愛媛・小田深山渓谷【紅葉の見頃は11月初旬】

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全国で紅葉の便りが聞かれはじめる11月初旬。温暖な愛媛でも、山深い場所でも紅葉は始まっている。そんな一足早い紅葉を求めて、険しい四国山脈の深い渓谷へと車を向かわせる。松山市から車で約2時間。向かったのは愛媛でも紅葉の名所として名高い小田深山渓谷だ。
深まりつつ秋を楽しみながらのドライブを兼ねた今回の紅葉散策。同じルートを通らないよう、愛媛県の砥部町からループを描くようにドライブルートを決定した。
まず往路は、国道33号線から国道379号線に入る。砥部町から峠を越える道に一部1~1.5車線の道がまだ拡張工事を待っているが、その他は全線快適2車線だ。途中、特産物販売所と清流沿いの公園を設備する「道の駅ひろた」で休息し、国道380号線に合流する。
380号線はしばらく集落の中を走る細い道だが、しばらくすると2車線の快走路と合流する。道の駅「小田の里せせらぎ」を過ぎたあたり、県道52号線を「小田深山」の看板を目印に右折する。しばらくは里山の中を走る2車線の道だが、集落の中を右折すると道は1~1.5車線になる。そして、急な坂道を何度も何度もカーブを繰り返して登っていく。
やがて獅子越峠に到着。ここからの眺めはなかなか良い。獅子越峠からの道は2車線に戻る。ここにはSOL-FAオダスキーゲレンデというスキー場がある。四国最長のゲレンデのオープンまであと1か月足らず。ゲレンデでリフトの取り付けや試運転作業が忙しそうだ。

小田深山渓谷までのドライブも紅葉がとても気持ちいい

小田深山渓谷への道

スキー場を過ぎると、再び道は1車線の細い道になり、川沿いを走っていく。このあたりから、小田深山渓谷に向かう車が増えてくるので注意したい。
しかし、スキー場から小田深山渓谷に向かうこの道はとても美しい。紅葉に彩られた森がトンネルのようにずっと道を囲んでいる。車が通り過ぎるたびに落ち葉が舞い上がる。今回のドライブのメインスポットと言ってもいい。

小田深山渓谷

気持ちいい紅葉に包まれた道が川につきあたり、T字路に突き当ると、そこが小田深山渓谷だ。
道を右へ進み、川沿いの道を進む。紅葉のピークの週末はこの周辺はとても渋滞する。しばらく進むと、左の河原へ降りるような引き込みがある。ここを降りると、100台ほど停められそうな駐車場があり、トイレもある。
車から降り、山を見上げると、紅葉がとても気持ちいい。周囲すべて、紅葉に囲まれた美しい場所だ。ここに車を置き、ゆっくりと散策を開始する。周囲には約1.5kmの遊歩道が整備されている。まずは車道を歩き、お弁当を食べるのに適している河原へと向かう。

紅葉が彩る小田深山渓谷の散策は美しく幻想的

小田深山渓谷

車道も一面の紅葉に覆われていて、歩くのがとても楽しい。川を見下ろすと、そこには透き通った美しい流れが。
途中、小田深山キャンプ場を通り過ぎる。紅葉に覆われた芝生広場で、かまどと炊事場(屋根なし)があり、料金はひとり200円。ここでのキャンプも楽しそうだ。
キャンプ場を過ぎると、売店・食堂がある「深山荘」という宿泊施設につく。ここの駐車場にはきれいな水洗トイレが完備されているので、女性の利用には心強い。

小田深山渓谷

深山荘の前には小さな橋が架かる河原がある。小田深山渓谷を代表する美しい風景だ。
輝く紅葉に包まれた谷を煌く清流が流れていく。開けた谷間に差し込む光と、そこを吹き抜ける風にも紅葉の色が混じり、とても気持ちいい。ここの河原でレジャーシートを広げ、お弁当にする。今日はサーモスに入れてきた熱湯で熱いコーヒーのおまけ付き。紅葉を見ながらのランチは最高だ。

