徳島諏訪神社【絶景と多数の社と狛犬】

「徳島諏訪神社」は徳島市のシンボル、眉山の山麓にある神社。古くから佐古のお諏訪さんとして親しまれる地元に根付いた神社で、徳島城が築城された際に裏鬼門の守護神として創建され、代々の徳島藩主にも手厚く保護されました。山へと一直線に登る立派な石階段の上に鎮座する境内は、徳島市内を一望する絶景と、たくさんの境内社が織りなす神秘的な雰囲気が魅力的です。

一直線に続く立派な石段に導かれる神社

参道入口に立ちはだかる登り甲斐のある階段。脇に立派な狛犬が鎮座する石の鳥居から先はまさに神域といった神々しさを感じます。たまたまこの前を通りかかっただけですが、その神秘的な雰囲気に魅せれて、参拝することにしました。それだけ魅力的な光景です。

また、参道大鳥居横にはまよひご石があります。お祭りなどで迷子が出たときは、この石の前に待たせてみんなで親を探してあげたそうです。県内でまよひご石が残っているのはここ徳島諏訪神社だけだそうです。昔の人の暖かさの面影を感じられます。

参道入口前には「甘味処あんみつ姫」というお店があります。有名な甘味処で、まるで神社の茶屋のような人気のお店です。参拝が終わった後に、一休みするのも良さそうです。

さあ、遥か頭上まで続く石段を登って行きます。階段の両側には深い鎮守の森が残っており、厳かで神秘的な雰囲気も感じられます。

ついに階段を登りきり、頂上の境内にたどりつきました。振り向くと、登ってきた階段がはるか下まで一直線に続いているなかなか壮大な光景を目にすることができます。帰り道にこの急な階段を降りるのが不安でも、緩やかな別の参道もあるのでご安心を。

石段の頂上から振り返ると、目の前に広がるのは徳島市内の眺め。まさに絶景で、ここまで登った甲斐があります。

市内を見下ろす絶景の徳島諏訪神社

巨大な石造りの鳥居をくぐって境内に入ります。鳥居をくぐったすぐの所に拝殿と本殿があります。本殿から徳島市内を一望でき、地元の神様としての威厳と懐の深さを感じます。

諏訪神社は長野県の諏訪大社を総本社として全国に多くある諏訪神社のひとつ。建御名方神と八坂刀売神の夫婦神を主祭神として祀っています。

拝殿は畳敷きになっていて、一面が壁のない開放的な造り。地元の方が氏神の前に集えるようになっています。個人的には特に四国の地元の神社にはこのような拝殿が多いと感じます。

拝殿の後ろに建つ本殿。拝殿の落ち着いた雰囲気とは違い、朱色の鮮やかな社殿には神が鎮座する特別な場所の雰囲気を感じます。また本殿の後ろには眉山の豊かな森が広がっており、神々しい雰囲気がありました。

徳島市街地を見下ろす境内に建つ鐘楼。美しい風景に溶け込むことで違和感がしなくなっていますが、よくよく考えると神社に鐘があるのは珍しいです。徳島の眉山の麓には多くの寺や神社がパズルのピースのように組み合わさって鎮座しているので、この付近を何度も訪れていると違和感がなくなってきます。かつて神仏習合の時代にはここで打ち鳴らされた鐘が、眼下に広がる徳島の町一帯に時刻を告げていたそうです。

徳島城の裏鬼門を護る神社として徳島藩を長年治めていた蜂須賀家の加護もあり江戸時代には徳島諏訪神社は大いに栄えていたそうです。現在も多くの氏子を抱えており、付近の町を見下ろすこの場所は地元の人の心のよりどころになっていそうです。ふらりと訪れてもこの場所からの眺めが素敵すぎて、しばし時を忘れて素晴らしいロケーションと歴史と信仰が織りなす神社の雰囲気を楽しんでしまいました。なお、徳島諏訪神社の近くには、代々の徳島藩藩主の墓所があるので、この後に訪れて、さらに徳島の歴史を体感してみるのもよいでしょう。