河口湖・西湖一周サイクリング

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富士山の北側、豊かな自然の中に点在する富士五湖。富士山の姿はもちろん、美しい湖や森を抜けるように起伏の少ないサイクリングを楽しむことができるスポットです。いくつもある富士五湖のサイクリングコースの中でも、美しい自然と様々な観光スポットが巡れると人気なのが河口湖と西湖の1週コース。約32kmのコースはかなりフラットで、本格的な登りは河口湖と西湖の間の約70mだけです。ロードバイクはもちろん、小径車でのポタリングも楽しめるバラエティーに富んだコースです。

JRと富士急で輪行も楽々な河口湖へのアクセス

河口湖駅輪行

河口湖へのアクセスは車が便利ですが、電車でも気軽に行けるところが魅力。富士急河口湖駅まで輪行すれば、東京からでも意外に早くたどり着けます。河口湖駅に着くとホームから富士山が美しく見えて、俄然やる気が出てきます。

富士急河口湖駅

今回は折り畳み式の小径車を持ってきました。変速機もないとにかく軽量で輪行に持って来いのモデルです。河口湖と西湖に間に少し坂がありますが、基本的に湖を周遊する間はほとんど坂がありません。河口湖・西湖は小径車でも変速機なしでも問題なく走れる大自然スポットのひとつです。

反時計回りで河口湖からサイクリングスタート

船津浜駐車場

河口湖駅から少し走り、湖畔にある船津浜の無料駐車場までやってきました。観光船乗り場があり、ホテルも多数軒を連ねる河口湖観光の拠点です。ここから反時計回りに河口湖、そして西湖を1周します。左側通行の反時計回りなら湖畔沿いに進むことが出来ます。

小曲展望広場

少しだけ走ると「小曲展望広場」があり、ここから河口湖の風景を一望できます。河口湖は富士五湖の中で2番目の大きさで、最も低い場所にあります。とはいえその標高は830mとかなり高い場所。夏場は涼しいサイクリングを楽しめるかと思いきや、やっぱり暑いです。

夏の河口湖

スタート付近は富士山を背にした山が隠していましたが、河口湖大橋に向かって湖畔を西に回り込んだあたりから富士山を目にします。が・・・富士山にどんどんと雲が集まってその姿を隠し始めました。かろうじてすそ野が見えているような状況です。それでも夏雲が浮かぶ青空を映す穏やかな湖面はとても気持ちよく感じます。

河口湖歩道

車道よりも湖よりに歩道が設けられており、湖をより身近に感じることが出来ます。あくまでも歩道なので歩行者に気をつけてゆっくりと行きます。スピードの出ない小さな小径車なので、こういった歩道をゆっくりのんびり行くほうが気持ちが良いです。

河口湖大橋

河口湖大橋が見えてきました。歩道もあり自転車でも渡れる橋ですが、これを渡るとスタートに戻ってしまいます。湖の上を走る爽快感を味わいたいですが、今日は寄り道せずそのまま湖畔を走り続けます。

魅力的なスポットが集まる河口湖北岸

河口湖湖北ビューライン

河口湖大橋を過ぎると、美術館が集まるエリアを走ります。美味しそうなお店も点在しており、ついつい足を止めて寄り道したくなります。

河口湖北岸ウォーキングトレイル

美術館が集まる河口湖北東部には「河口湖北岸ウォーキングトレイル」という湖沿いの遊歩道があります。幅が広いので自転車も富士山を見ながらゆっくりと走ることが出来ます。しかし残念ながら肝心の富士山は雲隠れしてしまいました・・・

大石公園

河口湖北岸の中ほどまで来ると「大石公園」があります。一面の花畑と河口湖、そして富士山を一望できる美しい風景が魅力で、美味しいフードも揃っています。訪れた7月はラベンダーが見頃。ここで少し休憩することにします。

湖北ビューラインサイクリング

大石公園で一息入れたのち、引き続き一路西に向かって進みます。しばらくは周遊道路である湖北ビューラインは湖から離れますが、河口湖の西部にさしかかると再び湖畔沿いに走り出します。

留守ヶ岩

走っていくと「留守ヶ岩」と看板がある大きな岩があります。富士山の絶景スポットのようですが、正面に富士山があるはずの富士山は雲で上部が全く見えません。

この「留守ヶ岩」はこの近くに住んでいたおるすという娘の悲しい伝説にまつわる場所です。対岸の村の若者と恋仲になったおるすは毎夜、この岩の上で火を灯して、タライ船に乗って若者が来るのも待っていたそうです。しかしある嵐の日も逢瀬を重ねようとしたため、おるすの灯す火が消えてしまい、目印を見失ってしまった若者は無念にもタライ船ごと荒れ狂う湖底に沈んでしまったそうです。その後姿を見せなくなった若者に悲観して、おるすはここから湖に身を投げてしまったそうです。一説にはおるすがタライ船に乗って若者の元に通っており、こんな嵐の日には来ないだろうと若者が灯を消してしまったため、目印を見失ったおるすが湖に沈んでしまったという話もあります。

