新屋島水族館【海を見下ろす山頂の水族館】

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源平の合戦の戦場のひとつ。那須与一の扇の的や義経の弓流しなど、多くの伝説が残る「屋島」
まるで屋根やテーブルマウンテンを思わせる、標高293mの溶岩台地。平で広い山上には四国霊場の84番札所の「屋島寺」や「新屋島水族館」などがあり、高松の観光名所でもある。

山の上にありながら海に近い新屋島水族館

屋島からの瀬戸内海

屋島の頂上からは島々の浮かぶ、風光明媚な瀬戸内海の風景を楽しめる。かつては四国を代表する観光地だったが、近年では観光客が激減している。屋島を歩くと、土産店や旅館、そしてケーブルカーまでもが閉鎖に追い込まれ、廃屋と化しているのが目立つ。レトロな建物がそのまま放置されている所に「盛者必衰の理をあらわす」という平家物語の冒頭の歌が頭をかすめる。
しかし、この日、3連休とはいえ、屋島にはとても多くの人が訪れている。その人々が廃屋が点在する道を進んで向かうのが「新屋島水族館」。こんな山の上にある、珍しい水族館だ。
「新」という名前がつていることからもわかるように、この水族館の全身の屋島山上水族館は一度2006年に閉館している。そして同年末、「沖縄美ら海水族館」や「海遊館」の巨大水槽をつくった「日プラ」の子会社が経営を引き継いだ。世界的水槽メーカーのバックアップもあり、360度全方向がらイルカが泳ぐ姿を見られるイルカプールなど、目玉水槽が続々と追加された。廃れていく屋島の施設の中で、華々しく息を吹き返し、再び屋島に人を呼び始めた。閉鎖された建物の横を多くの人が歩いていく。もう少し早く息を吹き返していれば、もしかしたらこの廃屋の息も途切れなかったのではないか。そんな皮肉な結末すら思い描いてしまう。

小規模ながらも充実した展示の水族館

新屋島水族館

3連休で、とにかく暑かったこの日。冷房のきいた屋内には、照りつける陽射しを避けるように、多くの人でごったかえす。リニューアルで新設されたクラゲ水槽。建物内唯一2階にあり、円形の窓のない薄暗い空間に、ライトアップされてぷかぷかと漂っている。とても幻想的な雰囲気。しばしここで立ち止まり、癒しを求める。
2階には螺旋階段で登るが、ベビーカーなどでも登れるように螺旋スロープも完備されている。ただし、5段くらいは階段を最後に登らないといけない。ベビーカーならいいが、車イスはこのクラゲ水槽まではたどり着けない。完全にバリアフリーではない。

新屋島水族館タッチプール

ここも新設されたコーナーで、今ではおなじみの「タッチプール」
地元の漁師から提供された、海の生き物に触れることが出来る。こどもで大賑わいの人気スポットだ。
このほかにも、四国でもっとも美しく南国の様相をした「柏島」の海を再現した水槽などが多くある。

新屋島水族館アザラシ

さて、ちょうど屋外では人気のイルカショーが行われていた。しかし出遅れたので、もうベビーカーを押して見れる場所がない。そこで、ちょうどイルカのメインイベントに客を奪われた形になったアザラシのプールに行ってみた。
アザラシもリニューアルされてから投入された新しい水槽。ゼニガタアザラシの名前と、同じ香川県にある「銭形平次」のオープニングの撮影地とて有名な「銭形」にちなんでつくられた、銭形の水槽が目を引く。「銭形」で描かれる「寛永通宝」の文字が記された円形の水槽の中を、アザラシがまるで宙返りするように泳いでいく姿は見事。この日はものすごく近い場所で、ぷかぷかと浮かびながらくつろいでくれた。

新屋島水族館

イルカ、アザラシの他にはアシカ、ドドや国内ではあまり飼育されていないアメリカマナティーなど。大型海獣の種類が充実している。もちろんショーも毎日あり、館内のガイドツアーもある。
決して大きいとはいえない水族館。それでもユニークな水槽とスタッフの試行錯誤があり、とても楽しめる。国立公園内にあるため、建物を簡単に増改築できないこともあり、随分苦戦をしいられているようだが、その分スタッフの手作り感が感じられる。そして山の上にあり、瀬戸内海を一望できるロケーション。一風変わった水族館には、足を延ばしてみる価値は十分にありだ。

屋島山上の絶景の宿

新屋島水族館

場所: 香川県高松市屋島東町1785-1
電話: 087-841-2678
営業時間: 9:00~17:00 (最終入館16:30)
休業日: 年中無休
交通: JR屋島駅・ことでん屋島駅からパス約10分
   高松自動車道・高松中央ICから屋島ドライブウェイ経由にて約30分
   (バス・自動車とも下車後、駐車場から徒歩約5分) 
料金: 大人1200円 中・高校生700円 65歳以上700円 子供500円 3歳未満無料
駐車場: 多数駐車可能(屋島ドライブウェイ通行料610円必要、連休時等は混雑)

【投稿時最終訪問 2010年7月】

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