摩耶山リュックサックマーケット@掬星台
長崎、函館とならび、日本三大夜景に数えられる神戸。その神戸の夜景を眺められるのが、六甲山系の摩耶山直下の「掬星台」だ。標高700mに位置した広場で、麻耶ロープウェイの終着駅になっており、車でもアクセスできるため、登山客以外でも観光客でにぎわう。今、掬星台は夜景以外にとあるイベントが人気だ。それが「摩耶山リュックサックマーケット」。リュックに売りたいものを詰めて訪れれば、誰でも申し込み無く、自由に無料で出店できるフリーマーケットで、毎年3月から11月の第三土曜日に開催されている。自力で下界から荷物を持って登ってくる人。ロープウェイなど交通機関を利用する人。マイカーで近くの駐車場までやってくる人。リュックひとつだけの荷物から、キャリアーを引いてくる人まで。この日の掬星台はとてもにぎわう。今回はマイカーで近くの駐車場まで行き、リュックに荷物を詰め、5歳の娘を連れて掬星台に向かった。年内最後、11月のリュックサックマーケットだ。
車で気軽に行ける摩耶山掬星台
掬星台の駐車場となるのが、掬星台(天上寺前)駐車場。約80台駐車可能で、1回500円。自動式のゲートなので、夜間も利用が可能。
駐車場からすぐのところにある天上寺。標高700mの山の上にあり、インドの高僧が646年に開いたとされる山寺。釈迦聖母である摩耶夫人を本尊とする日本唯一の寺で、それが摩耶山の名前の由来になっている。
駐車場から掬星台までは徒歩約10分。舗装道路を歩くが、この先にあるオーベルジュ「オテル・ド・摩耶」を利用しない限り、ここから先は車で進めない。夜景を見に行く時は街灯など少なそうなので、懐中電灯などの灯りがあった方がよい。
摩耶ロッジ前のバス停。ここから舗装された細い道路を登り、掬星台へと向かう。掬星台まで施設管理用に車は走れるようになっているが、厳重にバリケードかつ警備員で一般車の侵入を拒んでいる。ただし、徒歩なら問題なくバリケードは素通りできる。
掬星台へ向かう途中には遊具がある。アスレチックによくあるターザンのようにぶら下がって滑空するものが道端の広場にある。遊具はそれだけだが無料で遊べる。
掬星台の入口階段にはトイレがある。道はまだ先まで続いており、遠回りになるが掬星台まで続いている。キャリアーで駐車場から荷物を運ぶことも可能。
山頂とは思えない広くて充実した摩耶山菊掬台
掬星台に到着。標高700mの山の上とは思えないくらいの広さ。グランドを思わせるような広場が広がっている。広場には自販機がある。ロープウェイの発着場である「星の駅」には小さなセルフカフェとバーベキューテラス(土日祝のみ営業・要予約)がある。小規模な営業で売店は無いので、ここでゆっくり過ごすには弁当などを持参した方が良い。
広場にはトイレや大きな東屋がある。ゆっくり昼食をとったり、天候が急転した時でも安心できる。なお、六甲山にはハイカー用のゴミ箱がいたるところに用意されている。この掬星台にもあるので、ポイ捨てはせず、ありがたく利用させてもらおう。
掬星台の広場では、多くの人がフリーマーケットを出店している。本当にリュックひとつに詰めてきた少数精鋭で勝負をかけている人。おそらく他のフリマに何度も出店しているような手慣れた人。出店料や手続きが不要なだけあって、気軽に様々な人がフリマを楽しんでいる。お客さんも普段のフリマとは違う。色鮮やかなアウトドアウェアに身を包んだ登山者が半分以上。あとは子連れで遊びに来た人など。平地でのフリマに時々妻は出店しているが、ここではBe-Palなどのアウトドア雑誌やアウトドアグッズがやはりよく売れた。しかも値切られることが少ないと妻もほくほく顔。子供用の衣服、おもちゃなどの売れ行きも上々のようだ。とはいえ、普段のフリマと違い、手で運べる荷物1往復分のみ。売り上げは駐車場代(500円)プラスアルファ程度。それでも駐車場代やお弁当を売上で捻出して、秋晴れの心地よい時間を過ごせた。
