道の駅第九の里とばんどうの鐘

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年末の風物詩ともいえる「第九」が初めて日本で演奏されたのは徳島県。お遍路のスタート地点である霊山寺の近く第一次世界大戦時のドイツ兵捕虜を収容した「旧板東俘虜収容所」で大正7年に日本で初めて演奏されたと伝わっています。当時のドイツとの交流を今も伝える場所が「道の駅第九の里」と「ばんどうの鐘」です。

板東捕虜収容所の歴史が残る「道の駅第九の里」

道の駅第九の里

お遍路のスタート地点、霊山寺の近くにある「道の駅第九の里」。日本ではじめてベートーベンの交響曲第九が演奏された「旧板東俘虜収容所」があったということから名づけられました。霊山寺がある幹線道路の県道12号線から少し山に入った場所にあるので、わざわざ立ち寄らないといけない道の駅です。「鳴門市ドイツ館」の付帯施設として道の駅があるといった感じです。

道の駅の施設としては物産館のみですが、この物産館が実はすごいのです。道の駅の近くにあった国登録有形文化財、「旧板東俘虜収容所」の建物を移築したもので、その歴史を感じることが出来ます。あまりアピールしていないのがもったいないくらいです。物産館では地元の名物や土産を購入することができ、軽食コーナーではドイツにちなんだ美味しいものもいただけます。

鳴門市ドイツ館

道の駅の近くには「板東俘虜収容所」がありました。第一次世界大戦時のドイツ兵捕虜の収容所で、世界でも人道的で模範的な収容所だったそうです。まるでヨーロッパの宮殿のような「鳴門市ドイツ館」では収容所のドイツ兵と、地域住民との交流の様子や当時の貴重な資料が数多く展示されています。また、アジアで初めてベートーヴェンの交響曲第九番(第九)が演奏されたのが板東俘虜収容所で、その時の様子を映像と等身大の動く人形で紹介する展示も人気です。入館料は大人400円、小中学生100円ですが、ミュージアムショップは入館無料で、ドイツのお菓子や雑貨を購入することができます。

道の駅第九のベートーベン像

ドイツ館前の広場にはベートーベンの像がたっています。その前に立つと頭の中に第九のメロディが聞こえてきそうです。それだけ日本人にも親しまれているメロディが初めて奏でられた場所がここなのです。

ベートベン像と鳴門市ドイツ館

ドイツ館に向かって激しくタクトを振るうベートーベンの後ろ姿がとても絵になっています。

徳島とドイツの平和の象徴「ばんどうの鐘」

ばんどうの鐘

道の駅の頭上にそびえる標高120mの丸山よ頂上には「ばんどうの鐘」が建っています。日独友好と恒久平和を願い、昭和58年に建設されました。

ばんどうの鐘への登山口

先程のベートーベンの像の後ろからばんどうの鐘に向かう道があります。鐘のある頂上まで691段の階段が続く山道です。頑張って登りましょう。

ばんどうの鐘への登山道

森の中を階段と山道で登って行きます。深い森に包まれた道には瑞々しい木々の香りを感じながらの森林浴を楽しめます。道も整備されているので、スニーカー程度の靴があれば安心して歩くことが出来ます。ゆるやかな坂と階段を登ると20分ほどで鐘のある頂上にたどり着けます。

ばんどうの鐘

ばんどうの鐘は、日独友好と恒久平和のシンボルとして丸山山頂に建てられました。鐘は高さ12.6mの塔の頂上の鐘楼に設置されています。ばんどうの鐘はドイツ商工会によりドイツで製造され鳴門市に寄付されました。朝夕6時と正午の1日3回、友好の鐘の音を、かつては第九が鳴り響いたこの地に美しく鳴り響かせます。

ばんどうの鐘の階段

塔の中には入ることができ、螺旋階段で上階へ登れるようになっています。

ばんどうの鐘頂上

が、頂上には残念ながら入れないようになっています。観光というよりメンテナンス用の階段のようです。

ばんどうの鐘内部

頂上や階段の途中に窓はありますが、小さくて汚れもあるため展望を望むことができません。

ばんどうの鐘

改めて塔の外に出ます。展望台というよりは付近のシンボルといえます。

ばんどうの鐘からの展望

塔の中からは景色を望むことができませんでしたが、頂上にある塔の入口からは素晴らしい展望があります。吉野川沿いに開けた徳島平野と天気が良ければ紀伊水道までを一望できます。どこから見ても眉毛の形に見える徳島市のシンボルである眉山もバッチリその姿を眺めることが出来ます。ここまで頑張って登った甲斐を感じる素晴らしい展望です。

道の駅第九の里

場所: 鳴門市大麻町桧字東山田53
電話: 088-689-1119
施設: 売店、軽食コーナー、ドイツ館、賀川豊彦記念館
営業時間: 9:00~17:00(軽食コーナーは9:30~16:30)
休館日: 第4月曜日(祝日の場合は翌日)、12/28~12/31
駐車場: 105台
アクセス: 高松自動車道・板野ICより約10分

【投稿時最終訪問 2020年5月】

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