河口湖留守ヶ岩

悲しい言い伝えのため、この場所を「留守ヶ岩」と呼ぶようになったそうです。富士山の噴火で流れ出した溶岩の一部だと思いますが、その美しい風景とは裏腹に悲しい言い伝えがここにはありました。

うの島

留守ヶ岩からは河口湖に浮かぶ「うの島」が見えます。河口湖に浮かぶ無人島で富士五湖で最大の島です。

留守ヶ岩浜

「留守ヶ岩」の西側には「留守ヶ岩浜」という浜辺があります。海辺とは違い、緑に覆われた浜は静かで美しく、自転車を置いてついつい誘われてしまいます。

河口湖留守ヶ岩浜

留守ヶ浜には小刻みに小波が押し寄せています。少し忙しない波の音を立てながら湖を渡る風は気持ちよく、夏のサイクリングで火照った身体を冷ましてくれる気持ちよさ。ついつい湖に飛び込みたくなる風景です。

河口湖

海と違い水に浸かるくらいの水際まで草木が張り出しています。富士山の裾野が湖の南側に広がっており、高原にある湖の雰囲気を色濃く感じ取れる風景です。

河口湖長崎山公園

留守ヶ浜を過ぎると長崎山公園があります。長崎山へと遊歩道や展望台が整備されていて、富士山と河口湖の美しい風景を望むことができます。遊歩道の入口にある湖畔も整備されていてとても気持ちよく過ごせます。

最大の難所、河口湖から西湖への登り坂

河口湖と西湖の間のトンネル

河口湖の北側を走り終われば、ここから西湖へと向かいます。河口湖より西湖の方が標高が70m高いため、坂道を登り、最後はトンネルで山をくぐります。今まで変速機なしでも余裕な平坦な道でしたが、この登りだけは変速機無しの小径車は押していくしかありません。トンネルの中に入ると、とても涼しくて気持ち良いです。

西湖交差点

トンネルを抜けるとすぐに西湖が見えてきます。トンネルを抜けてすぐの交差点が西湖一周の起点となります。

西湖

西湖が見えるとすぐに、「西湖湖畔キャンプ場」があり、湖畔に下りられるようになっています。美しい西湖の水と涼しさを求めて、湖畔に誘われます。西湖は富士山の噴火で堰き止められた湖で、富士五湖の中では4番目の大きさ。標高は902mで最大水深は70mを超える深さがあり、透明度は8mと本州の湖としてはかなりの美しさです。

西湖湖畔キャンプ場

あまりにも暑いので、愛車も入水です。自転車で気軽に水辺まで立ち寄れるのが西湖のいいところです。

豊かな自然と湖の美しさを満喫できる西湖北岸

西湖湖北ビューライン

西湖の北岸、湖北ビューラインを走ります。河口湖と打って変わって、民家やホテル、観光施設はほとんどありません。

西湖と青木ヶ原樹海

対岸の西湖の南岸には、富士の裾野が押し出されるように迫っていて、その上には青木ヶ原樹海が広がっています。まるで空の上に浮かぶ森と湖のような美しい風景にはついついペダルを漕ぐ足を止めて見とれてしまいます。

西湖

河口湖と違い、湖畔にはほとんど何もない西湖。自然豊かな風景の中でのサイクリングをしていてとても気持ち良く感じます。

西湖と青木ヶ原樹海

静かな湖面は音もなく穏やかで。西湖の西端は青木ケ原と湖のコラボした付近でも最も自然豊かで美しい風景です。

青木ヶ原樹海と西湖

西湖の南岸には富士山から流れ出した溶岩の跡がはっきりと見てとれます。その上には木々が根付き、青木ヶ原樹海の北端となっています。富士山という大自然が造り出した神秘的な光景です。

西湖の自然

湖畔まで迫る豊かな緑と澄んだエメラルドグリーンの湖が重なって紡ぎだす風景の美しさは格別です。

西湖の透明な水

見下ろすと底まで見えそうな西湖の透明度。エメラルドグリーン色の水はとても神秘的です。

西湖とヨット

透明で美しい色をした湖面の上をすべるヨット。美しい西湖ではマリンレジャーならぬレイクレジャーがとても楽しそうです。

西湖の富士山絶景スポット・美しい水辺の「根場浜」

西湖根場浜

西湖の西端にある「西湖根場浜」に到着しました。ここは西湖の富士山を望むビュースポット。本当は湖の向こうに富士山の雄大な姿を望むことが出来るのですが、残念ながら富士山は雲のヴェールに包まれていて、そこにある事すら気づかないほど。文字通りの雲隠れです。

