アコウ樹【愛媛県三崎町】

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日本一細長い半島で、四国最西端を先端に持つ「佐田岬半島」。その背骨のような山の上先端に向かって走るを国道197号線は「佐田岬メロディライン」と呼ばれる快走路。その道の終点が、愛媛県伊方町の「三崎町」である。
小さな港町だが、関サバ、関アジを水揚げする(この漁協でのブランドでは岬アジ・岬サバと呼ばれる)四国でも有数の漁業の町でもある。また、九州からの一番近い四国の玄関口であり、フェリーに乗る車が頻繁に訪れる。そのフェリー乗り場のすぐ近く、冬でも青々とした緑を茂らせる、大きな森がある。

まるで森のような巨大なアコウ樹

アコウ樹

車を路肩に停め、近づいてみると、それは森ではなく、たった4本の、しかしとても大きな木々であった。
これは「アコウ樹」と呼ばれる国の天然記念物。大正10年に天然記念物に指定されており、樹齢300年を超える亜熱帯性の大木だ。
ここのアコウ樹は自生の北限とされ、遠い南の島から実が海を渡ってきたと考えられている。現在は4株が残り、最大のものは推定樹齢600年、高さ18m、幹下部の周囲は14m。その大きさと、異様な風貌は、この周辺の景色をそっくりそのまま、どこか遠くの南の孤島のそれに置き換えてしまっている。

アコウ樹

さて、実はこのアコウ樹、四国に住んでいる人ならよくテレビで目にしたかもしれない。かつて玉木宏さんが出演した四国電力のCMのロケ地がここである。しかもCMの中で、「アコウ樹」とちゃんと紹介されている。この階段から玉木さんが歩いて降りてくる。見上げているのはこの木です。

冬でも南国の雰囲気を感じるアコウ樹

アコウ樹

2月に訪れたのに、巨大なアコウの木々は眩しいほどに緑をまとっている。アコウ樹から続く細道は、まるで南国の風景。海から運ばれてくる潮風も、ここを通りぬけると、とても春めていいるような気がしてならなかった。

アコウ樹

どの木もとても大きく、とても立派。その生命力と力強さを感じざるを得ない。四国の中でも比較的温暖な場所ではあるが、それでもまだまだ南国とは言えない三崎町。しかし、このアコウ樹たちの下にいると、どこかの南の島に来た感じがする。
思わず腰を石垣の上におろし、木漏れ日眩しい緑の下でゆっくりしたくなる。巨大な南国の木々の下では、冬は暖かく、夏は涼しく感じられそうだ。そして何よりも、とても遠くに旅をした気にさせてくれた。

アコウ樹

場所: 愛媛県西宇和郡伊方町三崎
交通: 大洲ICより国道197号線を約60km
     フェリー乗り場より徒歩3分
料金: 無料(見学自由)
駐車場: 駐車スペースあり(数台)

【投稿時最終訪問 2008年2月】

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