伊予鉄道・梅津寺駅 【東京ラブストーリーのロケ地】

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愛媛には海の似合う駅が2つある。ひとつはJR予讃線の「下灘駅」
「日本一海に近い駅」というキャッチフレーズがあり、多くの映画やドラマのロケで使われている。
もうひとつの駅は、私鉄。こちらは有名ドラマのロケ地として知られていて、立地的には「下灘駅」よりもずっと海に近い。それが伊予鉄道高橋線の「梅津寺(ばいしんじ)駅」である。

海のすぐ横にあるロケーション抜群の駅

梅津寺駅は海のすぐそばにある。少しわかりにくいが砂浜の右側から中央に伸びていく堤防すぐ脇に線路が走っている。
駅はその堤防と海がちょうど交差する所にある。本当に、駅のすぐ下が海になっているのだ。この点、海と駅の間に国道が走る「下灘駅」よりもずっと海に近い。実際、悪天候で高潮などが発生すると、海側のホームは閉鎖し、残りの1つのホームで上下線の発着をすることもあるそうだ。
写真中央に見える遊園地は「梅津寺パーク」。愛媛では唯一の遊園地だったが、残念ながらすでに閉園となっている。45年の歴史を誇った遊園地で、松山市民にはとてもなじみ深い場所だそうだが、老朽化と遊園地経営の難しさには勝てなかったようだ。梅津寺の名前の通り、ここは梅の名所でもあり、梅園と広場として跡地は存続している。

梅津寺駅のホーム。オレンジがトレードマークの伊予鉄道の電車が行き交う。この高浜線は日本で2番目に古い私鉄の歴史を持つ伊予鉄道でも最も早く開かれた路線で、同鉄道のメイン路線である。
明治時代に東京からの船を降りてこの路線に乗った夏目漱石が、著書の「坊ちゃん」でその様子を描いていることでも有名だ。そのため、この高浜線の沿線の駅はとても歴史があり、駅舎を見ているだけでもレトロな気分に浸れる鉄道旅が楽しめる。
そしてふと目に入るのが、駅の端にいっぱい結びつけられたハンカチ。これはもしかして・・・

平成の名作ドラマの名シーンのロケ駅

駅の一角には、ここが東京ラブストーリーのロケ地になったことを示す看板が。東京ラブストーリーは平成3年、フジテレビで放送された人気ドラマ。いわゆる「月9」で、カンチ(織田裕二)とリカ(鈴木保奈美)主演。この駅は、最終回、リカが目印のハンカチを結んだ場所。それ以来、20年近くたつ今も、リカにちなんでハンカチを結びに訪れる人は絶えないそうだ。
瀬戸内海の穏やかな海風になびくハンカチ。時間の流れにに飲み込まれて消えていく遊園地を前に、時間がたっても色あせない名作の名残が、どこか誇らしげに見える。名作のシーンを懐かしむ一方、どこか世の中の縮図を見せつけられたような気もした、そんな美しい海辺の風景だった。

梅津寺駅すぐ近くの宿

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