生石公園・由良湾と由良要塞跡 【南淡路水仙ライン】

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淡路島と四国の間にある渦潮で有名な鳴門海峡。「道の駅うずしお」で鳴門海峡の絶景を楽しんだら、淡路島のドライブにでかけよう。走るのは淡路島の右下を反時計回りに洲本市へと向かう、県道76号線だ。

淡路島南東部は海沿いの気持ち良いドライブルート

南淡路水仙ライン

淡路島の南東部の海沿いを走る県道76号線は「南淡路水仙ライン」という愛称を持つ。山迫る海沿いを走るとても気持ちのいい道。
「水仙」という名前を冠しているのは、途中「灘黒岩水仙郷」や「立川水仙郷」といった、水仙の名所があるからだ。

南淡路水仙ライン

南淡路水仙ラインはセンターラインのない1.5車線の道が続く。とはいえ、道幅は2車線に近いので、スピードを落とせば難なくどこでも離合はできる。交通量もきわめて少なく、海と自然を感じながら走れる、淡路島の中でも屈指のドライブルート。行く先々、淡路島を1周しているであろうサイクリストにも多く出会う。平坦で海に近い道はサイクリングにはもってこいだろう。
そう思っていると、突然海から道は山を登り出した。道幅も少し狭まる。海岸線の走行から一転、一気に深い山の峠越え。ここは快走していたサイクリストも必死の形相でペダルを漕いでいる。
峠から下り、集落にさしかかってすぐ、「生石公園」(おいしこうえん)と書かれた看板があり、右への脇道がある。ここを脇道に進むと、深い森の中を細い道で登って行く。時々離合に困りそうな場所は何箇所かあるが、交通量はほとんどないので心配はない。

淡路橋立

道を登りつめると、小さな広場のある駐車場にたどり着く。ここが生石公園の展望台の駐車場。そこから海を見下ろすと、由良湾の素敵な風景が待っていた。
まるで「天橋立」を思わせるような、海の中に細い陸地が横たわっている。とても不思議な光景だ。

成ヶ島

横たわっているのは「成ヶ島」という島。細長い2.5kmほどの長さある無人島で、「淡路橋立」と呼ばれている。淡路島本島との間の距離はわずかで、島と島の間は天然の良港となっている。
成ヶ島には人工物はほとんどなく、ここから見ると港も見えず、とても自然豊かな由良湾の表情を楽しめる。島にはハマボウをはじめとする、貴重な植物が自生する自然が残っている。

かつては砲門がずらりと並んだ由良要塞跡

由良要塞

駐車場の横は芝生広場になっている。その一角に不思議なものが。近づいてみるとそれはオブジェではなく、本物の大砲だ。
これは旧陸軍のカノン砲。以前はここに「由良要塞」という要塞があったそうだ。明治時代につくられた要塞で、大阪湾に侵入する船への防御を担ったそうだ。
この山の上に5ヶ所の砲台、計30門。成ヶ島にも3ヶ所の砲台、計14門ものカノン砲が設置されていたそうだ。よく見ると、芝生広場の方々に、赤レンガの遺構が残っている。

由良要塞

展望台に向かう道の脇の森には、大きな要塞跡の遺構が残っている。要塞の内部は終戦後、進駐軍によって爆破されて埋められてしまったそうだ。森に還りつつある要塞だが、その巨大さは今でも感じることができる。最盛期はここに1000人もの兵が駐屯していたそうだ。
ただ、太平洋戦争時にはここには高射砲がなく、大阪へと飛んでくる爆撃機には何もすることができなかったとか・・・

平和な世の要塞跡は絶景スポット

生石公園展望台

先ほどの要塞遺構の上には展望台が作られている。そこからは紀伊水道の穏やかな風景が一望できる。平和の世、その役目を終えた要塞を礎に立つ展望台。その展望台では敵国の船を見張るのではなく、今は行きかう船を眺めるだけ。以前は緊張感漂う軍事施設は、今はとても平和な風景となっていた。
ここ生石公園は淡路島の梅の名所でもある。この展望台付近にも梅の木があり、海と梅を見下ろす素敵な風景がその季節には楽しめるだろう。
生石公園を下ったら洲本市まではもうすぐだ。しかし、先ほどの成ヶ島との間に挟まれた由良港は見どころ。ここには由良要塞に関連して造られた兵舎などと思われる、歴史ある建物が多く残っている。また、その美しい成ヶ島に囲まれた港はとても風光明媚。どこにもない、とても素敵で不思議な港町の風景がここにある。自然と歴史が調和した港町。時間があれば、ぜひこの由良の港も散歩してみたい。

生石公園付近の宿泊情報

生石公園付近での宿泊でオススメは「洲本温泉」です。淡路島の中心・洲本市の海沿い、マリーナや海水浴場があるエリアに温泉宿がずらりと並ぶリゾート地。海を望みながらの温泉や美味しい淡路島の海の幸をふんだんに使った料理が楽しめます。

生石公園

住所: 兵庫県洲本市由良2605-1 
電話: 0799-22-3321 (洲本市役所商工観光課)
交通: 神戸淡路鳴門自動車道・洲本ICより車で20km
休日: 無休
料金: 無料
時間: 24時間開放
駐車場: 30台  (無料)

【投稿時最終訪問 2018年1月】

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