武田尾温泉足湯【廃線跡と秘境の無料足湯】

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「武田尾温泉足湯」は大阪駅から直通で30分少々の距離にあるJR「武田尾駅」からすぐの場所にある無料の足湯。武田尾駅はトンネル内と鉄橋にまたがる珍しい駅ながら、駅の周辺には民家がなく、原始の様相を残した渓谷があるだけの秘境駅。それでも休日には「旧福知山線廃線跡ハイキング」を楽しむ人々で賑わう駅です。そんな駅から廃線跡を道路にした道を歩き、明治時代のレトロなトンネルを抜けた先にある武田尾温泉の高級旅館が「紅葉館別庭あざれ」。その付帯施設である無料の足湯が、廃線跡を歩いたハイカーに人気です。豊かな自然に囲まれ、贅沢な源泉かけ流しの足湯はとても風情があり、リフレッシュできるスポットです。

大阪駅から近くても秘境感たっぷりの武田尾温泉

JR武田尾駅

JR武田尾駅はホームが鉄橋上とトンネル内にまたがる珍しい駅。大阪駅から直通30分ちょっとの場所にも関わらず、その秘境感にも驚かされる駅です。武庫川がつくる深い渓谷に位置しており、付近には民家すらない自然の豊かな場所。かつては都市間を結ぶために福知山線が武庫川沿いを走っていましたが、今はトンネルを抜ける新しい路線が開通しました。旧線の廃線跡が道路として新しい武田尾駅へ続いています。

武田尾温泉への道

かつて武庫川沿いに走った福知山線の廃線跡は道路となって武田尾温泉まで続いています。また、武田尾温泉とは反対側には福知山線の廃線跡が人気のハイキングコースとなっており、1駅大阪寄りの生瀬駅まで続いています。ハイキングの後に武田尾温泉でまったりすることも楽しみのひとつです。

武田尾橋とトンネル

道を進むと途中にトンネル、そして川に架かる鉄橋が現れます。駅から少し歩いただけにも関わらず、色濃く秘境感を感じられます。

武田尾橋

武庫川に架かるのは武田尾橋。護岸がされていますが、濃い緑と大きな岩が転がる川の風景にはとても深い山の中に来たかのようにも思えます。この先の上流に、エディオンやスターバックスといった商業施設が川沿いに建ちならぶ人口10万人を超える大阪のベッドタウンがあるとは信じられません。

明治時代のトンネル跡を抜けて目指す武田尾温泉

武田尾温泉へのトンネル

廃線跡を転用した道路はかつてのトンネルの中に吸い込まれて行きます。旧福知山線の開業は明治32年。このトンネルも当時のもので、100年以上前に造られた遺構が今も利用されているとても貴重な道路です。

武田尾温泉へのトンネル

石やレンガ壁でできた、いかにも昔の鉄道のトンネル。壁には碍子が残っていて、レトロな雰囲気を醸し出しています。ここまで旧福知山線の廃線跡を歩いてきた方ならば、このトンネルを見れば、まだ廃線跡がこの先にも続いていると感じられるはずです。

武田尾温泉トンネル

旧福知山線の廃線跡と違い、トンネル内部の地面は舗装され、照明もあるので準備がなくても歩いて通り抜けることができます。所々補強はされていますが、当時のままの石壁にレンガを組まれたアーチ状の天井からノスタルジックな雰囲気を感じられます。天井は黒くススがついており、機関車が走った痕跡を今もうかがい知ることができます。

武田尾温泉トンネル

薄暗いトンネルに射し込む入口からの眩しい光。光と闇が幻想的な雰囲気を織りなします。暗く細いトンネルは車の離合はできませんが、この先は武田尾温泉の宿2軒しかないので、ほとんど車は通らず安心です。

武田尾温泉トンネル横穴

途中、トンネルの壁に人ひとり通れるくらいの横穴があります。歩きならばここからトンネルの外に出ることができます。

武田尾温泉トンネル

しばらく進むとトンネルは通行止めになっており、その先は照明もなく、漆黒に埋め尽くされています。そのかわりに左へと直角にトンネルが続いていおり、すぐの場所に出口があります。トンネルはこの先にある旅館へのバス専用通路となっています。トンネルはこの先約300mほど続いているようで出口を出ても道は無いために普段は利用されていないようです。トンネル内部で左折曲できない大型バスを旅館に通す時だけ利用するようです。

武田尾温泉トンネル出口

トンネルの中で交差点を左折するという珍しい場所。この外に出るトンネルは近年造られたようで、明らかに壁の造りが違っています。

武田尾温泉トンネル出口

左折をしてすぐにトンネルは出口なになります。トンネルが穿たれた壁は年代を感じますが、コンクリートで造られた出口は見慣れた新しいものになっています。

武田尾温泉トンネル横穴出口

トンネルの出口向かって右側に歩道があり、その先には先程のトンネル内の小さな横穴の出口があります。ここは当時のままの出口のようで、トンネル内の退避用に造られたもののようです。

