高瀬橋【徳島吉野川最下流・最長の沈下橋】

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「高瀬橋」は四国を代表する大河、徳島県の吉野川に架かる最長の沈下橋。全長500mを超えるスケールの沈下橋は四国でも稀有で、橋を渡ると吉野川と一体になるかのような絶景と、吉野川の美しい流れを間近に感じることができます。

吉野川と長大な沈下橋が織りなす美しい風景

吉野川の沈下橋

吉野川は利根川、筑後川とならぶ日本三大暴れ川のひとつ。四国三郎の名をもつ、四国第二の長さを誇る大河です。江戸時代に造られた第十堰から吉野川右岸の土手でサイクリングや散策を楽しんでいると、目の前に見えてくる橋が高瀬橋です。

吉野川高瀬橋

近づかないとその存在に気づかない高瀬橋は普通の橋ではないことは一目瞭然です。

高瀬沈下橋

高瀬橋は欄干がなく、水面ギリギリに造られた沈下橋。水面から十分な高さがあるしっかりとした構造物である鉄橋とは違い、川と一体化して風景に溶け込んだとても美しい橋です。

高瀬橋

高瀬橋(たかせばし)は、昭和29年に完成した 四国最長の潜水橋。吉野川に現存する8本の潜水橋のうち、最も下流に位置します。吉野川の沈下橋では最も長い橋長522 mに対して幅員はわずか4 mととても細長い橋です。

吉野川高瀬橋

空の色を映し、付近の特産品である藍の色を思わせる吉野川。訪れた新緑の頃はその美しさを色鮮やかに感じることができます。

吉野川が作り出した広大な平地。地平線が見えそうな何も無い原野に感じる見事な風景です。

沈下橋の上からダイレクトに感じる吉野川の美しさ

高瀬橋への道

土手から沈下橋に向かって下っていく道路。車でも沈下橋を渡ることはできますが、運転には細心の注意を払わないといけないので風景を楽しむ余裕は少ないかも。徒歩や自転車なら気楽に途中まで渡れ、橋の途中からは吉野川と一体になったような風景が楽しめます。橋の手前左側には車が止められる空き地があります。

高瀬橋

吉野川の藍色の水面を渡る一直線に続く沈下橋。川を渡りはるか彼方の山まで続きそうな眺めは壮観。522mを誇る橋長はどこまでも続いているように見えます。

車で渡るには注意が必要です。車道幅は3mしかなく、退避場所もないので、橋の途中での離合はできません。渡っている対向車があれば、橋の手前で待つ必要があります。

高瀬橋から望む吉野川

沈下橋を渡りながら眺める吉野川は、岸からは見ることができない、川のど真ん中、水面スレスレの風景を堪能できます。

高瀬沈下橋

渡っている高瀬橋を振り返ります。土手の向こうには吉野川が長い年月をかけてつくりあげた広大な平野があり、名産の鳴門金時を始めとする畑が広がっています。遠近感が狂いそうなほどにどこまでも広がる開放的な風景が360度展開する場所です。

吉野川高瀬橋

沈下橋はその名の通り、川が大雨などで増水すれば、流れの中にわざと沈むようになっており、流されてくる漂流物で橋体が破損したりしないように設計されています。水没するために川面から近く、水中での抵抗や漂流物がかからないように欄干はなく、橋幅も狭くなっています。そのため、まるで水面を道路が走っているような、吉野川と一体化した風景が目の前に広がります。

吉野川

橋の途中から眺める吉野川は、まるで湖のよつに波打つ川面が目の前に感じられます。川との距離がとても近く、川の香りや水の音をダイレクトに感じられるとても気持ち良い空間です。

沈下橋の上から望む吉野川

高瀬橋の途中から眺める吉野川は、まるで湖のど真ん中に立っていると錯覚するくらいの広大な空間。暴れ川の名を持つ吉野川ですが、穏やかな日にはとても優しくて懐の深い感動的な姿を見せてくれます。

川岸から感じる吉野川の美しい水の流れ

吉野川の清流

高瀬橋の右岸に戻れば堤防から吉野川の水に最も親しむことができます。下流域にあるにも関わらず吉野川の流れはとてもきれいで、その透明度は同じ四国の大河、四万十川の下流域にも匹敵するほどです。そこそこ水深があるにも関わらず、覗き込むと川底が見えるくらいの美しさです。

吉野川の沈下橋

橋の全長は500m以上ありますが、流れの上の部分は半分弱ほどです。その大半は左岸の広い河原を渡っています。途中で引き返すことができる徒歩や自転車なら、気軽に沈下橋で吉野川を楽しめます。

吉野川と沈下橋

青空と川の境目に伸びる高瀬橋。橋がなければ空と川の境目がわからないくらいの美しく広大な吉野川の風景。吉野川の雄大さ、美しさをダイレクトに感じられる徳島の隠れた絶景スポットです。

高瀬橋の近くには吉野川を代表する風景の一つ「第十堰」があります。江戸時代から残る吉野川と一体化した自然と同化した人工堰。ゆっくりと散策、サイクリングして吉野川を代表する美しい眺めを楽しみましょう。

高瀬沈下橋

住所: 徳島県名西郡石井町藍畑西覚円
営業時間: 見学自由
交通: 徳島自動車道・藍住ICから車で約15分
駐車場: 橋の手前に駐車スペースあり
橋長:522 m

【投稿時最終訪問 2020年5月】

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