弁天橋【相模湖・小仏城山】
高尾山から連なる小仏城山の西に広がる相模湖。その相模湖を塞き止める相模ダムから約500m下流に架かる吊り橋が「弁天橋」です。昭和61年に建設された橋長72mの歩行者専用の吊り橋で、町の中にあるとは思えないくらい自然溢れる風景が楽しめます。東海道自然歩道や小仏城山からの下山のバリエーションルートとしてハイキングで歩く人が多いルートです。今回は小仏城山からの下山で立ち寄りました。
弁天橋へ向かって気持ちよく谷を下る
牛鞍神社の横に弁天橋への遊歩道入口があります。地域の神社ですが、江戸時代の築と伝わる社殿に歴史を感じます。
遊歩道は山道ですが歩きやすく整備されています。初夏の頃に訪れると、アジサイの花がとてもきれいに咲いていました。
遊歩道の途中、木々の間から蛇行する相模川とそこに架かる弁天橋を見下ろすことができます。町の近くにある風景とは思えないほどとても自然豊かです。
途中、小さな橋が架かっています。ここは弁天橋ではありません。山から流れ出す沢を渡ります。
相模川へつながる沢には、清冽な山水が流れています。木漏れ日を受けて輝く透明な水はとても美しく思え、マイナスイオンを感じます。
弁天橋の手前にあるちょっとした見所
途中、山道が分岐しており、弁天橋の看板に従ってわき道に入っていきます。
途中にある作業小屋のような場所にはたくさんのネコがくつろいでいます。弁天橋猫の会という立て札もあり、ここでネコの世話をしているようです。ネコも人間に比較的慣れているので、ついついここで足が止まってしまいます。
ネコの誘惑を振り切って先に進むと、相模川が見えてきます。緑に包まれた川はとても美しく、ゆっくりとした淵のような流れです。この先には津久井ダムに堰き止められた津久井湖があるので、水の流れもゆっくりになっています。
橋の手前に階段があり、頭上に赤い鳥居が聳えているのが見えます。日本のいなかの夏を思わせる神秘的な雰囲気に誘われて、階段を登ります。
階段の上には弁天橋の由来となっている弁天堂が鎮座しています。小さなお社ですが、とてもきれいにされており、地元の方の手厚い信仰を感じられます。残念ながらここから弁天橋や相模川を望むことはできませんでしたので、参拝して元来た道へと戻ります。
弁天橋からの眺めは想像以上の美しさ
再び階段を戻るとすぐに弁天橋に出ます。緑に埋もれるように一直線に伸びた吊り橋はとても気持ちがよい眺めです。昭和61年に建設された橋長72m、幅員1.5mの人道橋で、かながわの橋100選に選ばれています。
弁天橋を歩き始めると、岸辺の緑がなくなり、広がった視界から川の上からの景色を一望することができます。しっかりとしたワイヤーと鉄製の橋体で吊り橋ですがあまり揺れないので安心して渡ることが出来ます。
弁天橋の途中から相模川の下流を見下ろします。緩やかな流れと緑に覆われた広い河原はとてものどかで自然あふれる風景に感じます。
変わって相模川上流を眺めます、弁天橋からわずか500m上流には相模ダムと相模湖があります。このカーブを曲がった場所に深い谷を塞ぐように聳える高さ58.4mの巨大ダムと発電所がすぐ近くにあるなんて信じられない風景。それどころか、近くには町もあるのに深い山奥のような手付かずの自然感を感じてしまう不思議な場所です。
相模川の流れを眺めかながら、弁天橋を渡り終わります。72mもの長さがありますが、美しい相模川の景色を楽しんでいるとあっという間です。
遂に長い吊り橋で相模川を渡り終わりました。最後は階段で橋から下ります。
相模川の河原から見上げる弁天橋
橋の上から気になっていた緑に覆われた河原に下りることができます。船を川に運ぶための丸太が並べて置かれているなど、人がこの河原を利用しているようですが、今は船も見当たりません。昭和末期に弁天橋が出来たことで終焉した昭和の暮らしが自然に戻りつつあるような場所に感じました。
人の手が入っていながらもとても原始的な河原の風景。どこか懐かしくも思う自然溢れる場所で、川の水と緑の香りがとても気持ちよく感じます。
河原からは先ほど渡ってきた弁天橋の全貌を見ることが出来ます。広く水をたっぷりと湛えた相模川を渡る橋の長さは72mもあり、なかなか立派で絵になる姿です。対岸は森の中に埋もれており、まるで不思議な世界への入口のように見えます。
弁天橋の下から見上げます。橋の高さははっきりとわかりませんが10m前後といったところでしょうか。なかなかの高さで、高いところが苦手な人は揺れにくいとはいえスリルもあります。
弁天橋から相模ダムに向ってウォーキング
橋から対岸の車道に戻る途中に公衆トイレがあります。弁天橋からJR相模湖駅まで徒歩25分ほどかかりますので、ありがたい存在です。
弁天橋から一般道に戻るには急な坂を一気に登ります。小仏城山から下山してきた登山者にとっては最後の難関となるでしょう。
弁天橋から坂を登りきると、津久井養護学校の横にでます。ここから歩いて相模湖駅へ向かいます。途中、相模ダムの上を渡って再び相模川の左岸に戻ります。高さ58.4mは先程の弁天橋とは比べものにならない高さを渡るのは爽快かつ絶景。美しい相模湖の風景を眺めながらダムを間近に感じられるウォーキングを楽しめます。
弁天橋
場所: 神奈川県相模原市緑区千木良1002
電話: 045-210-6406(神奈川県土整備局 道路部道路企画課)
営業時間: 24時間
休業日: なし
交通: JR相模湖駅より徒歩25分
料金: 無料
駐車場: なし
【投稿時最終訪問 2018年7月】