道の駅八幡浜みなっと【海鮮と石窯焼きレストラン】

愛媛県八幡浜市。四国でも有数の水揚げ量を誇る漁業の町であり、海に面した急峻な斜面は県内におけるみかんの一大生産地のひとつ。九州と四国を結ぶ航路の玄関口であり、別府や臼杵へ八幡浜からフェリーが就航している。瀬戸大橋などで四国が陸続きになってから、玄関口という意味合いは薄れ、少し前は随分と寂れた感じがした町だった。しかし、現在は「八幡浜ちゃんぽん」など、町を挙げて様々な町おこしに取り組んでいる。そしてこのたび、待望の道の駅が八幡浜港に出現。さっそくできたての道の駅に訪れてみた。

新しく作られた道の駅は快適な施設

道の駅八幡浜みなっとの全景。とても広い駐車場だが、駐車待ちが発生するくらい込み合っている。すごい人気だ。さらには駐車場の区画はとても広く、隣の車とドアが絶対当たりそうにないくらいの間隔が取れる。トイレも広くてとても洒落ていて快適。既存の施設が道の駅になったのではなく、まったく新しく作った施設なので、何もかもが最新で使いやすい。

迫る海と山の港町の風景が楽しめる芝生広場

海辺には広いウッドデッキと芝生広場がある。天気が良ければ、道の駅で買った美味しいものを、ここで頂くのも良さそうだ。海の向こうには急峻な山が幾重にも連なり、段々畑が身を寄せ合っている。愛媛といえばみかんだが、そんな愛媛のみかん畑の風景がここに広がっている。

すぐ横には九州に向かうフェリーが停泊し、自動車を乗船させている。この道の駅は、八幡浜のフェリーターミナルのすぐ横だ。フェリーに乗る前の買い物や食事にとても便利。広場には名物のかまぼこ板で作られたオブジェもあり、散策にはとても気持ちが良い場所だ。

新鮮な海の幸が安い！「どーや市場」

道の駅には「どーや市場」という、一般消費者向けの海鮮市場がある。このどーや市場だけは、比較的新しいとはいえ既存の施設。トロ箱で新鮮な魚を安く買えることで人気だ。

土曜日は休みとホームページにはあった。しかし、観光客が集まる土曜日に店を閉めるのは・・・という一部の鮮魚店はしっかりと営業している。トロ箱の中には大きな魚に巨大なイカ。サメにカブトエビまで売られている。どれも安いとは思うが、どうやって調理するのかわからないものまでいっぱいで、見ているだけでも楽しい。お店の人も子供にカブトエビが泳ぐ所を見せてあげるよと、売り物なのにツンツン突っついて泳がせてくれた。

八幡浜の名物といえば「じゃこ天」はらんぼなどの地魚をすり身にして形を整え、油で揚げた練り物。小骨のしゃりしゃり感としっかりした歯ごたえで人気。愛媛では酒のつまみとしてはもちろん、おでんやうどんにも入れられることが多い。市場の中では流れ作業で次々にじゃこ天を製造している。じゃこ天はおでんやおつまみなど、やや大人の食べ物という感がある。そんなじゃこ天を子どもにも食べやすくしたのが「じゃこカツ」じゃこ天のすり身を素揚げではなく、衣をつけてあげている。すり身に小骨は入っておらず、味も濃く調整されている。サックサク、アツアツの衣に包まれたじゃこカツはとても美味しく、これは子供に人気だ。

石窯で焼き上げる料理が人気のレストラン

ランチを頂いたのは、道の駅のカフェ「シュシュ」ケーキやパスタなどはもちろん、石窯で焼き上げたハンバーグまでいただける。ウッディな落ち着いた店内にソファー席。子ども用のイスもある。とても道の駅の中の飲食店とは思えない雰囲気だ。船旅をすれば、乗船前に時間ができてしまう事もある。そんな時はこの場所で、ゆっくり優雅な時間を過ごしたい。

カフェの隣にあるベーカリーにはにはなんと「石窯」がある。本当に薪をくべて焼かれており、店内には薪が焼ける薫りが心地よく漂っている。この石窯ではベーカリーのパンだけでなく、カフェで供される「石窯焼きハンバーグ」やフードコートの「ピザ」も焼いている。特にピザは人気で、この日はすでに売切れていた。

ゆったりとしたソファー席。ウッディな壁に、ピクチャーレールには絵画がいくつもかけられている。座り心地も良く、落ち着いた時間を過ごせる。

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まずオーダーしたのは「ナポリタン」(800円)昔ながらの洋食パスタで、味付けは確かにいつか食べたあの味。懐かしく思える。だが、麺の食感は懐かしくなく斬新。麺はとっても太く、モチモチしていて食べごたえ満点。おそらく、八幡浜名物の「八幡浜ちゃんぽん」の麺そのものか、それを意識したパスタを使っているのだろう。これは懐かしさの中に斬新さが潜む、なかなかの一品だった。

やはりこのカフェで食べたいのは「石焼きチーズハンバーグ」(1200円)先ほどの石窯でじっくり焼き上げたハンバーグはとっても香ばしく味わい深い。そして何より、ハンバーグが浸っているソースが美味しく、絶品。まさか魚の町八幡浜で、こんなに美味しい肉料理が食べられるとは。しかも石窯焼。薪の薫りただよう落ち着いた場所での食事は、至極の時間だった。