恵比須洞【日和佐町・徳島最大の海食洞】
ウミガメが産卵に訪れることで有名な徳島県美波町日和佐。産卵の砂浜である大浜海岸から突き出すような岬の先端には「恵比須洞」(えびすどう)と呼ばれる洞窟があります。海からせりあがる高さ52mの岩山が波で穿たれてできた巨大な海蝕洞で、遊歩道が整備されています。洞窟はもちろん、岩山の頂上から眺める大浜海岸やウミガメが泳ぐ太平洋の青さがとにかく美しいスポット。日和佐観光ではぜひとも訪れたい場所です。
整備された遊歩道で向かう恵比須洞
大浜海岸から県道25号線を東に2、3分ほどで恵比須洞に到着します。駐車場スペースは5~6台ほどですが、訪れる人もそれほど多くなく、滞在時間も短めなので入れないということもほとんど無いと思います。
駐車場からえびす洞にむかう歩道が続いています。道はコンクリートなどでしっかり固められているので小さな子供でも歩きやすくなっており、柵などもきちんとあるので危険場所は少なくなっています。
遊歩道に入るとすぐに登りと下りの階段に分岐します。恵比須洞を見た後、展望台に上って1周する形で真正面の階段から降りてきます。恵比須洞の洞窟には右への下りを進みます。
道を進むと、目の前に日和佐の海の風景が広がります。その海の青さは思わず息をのんでしまうほどの美しさです。
海に向かって階段をどんどん降りていきます。道は整備されていますが、登り下りは多い場所です。
階段を下り切ると、そこは青い海がすぐそこの岩の上に出ます。岩場の上に歩きやすく整備された歩道が続いています。
目の前に広がる透き通った青い日和佐の海。青い色の水の下にははっきりと海の底まで見えます。対岸にはえびす洞温泉「ホテル白い燈台」があり、全室オーシャンビューで青い海を眺めながらの滞在が楽しめます。この青い海を眺めながらの露天風呂が楽しめる日帰り湯(550円)もあるので、帰路に立ち寄るのも良いかもしれません。
間近から見られる巨大な海食洞
岩の上を進むと、転落しないように柵が設けられてますが、右にも左にも切り立った場所になります。ここが恵比須洞の前になります。
左側に目をやると、岩肌がぽっかりと穴をあけ、その中には青い海が湛えられています。遊歩道がある場所が洞窟の奥にあたり、中には大海原に面して大きく穴が開いています。
恵比須洞は太平洋の荒波に穿たれた直径30m、幅32m、奥行き40m海蝕洞で徳島県最大のものです。洞内には入れませんが、中を見下ろせるようになっています。岩壁に囲まれた洞窟内には波の音が幻想的に響き渡っています。太平洋の荒波が気が遠くなるような長い年月をかけて削り取った神秘的な空間です。
えびす洞はとくしま88景にも選定されています。中には断崖絶壁に住むイワツバメが巣を造っているそうです。
洞窟内には透き通った海で満たされています。波が穏やかな日には中に飛び込んで、シュノーケリングをして探検したくなる魅力的なスポットです。実際にシュノーケルをするのは危険なので、恵比須洞を海から眺めるなら、日和佐港から運行している「うみがめマリンクルーズ」(要予約)を利用しましょう。
もう少しで裏側の海と繋がりそうなくらいまで波に侵食された恵比須洞。こんなに間近から安全に海食洞の内部を見られる場所もなかなかありません。貴重な自然観察スポットです。
恵比須洞の上から望む美しい海
遊歩道は恵比須洞からも先に続いています。険しい岩山を登るように階段が延々と続いています。この先は標高52mの恵比須洞の岩山の頂上。そこからの眺めはまさに絶景なので是非頑張って登りましょう。
階段を登っていくと、足元に透明なエメラルドグリーンを見下ろせます。太陽の光を浴びて黒潮に洗われた日和佐の海はまさに南国の様相です。
階段を登ると、足元には青い海がどんどん広がっていきます。階段を登っている時が一番日和佐湾の景色を間近に眺める事ができます。
岩山の上部からは大浜海岸や丘の上にある日和佐城も望めます。青い海と青い空、そして白い砂浜と緑の山々のコントラストがとにかく美しい場所です。
日海の上に切り立った崖や山に囲まれた和佐湾。その奥に奇跡のように広がる砂浜は美しい風景を織り成しています。こういう地形が ウミガメが産卵しやすい条件になっているのかもしれません。
階段を登り切ると、岩山の上を歩くような緩やかな道になります。ここまで来れば頂上はもうすぐです。
緩やかな道を少し進むと、立派なウッドデッキにベンチ、屋根を備えた展望台に到着します。ここが恵比須洞の頂上です。
展望台から一望する太平洋は気持ちの良い青さ。水平線の向こうには、何千キロに渡り陸地がない大海原か広がってきます。ここに腰を掛けてゆっくりすると、潮騒や潮の香り、そして瑞々しい森の香りに包まれて、とても癒されます。
恵比須洞の頂上、展望台の奥には「恵比須洞神社」の小さな祠があります。どのような神様を祀っているかはわかりませんが、海を見下ろす場所にあるので、船や漁の安全を守る神様だと思います。
ここから階段を降りると、駐車場すぐの分岐点まで戻れます。日和佐の青い海とダイナミックな海岸美を堪能できるスポットでした。
恵比須洞
場所:徳島県海部郡美波町日和佐浦
料金:無料
時間:24時間(夜間は照明なく危険)
休み:なし
交通:日和佐道路・日和佐ICより約5分
駐車場:約6台(無料)
【投稿時最終訪問 2020年4月】