旅館たにぐち 【奥飛騨温郷・源泉掛け流し貸切露天風呂のお値打ち宿】
日本屈指の湯量を誇る温泉地が集まる奥飛騨温泉郷。平湯温泉や新穂高温泉など、北アルプス唯一の活火山である焼岳の麓には数多くの温泉が集まっている。
車で国道を走っていると、いたるところに宿があり、湯煙があがっている。そして、色とりどりの浴衣を着た人々が下駄で歩く、情緒ある場所だ。
それだけに周辺の宿は競争が激しく、宿のレベルも高いところが多い。小規模な民宿だと源泉掛け流しの湯を貸切で入れる宿も多い。
そんな多くの宿の中、貸切温泉と飛騨路の美味しい食事をリーズナブルに頂けると人気の宿が｢旅館たにぐち｣だ。
旅館たにぐちは新穂高温泉の最も南に位置する場所にあり、新穂高ロープウェイにも車で15分。北アルプス登山の基地にもなる、絶好の場所にある。
宿の外観はかなり小さい。旅館ではあるが、その規模はほぼ民宿だ。
シンプルながらもゆっくりとできる和室
部屋は10畳の和室で、トイレ・バス・洗面所はなし。テレビと金庫、ヒーターの設備がある。新しくは無いが、とても清潔だった。
部屋の窓からは北アルプスの山々を源流とする高原川が見える。広い河原に流れる清流を望めるが、息を飲むほどの絶景ではない。それでも美しい川が近くを流れているだけで、とても気持ちよい雰囲気を感じられる。
洗面所は廊下にあり、家庭用の洗面台が3台。水はアルプスの天然水だろうか。水道水はとても冷たくてそのままおいしく飲めた。トイレは男女共同だが、ウォッシュレット装備されている。
3箇所の貸切無料露天風呂入りたい放題！
さて、ここの旅館たにぐちの人気は無料貸切露天風呂。しかも、3箇所もある。さらには高温のため加水はあるが、源泉かけ流しという贅沢極まりない。
露天風呂は、宿の離れにあり、「薬師の湯」と名づけられた3つの露天風呂の中のひとつに入る。3つの風呂はそれぞれ趣と広さが違っている。薬師の湯は一番広い湯船で、その広さは貸切露天風呂としては贅沢なくらい。大人4～5人がゆっくり入れるのに、さらに大人二人が寝転べる寝湯までついている。
露天風呂の眺めは川岸の山。高原川を眺めようと立ち上がると、土手の道路から丸見えになるのが残念。それでも湯船の一番外側まで行くと、湯に浸かりながら、日本百名山の笠ケ岳の勇姿が見ることができた。夕方には夕日に照らされた山がとても美しく輝き感動的な景色を湯の中にいながら望むことができる。
温泉旅情満点で解放感が満ち溢れてくる。しかし「薬師の湯」と言うだけあって、薬師様に見つめながら温泉に入るので、は粗相はできません。
と、思っていると、薬師様の後ろに立派なモノが・・・
ふぉっ、子宝繁盛か？？
飛騨の郷土料理を満喫できる人気の夕食
さて、次にお楽しみは、もちろん夕食。飛騨牛を使った郷土料理を楽しめる人気のメニューだ。
食事は大広間で。かなり広い部屋に本日宿泊の4組のみなので広々としている。机の間についたてを立ててくれる配慮もうれしい。
夕食の内容は・・・
・飛騨牛のお刺身
・飛騨牛の陶板焼
・信州そば
・山菜の天ぷら
などなど
とにかくおいしくて絶品。ビールがすすむ、すすむ。山菜は宿の方が山に採りに行っているようです。文句つけどころがないくらいに美味しくて満足でした。
貸切露天風の朝風呂は最高の贅沢
翌朝、朝一番の露天風呂。今度は｢紅葉湯｣と名づけられた貸切露天風呂に。ここは名前の通り、5月でも紅葉しているモミジが植えられていた。
朝のすがすがしく透き通った空気。さわやかな朝日に照らされる上質な湯。朝の活力を与えてくれる、最高の温泉だった。
ご飯がすすむ飛騨名物・朴葉焼きの朝食
さて、また楽しみの朝食。飛騨は、味噌を使った料理でも有名なところだ。これは僕の大好物。やっぱり出ましたっ、朴葉焼。
朴葉の上に味噌とネギを乗せ、肉やキノコなどを焼く料理。とにかくおいしくてたまらない。
温泉をあがった後なので、ビールがほしくてたまらなかったが、運転があるのでそれはできない。しかし、味噌と言うのはご飯ともとても相性がいい。ご飯が止まらない。朝からおかわりの連発となってしまった。こんなに宿で朝ごはんをたらふくおいしく食べたのは久しぶりだ。
この旅館だが、経営は家族で行われていると思われる。ダンナさんは料理長。奥さんは女将さん。おばあちゃんが、仲居さん・・・みたいな感じ。
とても話やすく、温かみを感じました。
気持ち良い源泉掛け流しの貸切温泉とおいしい奥飛騨らしい食事があり、ゆっくりできる場所が幸せ。そう思える、旅慣れた方ならば、この旅館はかなり満足できると思います。ゆっくりした時間とくつろぎを感じることができました。
少ない資金で、温泉旅館の贅沢な部分を満喫できる、コストパフォーマンス再考の宿です。
旅館たにぐち
住所：高山市奥飛騨温泉郷神坂409
交通：■東京から■
電車／JR松本駅より平湯行きバス平湯乗換、新穂高行きバス
車／松本IC～R417で平湯、県道475で新穂高温泉へ
■名古屋から■
電車／JR高山駅より新穂高行きバス
車／高山西IC～R158で高山へ～R417で平湯、県道475で新穂高へ
温泉：新穂高温泉
貸切風呂無料（3箇所24時間）
効能：神経痛・関節痛・筋肉痛・うちみ・くじき・冷え性・疲労回復など
源泉が高温なため、加水したうえでの掛け流し
備品：シャンプー、リンス、ボディソープ、ハンドタオル、浴衣、ハブラシ（バスタオルは有料）
近隣観光地：新穂高ロープウェイ、上高地、高山、北アルプス登山
予算：1泊2食付8000円～12000円
【投稿時最終宿泊 2006年5月】
