手柄山中央公園 【昭和レトロが盛りだくさんの遊べるB級スポット】
姫路と言えば、世界遺産でもある姫路城が代表的な観光名所でしょう。しかし幼稚園や、小学生低学年のお子さま連れの方は、いくら世界に誇るお城とはいえ、不完全燃焼なことも・・・そんな時、子供のためにお金をかけずに楽しめる市内の場所が手柄山です。姫路城と姫路駅を挟んでほぼ同じ距離、反対の方向に手柄山はあります。山陽電鉄を使えば姫路駅からたったの一駅、ちょっと息抜きに訪れたつもりが、意外にはまってしまう味のあるスポットなのです。
大人も子供も楽しめる新しくて懐かしい昭和
駐車場からすぐのところにある姫路市立水族館。山の上にある珍しい水族館です。2011年に全面改装されており、タッチプールなど子供が楽しめる内容が充実。料金も大人500円、子供200円と市立施設ならではの安さなので、時間があれば楽しみたいですね。
水族館は有料ですが、無料で楽しめるスポットが「手柄山交流ステーション」です。実は姫路では昭和41年に「姫路大博覧会」が開かれており、その会場だった手柄山と市内中心部を結ぶモノレールが同時に開通しました。40年近く放置されていたモノレールの実物車両と当時の「手柄山駅」を甦らせた展示施設なのです。
モノレールの車内に入ることができます。きれいにされたとはいえ、ほとんどが当時のまま。レトロ感が懐かしくもあり、どこか新鮮でもあります。
運転席も当時のまま残っています。計器やスイッチがとてもレトロですが、地方線でもまだまだ活躍できそうなくらいです。
レトロな駅舎も当時のまま再現されています。また、赤レンガづくりの重厚な駅舎の外観も素敵で見応えあり。ステーションの見学のあとには是非外観も見ておきたいです。
モノレールのレールなどの遺構は今も姫路市内に残っています。残念ながらもうひとつの終着駅で、マンションと一緒になっていた「大将軍駅」は近年に取り壊されてしまいました。時代の流れは残念ですが、こうしてもう片方の手柄山駅とモノレールの現物車両が1編成だけでも残ったのは幸いです。
疲れた様子の運転手さん。着色されていない人形が、当時の様子を想像させ、レトロなイメージを増幅させています。
窓ガラスの向こうには昭和の子連れ、こちらには令和の子連れ。昭和40年代の当時の様子を、当時からそこにあるものをきれいにして復元した世界は、まるでタイムスリップしたかのようです。
1966年に開かれた「姫路大博覧会」のジオラマ。手柄山中央公園はこの姫路大博覧会の跡地につくられており、今でもいくつかのパビリオンはそのまま残っています。
散歩が楽しい手柄山中央公園
手柄山交流ステーションの屋上。斜面を生かした立地で、駐車場ともつながっています。
屋上からは姫路市内をはじめ、公園内を一望できます。
公園内でも異常な存在感をしめす「スリラー搭」かつてのパビリオンだったそうです。
スリラー搭の内部には入ることができます。内部はちょっとした迷路のように部屋が続いていますが、特ににもなくがらんとしています。博覧会当時は大勢の人で賑わって、いろんな展示がされていたんでしょうね。現在ではドラゴンクエストやバイオハザードごっこができてしまいそうな場所になっています。
スリラー塔は何層にも複雑に重なり合っていて、ベランダにも出ることができます。なかなか景色もよろしいですよ。
スリラー塔付近は、まるで異国の様子に仕立て上げられています。何もありませんがちょっとした冒険気分。ディズニーシーみたいな感じでしょうか。
消滅していく昭和レトロがいまだ残る園内
園内で一際目をひく独特の建物は回転展望レストラン。まさに昭和の遺物で、令和となった今ではどんどんとその姿を消しており、兵庫県でもここを含めて3箇所(1県に3箇所もあるのはレア)しか回転する展望台はありません。残念ながら、手柄山の展望レストランも時代の流れには抗えず、平成30年3月に営業を終了しました。
園内には「ひめじ手柄山遊園」があります。入園料はなんと100円です。100円分の乗り物券がついているので実質タダ。ただし、夏場のプール開催中はなんと1100円に入園料は跳ね上がります!
手柄山遊園の中には無料の遊具や、メリーゴーランドやトランプリンなど小規模で結構年期の入った遊具がいっぱい。正直、あまりここで遊んでいるお子様もいらっしゃいません。夏期は広いプールがあり、賑わうそうです。
手柄山遊園は完全に昭和の高度経済成長期の遺物。近々取り壊し、再開発する計画もあがっているそうです。残念ながらジェットコースターと観覧車は先日営業を停止しました。このレトロな遊園地を楽しめる時間もあまり残されていないようです。
公園内でひときわ目を引くモニュメントのひとつ「太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔」昭和22年に姫路市長が提案し、昭和27年に完成した慰霊塔。太平洋戦争時の空爆被害者を慰霊しています。剣を地中深くに突き立てて、不戦を強く誓っているそうです。
まさに戦後から高度経済成長を遂げた日本を象徴するような場所。令和の世になり、それは懐かしく遠い昭和の時代を感じさせる場所になってしまいました。とはいえ、孫世代には新しく、親世代には懐かしく、祖父母世代には思い出の時代。家族で楽しめる昭和、今のうちにたっぷりと満喫しておきたいですね。
姫路の宿泊情報
兵庫県西部の中心都市、姫路。人気の観光地姫路城を駅前に有する姫路には観光やビジネスで利用できるシティホテルがたくさんあります。幼児無料やファミリープランのあるホテルも多くあるので、ぜひゆっくりと市内で滞在したいですね。
手柄山中央公園
住所: 兵庫県姫路市西延末字手柄山440
電話: 079-287-3652
料金: 無料(有料施設あり)
交通: 山陽電気鉄道本線 手柄駅 徒歩10分
駐車場:1600台(公園内9個所あり、1日200円)
【投稿時最終訪問 2015年5月】