目の前にある平らな森は青木ヶ原樹海。864年の富士山の噴火で流れ込んだ溶岩が西湖と精進湖を分断し、1000年以上の月日をかけて、深い樹海となりました。

西湖根場浜サイクリング

西湖の中に突き出した根場浜。それは湖の中まで続いています。行けるところまで自転車で進んでみたくなります。

西湖を泳ぐヒメマス

透明なエメラルドグリーンの湖の中には、ゆっくりと泳ぐヒメマスの魚影が見えます。西湖の神秘を感じる一幕です。

緑豊かでアウトドアが楽しい西湖南岸

青木ヶ原樹海サイクリング

西湖根場浜からは西湖の南岸へと入ります。途中西湖の湖岸から離れ、西湖に押し出してきている青木ヶ原樹海の中の道を走ります。河口湖・西湖の長いサイクリングコースの中でも唯一樹海の中を走り抜ける気持ちの良いエリアです。

青木ヶ原の洞窟

青木ヶ原の樹海の中を覗き込むと、所々に洞窟が口を開いています。富士山の噴火で流れ出してきた溶岩が木々巻き込んで固まり、木々が燃えた後に空洞となることで、このような洞窟ができたそうです。

西湖蝙蝠穴

途中、「西湖蝙蝠穴」があります。暑い中のサイクリング、洞窟の中に入ればかなり涼めるはずと思い立ち寄ったのですが、受付の方より衝撃のひとこと。今、林間学校に来ている女子高が見学しているので、とても時間がかかるのでどうしますかとのことでした。

・・・涼をとる、見学するといった本来の目的とは違う不埒な目的で洞窟の中に行きたいと思いましたが、その思惑を見透かされたくないのと、時間が本当に無いので残念ながら泣く泣く後にします。

西湖サイクリング

暑い中、ペダルをこぎながらやっぱり入っておけばよかったかと後ろ髪を引かれながらも先に進みます。そんな煩悩を流れていく爽やかな西湖の風景が打ち消してくれます。

西湖のキャンプ場

西湖津原キャンプ場、浜の家キャンプ場、西ノ海キャンプ場が集まる浜では多くのテントが並んでいます。広い浜辺でのキャンプはもちろん、美しい湖で泳いだり、ウインドサーファンをしたりと、湖畔のアウトドアレジャーはとても楽しそうです。

西湖のアウトドア

美しい湖にベースキャンプから漕ぎ出すアウトドアは憧れです。自転車で訪れて、湖畔にキャンプするのも絶対に楽しそうです。

西湖発電所取水口

もうすぐ西湖を一周しようかという場所に、西湖に浮かぶ施設があります。これは西湖発電所取水口で、西湖から河口湖に水を落として発電しているそうです。

西湖から河口湖へ下る

西湖を一周したら再びトンネルに入り、河口湖への坂を下っていきます。息はひいひい言って登った坂を帰りは快適に下り降りることができます。火照った体もここでヒートダウンです。

ラストスパートも人気スポットで足が止まる河口湖南岸

河口湖南岸サイクリング

河口湖まで戻れば、今度は南岸を走ります。北岸と違って広い路肩や遊歩道が少なく、湖の展望も少し遠くなるので走ることに集中します。とはいえ途中、「道の駅かつやま」「冨士御室浅間神社」などの見所もありますので、寄り道をしながら進みます。

河口湖精進場

冨士御室浅間神社の湖畔には河口湖精進場があります。日本武命が東征の帰路に立ち寄り、身を清めた場所ともいわれています。湖の中に浮かぶ溶岩でできた小島は不思議な雰囲気があります。

河口湖大橋

河口湖のシンボルのひとつ、河口湖大橋までついに戻ってきました。ゴールまであと少し。

河口湖畳岩

畳岩付近まで来ると、富士山から流れ出した溶岩の上にホテルが建ち並んでいるかのような不思議な光景が見られます。まるて広い日本庭園を持つようなホテルで、ここに泊まれば美しい風景の中で滞在が楽しめそうです。

河口湖サイクリングゴール

河口湖の中心まで来ると、町の中を走り、船津浜の駐車場に戻ってきました。ついにゴールです。リュックに余裕があれば、駐車場付近にお土産屋さんがいっぱいあるので、旅の思い出の美味しいものを買って再び河口湖駅に戻りましょう。

河口湖・西湖サイクリング

一周:32km
高低差:70m

【走行時期 2018年7月】

河口湖・西湖サイクリングに便利な温泉宿

立ち寄ったスポット

■大石公園
■西湖根場浜
■冨士御室浅間神社
■道の駅かつやま
■山岸旅館

山中湖サイクリング

山中湖一周 紅葉サイクリング

山中湖を小径車で一周するサイクリングコース。富士山駅を出発し、途中に忍野八海などの観光スポットも。10月末から11月中旬にかけてが紅葉の見頃。

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