湯釜【志賀高原・草津白根山】

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志賀高原を北から南へ、草津温泉に向かって国道292号線(志賀草津道)を走る。渋峠付近の「日本国道最高地点」(2172m)を通過すると、車窓から見える山容に変化が現れる。荒々しい、茶色い地面が露わになった荒涼とした斜面の山を巻くように走る。この山が「白根山」(2160m)
頂上に湯釜を持つ、現在も活動を続ける火山である。頂上付近は有毒ガスが発生しているため立ち入りは禁止だが、この「湯釜」には立ち寄ることができる。「湯釜」は志賀高原でも有数の観光スポットだ。

今も活動する火山に気軽に登れる草津白根山

草津白根山登山道

湯釜散策の起点となる「草津白根駐車場」は1回410円。500台駐車可能な大きさで、レストハウスなども完備されている。
見上げると、湯釜までの道が、なだらかに山肌を巻き込むように続いている。駐車場からは約15分、湯釜まで道をゆっくり登ることになる。

草津白根山

見上げる白根山の湯釜の外輪。わずかに残る緑も頂上に近づくほど薄れ、岩肌が露出していく。赤茶けた地面に転がる溶岩石。確かにここは火山であると感じられる様相をしている。

草津白根山登山道

白根山を巻くように、緩やかに登って行く道。道は簡易舗装されていて段差も少なく、とても歩きやすい。白根山は空に浮かぶ雲と同じ高さ。見下ろすと、下界の山肌は雲に飲み込まれようとしている。ここは雲が浮かぶ空の上。天空に浮かぶ火山大地だ。

草津白根山緊急避難所

湯釜直下に設けられた「緊急避難所」。コンクリート造りの頑丈な小さな小屋だ。熊本の阿蘇山にも同じようなものがあったが、万が一噴火した時に逃げ込むところのようだ。この白根山が今も活動を続ける火山であることを実感する。

草津白根駐車場

もうすぐ湯釜に到着する。振り返り見下ろすと、出発した「草津白根駐車場」が見える。何もない大自然の中に突然現れた大きな駐車場やレストハウスは、この周辺の散策の基地となっている。駐車場の後ろに見える三角形の山は逢ノ峰(2109.9m)
さらにその後方には百名山・草津白根山の最高峰「本白根山」(2171m)がそびえ、駐車場から登山道が続いている。

神秘的な色をした美くも恐ろしい湯釜

湯釜

湯釜に到着。その異様なまでの風景には圧倒される。一目でここが昔火山が噴火した跡であることは理解できる。その火山口には真っ白というのか、エメラルドグリーンというのか、とても不思議な色の水が湛えられている。
「湯釜」は標高2000mを超える山の上。空の上、雲の上に広がる不思議な色をした湖は、とても神秘的だ。湯釜の外周は立ち入りができず、柵で区切られた場所だけ自由に歩くことができる。今も火口付近の水辺からは蒸気が噴き出している。この白根山が、麓にある有名な草津温泉に豊かな湯をもたらしているという。なるほど、確かに草津温泉の湯と同じ色をしていると思った。

草津白根山湯釜

湯釜の湖の直径は300m、水深はなんと30mもあるそうだ。湖底からは今もガスが噴き出していて、冬でも凍ることのないこの湖水は強酸性。五寸釘を沈めれば、ものの1週間で溶けてしまうそうだ。とても神秘的な光景だが、そこは生き物は住めない死の世界だ。

美しい緑に囲まれた白根山付近の森や池

志賀高原弓池

駐車場に戻ったらちょっと立ち寄って頂きたいのがこの「弓池」。国道292号線をはさんで、駐車場と反対側にある。この池も、一見しただけで火山の噴火でできた火口湖だとすぐにわかる。周囲には木道も整備されていて20分ほどで1周できる。こちらは火山活動は終焉しているようで、周囲には緑があふれ、美しい自然をゆっくりと観察できる。

白根山付近には火山が噴火した跡の地形や、今も続く火山活動の様子を多く見ることができる。時間があればこの付近をゆっくりと散策・トレッキングしてみるのも楽しそうだ。

草津温泉のオススメホテル

草津白根山・湯釜

住所: 群馬県吾妻郡草津町草津白根国有林内白根山
電話: 0279-88-7188
期間: 4月中旬~11月中旬
料金: 無料
時間: 登山道解放 9~17時
交通: 上信越自動車道中野ICより約1時間30分

駐車場: 500台(410円)

※火山活動状況により入山規制があります

【投稿時最終訪問 2008年7月】

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