西教寺【明智光秀の墓所】

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2020年の大河ドラマで主人公となり、今までの悪者のイメージが随分と払しょくされた明智光秀。「西教寺」はその明智光秀の居城、坂本城の近くにある明智家の菩提寺であり、明智光秀の墓がある天台真盛宗の総本山です。

琵琶湖の眺めや緑が美しい境内

西教寺総門

西教寺の入口には立派な総門がそびえます。背後には光秀が信長に命じられて攻めた比叡山がそびえています。近くにある日吉大社からは比叡山へのケーブルカーがあるなど、その関係の深さをうかがえます。また、近くには明智光秀の居城だった坂本城址公園があります。この総門は坂本城の城門を移築したものと伝えられています。

西教寺参道

総門をくぐると、一直線に緑に覆われた参道が緩やかに登っています。

西教寺子院

参道の左右には6つの子院が並んでいます。緑溢れる道の両側に立派なお寺がいくつも並んでいる様は、まるでタイムスリップして江戸時代に迷いこんだかのような美しい風景です。

西教寺子院

この子院に参拝する方もいらっしゃいました。一般の方が参拝する寺というよりも、檀家をもつ地元の寺といった雰囲気です。参拝のはゆかりのある方だと思われます。

西教寺と琵琶湖

宗祖大師殿の入口となる唐門付近は西京寺の絶景展望ポイント。連なる子院の瓦屋根の向こうに琵琶湖を一望できます。

琵琶湖の眺めもさることながら、大きな寺院の屋根がいくつも並ぶ宗教的な空間と巨大な湖のコラボは日本の美しさを感じられる感動的な眺めです。ここには琵琶湖に向いたベンチもあるので、一休みしながら絶景を堪能することができる場所です。

天台真盛宗の開祖真盛上人を祭る総本山

西教寺西教寺唐門

宗祖大師殿の唐門。美しい装飾が施されており、威厳と風格を感じます。

西教寺宗祖大師殿

西京寺を再建し、天台真盛宗の開祖となった真盛上人を祭る宗祖大師殿。立派で厳かな佇まいです。

西教寺唐門からの琵琶湖

唐門の中から望む琵琶湖の風景。まるで和の額縁に入れられたかのような風景はとても見事です。

真盛上人像

西教寺が総本山となっている天台真盛宗の開祖、真盛上人の像が庭の一角にあります。比叡山で修業した後に荒廃していた西教寺を復興した僧で、琵琶湖を中心とした地域で布教し、民衆の信仰を集めた徳の高い人物だったそうです。

西教寺

宗祖大師殿から改めて参道に戻ります。ここからの参道の眺めがとても美しく感じます。

西教寺勅使門

参道の正面突き当たりには勅使門があります。この門を通り抜けることはできず、本堂へは迂回して進みます。

西教寺石段

本堂へは石段を登ります。

西教寺石垣

石垣の上には白壁と石垣、そして青々としたモミジと夏空がとても色鮮やかに映えます。紅葉の時期に訪れれば、さぞかし美しい風景でしょう。

夏は美しい風鈴で彩られる西京寺本堂

西教寺本堂

西京寺の本堂は江戸時代の1739年に建造された巨大な総欅入母屋造の建物。江戸時代に造られた豪華な装飾を施された見事な本堂にはご本尊の阿弥陀如来が安置されています

西教寺の神龍

本堂前にある水屋。参拝前に手を清める場所で、お馴染みの水を吐く龍がいます。風鈴参道のイベントにあわせてカラーボールが水の上に並べられ、龍を守護するかのようにアヒルがズラリと並んでいます。カラーボールを手にした龍はさながらドラゴンボールの神龍のようで、お寺の遊び心を感じさせてくれます。

西教寺風鈴参道

毎年夏に催される風鈴参道というイベント。本堂の前だけですが、木枠の通路一面に色鮮やかな風鈴が吊るされてとても幻想的な空間になります。夏空に風鈴の色が映え、南風に一斉に鳴り響く風鈴の音は、本堂の威風堂々とした姿と相まって日本の美しさを感じさせてくれます。また、夜にはライトアップされ、幻想的な光景を闇夜に浮かび上がらせるそうです。

西京寺本坊にて明智光秀の位牌にお参り

西教寺本坊

本堂には直接参拝できません。まず本堂の裏手にある大本坊に訪れ、ここで靴を脱いで参拝します。

西教寺明智光秀位牌

大本坊には明智光秀とその妻、煕子の位牌を祭った仏壇があります。まずはここで、明智夫妻にお参りします。ふすまには明智家の家紋の水色の桔梗が描かれています。

西教寺庭園

明智光秀と煕子を祭る部屋の前には立派な日本庭園。西京寺には4つの庭園があり、ここもそのひとつです。安土桃山時代から江戸時代にかけて造られた歴史ある庭園です。

西教寺売店

本坊にある売店。お守りなどはもちろん、様々な明智光秀グッズやイベントに使われている風鈴も販売されています。その奥には参拝者用の休憩室も設けられています。

歴史ある建物と美しい庭園を巡る参拝

西教寺渡り廊下

渡り廊下で本堂へ渡り、参拝します。(本堂は撮影禁止です)

