあるベンチは、最高のくつろぎポイントでもある。

緑と海が織り成す調和のとれた美しい公園

淡路夢舞台空庭

少し寄り道して「空庭」へ。この付近も意図的に人を迷わすようにつくられたとしか思えない不思議な迷路のような空間。探検心あおるスペースと、その美しい建造物の隙間から望む青い海は、なんだか秘密基地を思わせる。海と緑とコンクリートが交錯する素晴らしい風景が展開される。

淡路夢舞台エレベーター

山回廊から管理用道路を横断すれば、百段苑へのエレベーターにたどり着く。コンクリートが緑に覆われていく。まさにこれこそ、自然と人工物の融和を思わせる不思議なオブジェ。天空の城ラピュタのような、自然に飲み込まれていく近代文明の姿を彷彿とせさる。

淡路夢舞台百段苑

エレベーターを降りると、そこは「百段苑」の上部。コンクリートとガラス板でつくられた百個もの花壇が丘一面に広がる風景は圧巻だ。
ここには世界各地のキク科の植物が植えられていて、ひとつひとつ見て回るのは手間だが楽しい。時々、信じられないような香りが漂ってくる花壇もあり、ここの散策はおもしろい。

淡路夢舞台

百段苑から淡路夢舞台の北側を望む。遠くに神戸の市街地が霞んで見えている。写真右手より山回廊、奇跡の星の植物館が続き、その後ろには野外劇場。さらにその奥にはとても広い芝生広場が続いている。
この日は芝生広場で人気アーティストの「ポルノグラフティ」のライブツアーが行われていた。建設現場のようなセットが組まれ、2万人ものファンが野外ライブをこの夜に楽しむらしい。

淡路夢舞台と海

百段苑から望む淡路夢舞台東側。先ほどのエレベーター塔頂上からのびるカラス張りの通路が何とも言えないくらい絵になる。
見下ろす青い海とコンクリートの建造物の間には「淡路島明石海峡公園」が広がる。ここは淡路花博の跡地を公園として整備した場所であり、気持のいいプレイスポットになっている。ただし入場は大人400円・子供80円。
海には「淡路交流の翼港」が張り出していて、ぷレジャーボートのビジター係留も可能。クルージングでここに立ち寄るという、セレブな登場もできるそうだ。

淡路夢舞台百段苑

百段苑を散策。青い空の下、青い海、美しい花と、モダンな建築群。ここに身を置くだけで、心は風の音を聞き、軽やかになってく。

淡路夢舞台貝の浜

「貝の浜」
一面の広いホタテ貝を敷き詰められた浅い池は、青い海をバックにして美しい浜に見える。この浜に突き出している塔はウェスティンホテル淡路のチャペルの鐘。この浜の下には「海の教会」がある。
海の教会も安藤忠雄氏設計のスタイリッシュで厳かな空間。静かなコンクリートに囲まれた空間、天井の十字窓から眩しい光が降り注ぐ幻想的なチャペルでの挙式は感動だ。

安藤建築と自然が織り成す美しい風景

淡路夢舞台海回廊

「海回廊」
噴水が上がり、水が湛えられた開放的で美しい空間。思いっきり伸びをしたくなるような気持のいい場所で、夢舞台の風景を見渡せる絶好のプロムナードだ。

淡路夢舞台海回廊

海回廊から振り返る百段苑。モダンでスタイリッシュな建築と、自然が見事に融合した風景が素晴らしい。

淡路夢舞台とグランドニッコー淡路

夢舞台の一角に鎮座するウエスティンホテル淡路。このホテルのベランダはとても広く、部屋からこの美しい風景を手に取るように楽しめる。このホテルでの滞在は、最高に気持ちよく、リゾート気分を満喫できる。

淡路夢舞台百段苑

見上げる百段苑。百段苑からも水が流れ落ち、貝の浜に注いでいる。
緑と花。複雑に絡み合ったスタイリッシュな建築物。そして、これらの異質の風景をつなぎとめるかのように、あちらこちらで流れる水と青い海。自然とアートを感じる僕の大好きな空間は、何度来ても飽きることなく、そのたびに新しい発見があり、さらに大好きな場所となった。

淡路夢舞台

住所: 兵庫県淡路市夢舞台1
電話: 0799-74-1000
休み: 施設により相違(入園は自由)
営業時間: 施設により相違(入園は自由)
料金: 無料(有料施設もあり)
交通: 神戸淡路鳴門自動車道・淡路ICより車で約5分
駐車場: 600台(1日500円・7:00~23:00・3000円以上利用で駐車料金サービス)

【投稿時最終訪問 2020年6月】

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