小田深山渓谷の紅葉

弁当を食べながら見上げると、そこには紅葉と青空。そしてせせらぎのBGMと川面が反射する眩しい光。とても穏やかな昼時だ。
美しい川の中にはアマゴだろうか?ヤマメだろうか?魚が気持ちよさそうに泳いでいる。

小田深山渓谷の紅葉

川の淵には落ち葉が漂う。まるで美しい万華鏡のようだ。
美しい水の中に落ち葉は沈み、新たに落ちてきた葉が水面に浮かぶ。幾重にも重なる秋の彩りが、深い美を作り出していた。

紅葉の小田深山渓谷

河原にかかる橋。橋の上にはモミジの落葉が降り積もり、とてもいい雰囲気になっている。
ここから川の左岸、車道の対岸に設けられた遊歩道を紅葉を愛でながら歩く。下流に行くと「藤見河原」というところがあるそうだが、ここから上流へと向かう。

巨石と紅葉が溢れる飽きない秋の渓谷散策

秋の小田深山渓谷

清流の流れと、それを包む紅葉を眺めながらの散策はとても気持ちよい。途中、「腰のばし岩」という、遊歩道の真上に突き出した岩があり、そこから水しぶきが降り注いでいる。逆光で岩の下から渓谷を撮ると、水の軌跡がきれいに映ってくれる。露出マイナスで、少しシャッタースピードを遅めに撮ると面白く写る。

小田深山渓谷の紅葉

遊歩道の頭上は常にと言っていいくらい、いっぱいの紅葉に覆われている。そして、その紅葉を覆い尽くす秋の青空。眩しい光を地上に突き刺し、紅葉の森を赤に黄色に燃え上がらせる。

紅葉の小田深山渓谷散策

「廻り岩」と呼ばれる大きな岩(写真左奥)が対岸にある。この岩はこの川が大荒れしたとき、1回転してこの場所に落ち着いたと伝えられている。
ここに木で組んだ橋が架けられている。高さ約5mの細い橋、しかも欄干が無く、片方にワイヤーの手すりが通されているだけだ。なかなかスリリングな橋渡りが楽しめる。
遊歩道はこの先、車を停めた駐車場の対岸を通り過ぎ、もう少し上流で吊り橋を渡って車道に合流するまで続いている。しかし、今日は所用があるので、ここで散策は打ち切りだ。この橋を渡り、廻り岩の周りをまわって、車道へと出る。
車道でもと来た道を戻り、駐車場へ到着。名残惜しいが、紅葉に染められた小田深山渓谷を後にする。
帰路はそのまま県道52号線を南へ進み、国道440号線を目指す。小田深山渓谷沿いの道は美しい紅葉の中を走り、とても気分爽快。しかし、小田深山渓谷に流れ込む支流を橋で渡ってからは風景は一変。深く暗い人工林に覆われた細い1車線の道を行く。ガードレールがあり、道はきちんと整備されているしかし非常に曲がりくねっていて、ブラインドカーブが連続する。小田深山に高知方面から登ってくる車もあり、離合・対面には特に注意したい。
松山方面から小田深山にアプローチするなら、往路のスキー場を越える道の方が断然にお勧めだ。しかし、県道も民家が点在するエリア(川の右岸から左岸に橋で渡った頃)に入ると、ところどころは走りやすい道になる。そして、国道440号線に合流すれば、一部狭路は残るものの新しいトンネルでつながれた道は快適そのもの。あとは国道33号線に合流すれば、天下の2桁国道。四国の動脈に乗って、心臓部である松山へと戻るドライブを楽しむだけだ。

小田深山渓谷地図

■小田深山渓谷で宿泊できる唯一の宿

小田深山渓谷

場所 愛媛県喜多郡内子町小田深山
電話 0892-52-2384(深山荘)
料金 キャンプ大人200円、子供100円(小学生以下)
駐車場あり 大駐車場(無料:約100台)
        深山荘駐車場(約15台)
交通 松山自動車道松山ICより国道33・379・380号線を経由、車で2時間強
見頃 10月末~11月上旬

【投稿時最終訪問 2007年11月】

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