石の教会・内村鑑三記念堂と軽井沢高原教会

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避暑地・リゾート地としてとても有名な軽井沢には多くの観光客が集まる。軽井沢がリゾート地として発展したのは、明治時代にイギリス人がここが避暑地として最適と紹介したのがきっかけだった。そのため、多くの外国人が別荘を建て、宣教師も多く滞在した軽井沢には多くの教会がある。
数ある軽井沢の教会でもずば抜けて有名な教会が「石の教会」と「軽井沢高原教会」だ。この2つの教会はほぼ同じ敷地内にあり、同時に訪れることができる。

独特の外観が神秘的な石の教会

石の教会

まずは「石の教会」に訪れる。「ホテルプレストンコート」の駐車場を利用させてもらうが、その駐車場の一番奥に教会の入口がある。教会の入口から教会までは、その名の通り、石の道が続いている。
まるで西洋の城壁を思わせる石垣がやわらかく包むように道を作り出し、森の奥深くに佇む教会まで導いてくれる。この道を歩くと不思議に心が落ち着き、とても神秘的な雰囲気の中に入っていくように思える。頭上には小鳥のさえずり、そして自分を取り囲む石の道には静寂。進む1歩1歩に、神の領域へと進むような厳かな気持ちが芽生えさえもする。

石の教会

石の道で深い森をたどってたどり着いた「石の教会」
何枚もの石のアーチを重ねたように見えるとても特徴的なデザイン。それは原始的にも見える一方、とてもモダンなアートにも見える。

石の教会

石のアーチの間には絶妙な形のガラス窓が組み込まれている。このガラス窓は、教会内部に神秘的な光を取り入れる一方、夜の教会を内部からの光で幻想的に見せる。森の中に佇む石の不思議な建造物は、とても幻想的な雰囲気が漂う。

石の教会

見学者の入口はここ。教会の地下に当たる部分が入口になっている。この入口の前にはガラスの壁があり、深い緑と森の中の小路が写り込み、とても素敵な雰囲気だ。

石の教会内部は記念館と神聖さを感じる礼拝堂

内村鑑三記念堂

入口を入ると、そこは「内村鑑三記念堂」になっている。
内村鑑三は明治・大正時代に活躍したキリスト教者。自然は神の産物とした彼は、この軽井沢の地をこよなく愛したという。その彼の業績が教会の地下に展示されている。展示を見ているととても興味深かった。

石の教会内部

内村鑑三記念堂から石の壁に囲まれた階段を登る。まるでヨーロッパの古城にでも迷い込んだようだ。階段を上るととても厳かな雰囲気に包まれている。礼拝堂への入口。
「この先は撮影禁止となっております」
礼拝堂の入口にてそう牧師さんから注意を受ける。礼拝堂は神と対話する神域。カメラは鞄に仕舞い込み、ちょっと神聖な気持になってで礼拝堂の中に。
礼拝堂の中はとても幻想的な空間だった。先ほど外から見た石のアーチとガラス窓が幾層にも組み合わさった天井。それはまるで洞窟のようにも見え、その洞窟の天井からは光が降り注いでいる。
射し込む光が、、壁の上に植えられているシダやツタ、小木を色鮮やかに照らしている。そしてその石のあいだを水が絶えず流れ、気持ちの良い水音とさわやかな風を作り出す。
光と影が交錯し、水音だけが響き渡る石のアーチに囲まれた不思議な空間。それはもし天国というものがあれば、こんなところなのだろうかと思いたくもなる幻想的な場所。自然が神の産物だとする内村鑑三の思想がそのままここに形になったと言える。
人間の建造物と自然の要素が見事に交錯した空間では、まるで神の息吹すら聞こえてきそう。石に包まれた空間で踊る光と奏でられる水音は聞いているだけでとても不思議に優しい気持ちになる。自然が作り出した見事な讃美歌に、しばらく心を奪われその場を動くことができなかった。

石の教会

礼拝堂の見学を終えたら、正面入口より教会を後にする。
この教会は天地創造の五大要素とされる「石」「光」「緑」「水」「木」によって作り上げられている。確かに先ほどの礼拝堂はその要素のみで構成されていた。それだけに、この教会からは自然の神秘や美しさを感じられたのだろうか。
とにかく素晴らしい建築物だった。僕はキリスト教徒ではないが、結婚式を挙げるのなら絶対ここがいいと思った。だが時すでに遅し。もう僕は妻帯者だ。この教会でできたとしても、2回目の挙式は勘弁してほしい・・・

石の教会・内村鑑三記念堂

住所: 長野県北佐久郡軽井沢町星野
電話: 0267-45-2288
休み: 無休
営業時間: 9:00~18:00(挙式時以外は見学自由)
入場料: 無料

スタイリッシュながらも木の暖かみを感じる軽井沢高原教会

軽井沢高原教会

さて、石の教会を見学した後は、「軽井沢高原教会」へと向かう。車を停めた駐車場まで戻り、今度は駐車場の入口の方向へと向かう。
ホテルブレストンコートのエントランスの前を横切ると、深い森の小路に。石の教会から歩いて5分。その森の奥に軽井沢高原教会がある。

軽井沢高原教会

「軽井沢高原教会」は深い緑に囲まれた、先ほどとは違いとってもウッディな教会。この教会の建物は「星野遊学堂」という名が刻まれていた。
「星野遊学堂」は、軽井沢の自然とキリスト教の愛が多くの人の心の交流となればと願った内村鑑三の思いを受けつぎ、長い間この軽井沢の森の中にひっそりと佇んでいる。建物の横にある事務所のような建物では、ここで挙式をあげた人の写真がいっぱい飾られていた。そして、そのカップルの挙式の時のメッセージや再びここを訪れて残したメッセージが残されている。
スタッフに招き入れられ、多くの人の幸せを見せてもらった。写真の中の笑顔を見ていると、なんだかこちらまで幸せな気分になってくる。確かに「心の交流」の場という思想がここには息づいているなぁと感じた。
しばらくすると教会から新郎新婦が挙式を終えて出てきた。大勢の人の輪の外から、控え目にではあるが、知らない2人の門出を祝いたくなる。そんな優しい気持ちになる場所だった。

軽井沢高原教会

住所: 長野県北佐久郡軽井沢町星野
電話: 0267-45-3333
休み: 無休
営業時間: 9:00~18:00(日曜の礼拝は13:45~、挙式時以外は見学可能)
入場料: 無料

石の教会と軽井沢高原教会のアクセス

交通: 上信越自動車道 碓氷軽井沢ICより20分
上信越自動車道 小諸ICより25分
JR長野新幹線軽井沢駅から無料シャトルバスで15分
駐車場: 160台・無料(ホテルプレストンコートの駐車場を利用)

【投稿時最終訪問 2008年7月】

軽井沢の星野リゾートのホテル

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