いがわ小径【郡上八幡水路風景】

郡上おどりや食品サンプルで知られる郡上八幡は、名水の町としても全国に有名。町の至るところに水路が流れ、町の中心部に透明な川が流れ、奥美濃の小京都と呼ばれています。そんな美しい水が流れる小京都の風情を色濃く感じられる郡上八幡の水辺の散策道が「いがわ小径」です。

生活を支えた用水沿いの散策路

いがわ小径は郡上八幡の町中を流れる島谷用水沿いに整備された趣ある散策路で、郡上八幡旧庁舎記念館のすぐ裏手に入口があります。緑に包まれた美しい水が流れる、郡上八幡らしい風景が楽しめます。片道100mちょっとの遊歩道なので、観光途中の立ち寄りにはもってこいのスポットです。

いがわとは、郡上八幡での生活用水路の呼び名。民家と民家の間を縫うように流れる島谷用水は、かつては生活用水として利用されていました。まさに水の町と言われる郡上八幡を代表する景観です。

郡上八幡を集約した美しい景観の小径

鯉のエサが100円で無人販売されています。流れには巨大な鯉がたくさんおり、人が近づくと、口をパクパクさせながらいっぱい寄ってきます。池で同じような風景はよくありますが、流れのある小川でこれだけコイがいるのは珍しいです。

いがわ小路径は長さ119mの散策路で水路沿いに民家の間を縫って細い道が続いています。そほ幅はわずか1m。人と人のすれ違いもギリギリできるくらいで、下手をすればぶつかって用水に落っこちそうなくらいです。

いがわ小径の水路には洗い場があり、今も生活の一部として使われているそうです。地元の方の尽力やルールで、この美しい風景が今も残されています。

心地よいせせらぎの音を立て、陽光に水面を煌めかせる島谷用水の水は、平行して市内を流れる吉田川から引いたもの。その透明度は湧水と言われても疑わないくらい。吉田川は郡上八幡の風物詩である橋の上から飛び込みの舞台。底が見えるくらいのエメラルドグリーンの美しい流れなのです。

奥美濃の小京都と呼ばれるのにふさわしいいがわ小径。歴史ある家屋が軒を連ねる中を、美しい水が水草を揺らめかせながら流れる風景は、日本の美を集約したような場所。歩いているだけで、とても心が安らぎます。
訪れたのは新緑の季節でしたが、紅葉の時期にもモミジでとても美しい景観になっていると思います。

やなかの大助

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岐阜県郡上市八幡町島谷841[地図]

かつての暮らしの洗い場だったカワド

いがわ小径の最後は暗渠から水が流れ出しています。ここには「カワド」と呼ばれる共同の洗い場が設けられています。カワドは島谷用水が吉田川に流れ込む小川の上を渡る樋の上に造られており、ここでの洗い物で使われた水は、カワドの下を流れる川に注がれて吉田川に流されます。

山から流れてきた小川を渡る島谷用水から、水が川に注ぎ落ちています。この流れにカワドでの洗い物で使った水を流すようになっています。川沿いにいがわ小径から降りる石段があり、吉田川の河原を散策できる「吉田川親水遊歩道」へと道が続いています。

じょうが渓房（ジョウガケイボウ）

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岐阜県郡上市八幡町本町873-2-2[地図]

吉田川親水遊歩道で感じる美しい水辺

いがわ小径から吉田川に出る道は滑りやすいので気を付けて歩きましょう。川が吉田川に合流する河原には石畳の遊歩道が通され、いがわ小径をくぐって流れてくる美しい川を飛び石で渡るようになっています。
自然を生かした吉田川親水遊歩道はとても美しく、透き通った水を間近に感じることができます。せっかくなので少し散策したいスポットです。