眼下には神戸や大阪の風景。紅葉に包まれた空の上で開催されるフリマは気持ちが良い。普通のフリマとは違い、リュックサックマーケットは売る事、買うことだけが目的ではない。ギターを担いで登って来て、ここで歌う人。テントを広げてくつろぐ人。まさに、アウトドア好き同士が交流する場所になっており、おなじみさんが久々の再会を楽しんでいる。
一工夫された新鋭の美味しいものがそろう飲食ブース
さて、摩耶山のリュックサックマーケットの中でも販売に気合が入っている店の種類がある。それは飲食物を販売する出店。飲食販売のみ事前の申し込みと販売にあたっての制約が課せられる。自分の店を持とうと志す人が、ここで腕試しをよく行っているそうだ。実際、飲食物はとても良く売れる。特にホットワインは晩秋の冷え込みの中、ハイカーには大人気。飲食店も山頂にはないので、料理はよく売れており、僕もいくつか楽しんだ。
まず「豚骨カレー」おそらく豚骨を一緒に煮込んだと思われるが、残念ながら僕にはスパイシーで濃厚なカレーの味の中から豚骨の風味を感じとることはできなかった。焼きたてのナンをライス代わりにつけてくれるのは良かった。
炭火で、じっくりと焼かれたチキン。ただ焼いただけでなく、焼きの途中にひっくり返したりカットをしたりと手間暇かけている。外はカリカリ、中は柔らかく肉汁があるれるくらいジューシー。炭火の香ばしさもしっかりと薫り、とっても美味しかった。
昼間の神戸のパノラマも美しい菊掬台の絶景
掬星台からの展望。夜景の名所だが、昼間の展望も群を抜いて良い。神戸はもちろん、大阪の町並みや遠く関西国際空港まで一望できる。
摩耶ロープウェイの「星の駅」。バーベキューテラスと小さなカフェがある。下界からケーブルとロープウェイを乗り継いで一気にこの摩耶山山頂まで登ってこれる。摩耶山山頂付近にもトレッキングルートが整備されており、手軽に稜線付近まで出てこの絶景を見下ろしながらの山歩きが楽しめるため、ハイカーに人気だ。
写真の真ん中にある人工島はポートアイランド。さらにその奥にあるもう少し小さな人口島が神戸空港だ。港町のすぐ頭上にそびえる山の上から見下ろす風景。いかにも神戸らしい見事な眺めだ。
掬星台から東側の眺め。神戸市の灘区から芦屋市、西宮市、尼崎市と大阪へ続いていく。
神戸の中心、三宮やハーバーランドも足元に眺められる。海辺に立つ、赤いタワーがポートタワー。
六甲アイランド。有名企業の工場や本社が軒を連ねる工業地帯だ。高層ビルも建ち並ぶ大都会と海を間近に見下ろす景色はとても気持ちが良い。
掬星台にはいくつかの展望デッキがある。いずれのデッキからも神戸・大阪湾の眺めが最高。夜には闇の中に続く美しい光の夜景になる。
一足早く楽しめる摩耶山の紅葉
掬星台からの帰路。すっかり日は傾き、真横から射し込む光に紅葉の森はさらに美しく鮮やかさを増す。
付近は紅葉がとても美しい。11月の初旬から中頃が、摩耶山付近の紅葉の見頃のようだ。紅葉と絶景に囲まれ、楽しいアウトドアイベントだった11月のリュックサックマーケット。また来年、今度は桜の花を楽しみながら、春のマーケットを楽しんでみたい。
■夜景を見下ろしながら宿泊できる掬星台の宿
【有馬温泉の宿一覧】掬星台
場所: 兵庫県神戸市灘区摩耶山町2-2
電話: 078-861-2998
料金: 無料
駐車場: 普通車80台(1回500円)
アクセス: (公共交通機関)摩耶ロープウェイ星の駅下車すぐ
(マイカー)奥摩耶ドライブウェイ 天上寺前駐車場より徒歩10分
【投稿時最終訪問 2014年11月】