西教寺渡り廊下

続いて渡り廊下で書院へ向かいます。

西教寺渡り廊下

本堂、本坊、書院、客殿はそれぞれが渡り廊下で結ばれており迷路のようです。前にある建物は客殿です。

 西教寺二十五菩薩石仏

書院に向かう途中の回廊にズラリと石像が並んでいます。これらは1584年につくられた「 西教寺二十五菩薩石仏」で、劣化を防ぐために、雨風の当たらない半屋内に鎮座しています。

 西教寺二十五菩薩石仏

ずらりと石の菩薩様が並ぶ回廊はとても神秘的。日本の美と精神世界が融合したとても静かで厳かな空間。

西教寺書院南側庭園

書院南側の庭園。書院と客殿の間に位置し、大きく庇が張り出した書院の縁側に腰かけて、ゆっくりと心静かにその美しさを観賞できるようになっています。この庭園も風鈴参道の期間中、庭の木々に風鈴が下げられていたり、手水に美しいビー玉が沈められていたりして、今風の夏らしさをその美しさに織り込ませています。

西教寺庭園と客殿

目の前にあるのは桃山御殿と称される客殿。1598年に大谷吉継の母ら寄進した、西京寺でも最も歴史ある建物のひとつです。

西教寺書院北側庭園

書院の裏にも庭があります。こちらには水で満たされた池があり、落ち着いた雰囲気です。

西教寺写経

書院の一角には写経ができる部屋になっています。写経といっても筆ペンも用意されているので気軽にお試しもできます。特に申込など不要で、料金箱に指定の金額を投入して、経典や字を写しとります。初心者でも、心を穏やかにできる落ち着いた空間です。

西教寺明智光秀公資料室

明智光秀公資料室が書院と客殿の途中にあります。内部には明智光秀に関する資料が展示されています。内部の撮影は禁止です。

西教寺客殿と本堂

本堂と客殿。張り出した屋根や回廊には美しい日本の美を感じます。雨の日などには雨音を聞きながらとても風情を感じられそうです。

西教寺真盛上人廊への階段

客殿の奥には明智一族の墓があり、階段の上には真盛上人廊があります。墓参りは参拝を終えてから改めて向かいます。

西教寺客殿茶の間

客殿の中は一部のみ見学が可能です。茶の間は天井や床がとても渋い色目に。築400年以上の建物の歴史と風格を感じます。

西教寺客殿

別の部屋には籠が展示されています。

西教寺客殿庭園

客殿庭園。裏山と一体になるように造られた庭で、他の庭園とは違いとても広く、開放的な雰囲気があります。奥には観潤亭という離れがあります。

西教寺観潤亭

観潤亭には仏具がいくつか展示されています。お経を重視した天台真盛宗だそうですが、天台宗ということもありなんとなく密教のイメージを感じます。

明智光秀と妻煕子の墓参り

西教寺明智一族の墓

本堂の奥には明智光秀、その妻明智煕子、そして明智一族の墓があります。比叡山の焼き討ちの際、西京寺も同時に焼失しました。その後、付近一帯を治めることになった明智光秀が西京寺再建に尽力し、その後明智家の菩提寺となったそうです。

西教寺明智光秀の墓

たくさん並ぶ墓の一番右側が明智光秀の墓です。さまざまな苦労・苦悩ののち、ここで静かに眠っていることでしょう。

西教寺明智熙子の墓

一族の菩提をともらう石仏群を挟み、光秀の墓と反対の向かった左側が妻、明智煕子の墓です。

西教寺駐車場

門前に駐車場広い駐車があります。ここから車で4kmほどの場所には、かつての明智光秀の居城であった坂本城址公園があります。明智光秀の足跡をたどるなら、ぜひ一緒に立ち寄りたい史跡です。また、近くの日吉大社からケーブルカー、もしくは奥比叡ドライブウェイで明智光秀が織田信長の命で焼き討ちをした比叡山に行くこともできます。比叡山はエリアがとても広いので、時間に余裕を見て参拝しましょう。

西教寺

場所: 滋賀県大津市坂本5-13-1
電話: 077-578-0013
営業時間: 9:00~16:30
休業日: 無休
料金: 参拝料500円
交通: 湖西道路下阪本ICから10分
   JR湖西線『比叡山坂本』駅 下車、江若バス約7分
駐車場: 100台 (無料)

【投稿時最終訪問 2020年8月】

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