武田尾温泉トンネル遺構

トンネルの出口が穿たれている壁はまるで遺跡のような積み上げられた石積みの壁。所々に木々が根付いており、その歴史を感じます。

武田尾温泉トンネル通路

石積みの壁の中にはレンガで造られたアーチ状の通路。そしてその中にはトンネルの本道があります。かつてはこの中を汽車が走り抜けたことを今に感じさせてくれます。

都市間の秘境・武田尾橋のかかる武庫川の眺め

武田尾橋

トンネルを出ると架かっているのが武田尾橋。武田尾温泉の名前の元になった橋ですが、鉄道が通っていた橋ではなく、近年に建て替えられたものだそうです。それでも自然豊かなロケーションにある細い吊り橋はとても素敵な雰囲気です。

武庫川と武田尾駅

武田尾橋の途中から下流を振り返ります。深い谷に渡された鉄橋は先程出発したJR福知山線の武田尾駅を兼ねた鉄橋です。改めてとんでもないロケーションにある秘境駅に感じます。

武田尾橋

武田尾橋を渡り対岸から振り返ります。岩肌が所々むき出しになった深い渓谷は自然が溢れており、かつてはこの山の中にあるトンネルに汽車が走っていたとは思いもつきません。この橋の先にも3軒の武田尾温泉の旅館がありましたが、日帰り湯で営業している元湯旅館以外は廃業と休業になっています。元湯旅館は土日限定、1000円で日帰り温泉が楽しめますので、廃線跡ハイキングの後に立ち寄るのも良さそうです。

紅葉館別庭あざれ入口

トンネルを出た所、武田尾橋の前でさらに道は2つに別れています。左に行けば、目指す無料の足湯があります。ちなみに右に行けば武田尾唯一となった高級旅館である「紅葉館別庭あざれ」。全室がモダンリビングと源泉かけ流しの半露天風呂を備えた特別室で、都会からすぐにアクセスできながらも深い自然の中で極上の滞在が楽しめます。

武田尾の武庫川

武田尾駅付近の武庫川は護岸工事が進んで秘境感が少なくなっているのはやや残念なところ。とはいえ、川底は自然のままで、どうやってここに落ち着いたのか想像もつかない巨岩が川岸で異様な存在感放つワイルドな景色です。

武田尾橋と武庫川

振り返る武田尾橋。深い緑の中に色鮮やかな朱色の鉄橋と谷間に響く武庫川の音が深い自然を感じさせてくれます。さぞ山奥の秘境といった感じがしますが、実際は大阪の通勤圏内にあり、この川が10万人もの人が住む街の中を流れてきたとは思えません。まさに関西の奥座敷、隠れ家といった場所です。

豊かな自然と源泉かけ流しに癒される武田尾の足湯

武田尾温泉足湯駐車場

道を少し進むと、無料の武田尾温泉足湯があります。足湯入口には駐車場が約10台分あります。足湯の大きさを考えれば十分な駐車台数です。コカ・コーラの自販機があるので、足湯に浸かりながら喉を潤すこともできます。

武田尾温泉足湯

足湯には東屋が組まれており、その頭上にはモミジ、横には小さな滝に囲まれています。極上の温泉情緒を楽しめる足湯になっています。

武田尾温泉足湯

春には新緑、秋には紅葉、そして夏には涼しい木陰となる足湯。美しい木々に囲まれたロケーションの足湯が無料で利用できるのはとてもありがたいことです。

武田尾温泉足湯

新緑のモミジ、川のせせらぎ、滝の音を聞きながらゆっくり腰を足湯を楽しめます。旧福知山線の廃線ハイキングの後に立ち寄れば、足の疲れを素敵なロケーションの中で癒せます。

武田尾温泉足湯

足湯には武田尾温泉の源泉を贅沢に掛け流しています。パイプから注がれた湯は反対側の排水口から流れ出し、湯の鮮度を保っており、とても心地よいのです。泉質も関西ではめずらしいラドンを含有した単純弱放射能温泉で、美肌効果も高いそうです。湯は無色透明でサラサラとしていますが、わずかに硫黄臭を感じる温泉らしい湯触りです。

武田尾温泉足湯の滝

滝となって流れ落ちるのは温泉の湯。足湯よりぬるいお湯。もしかすると上にある「あざれ」の温泉の捨て湯かもしれません。とにかく贅沢な滝です。滝の岩は湯の成分で変色したり、苔が生えていたりしています。旅館あざれでは日帰り入浴も可能です。料金は1800円(タオル・バスタオル付)と日帰り温泉としては高額ですが、ハイキングの後に豊かな自然の中で浸かる源泉かけ流しの大浴場と露天風呂の温泉は極上の時間を楽しめます。

武田尾温泉足湯

場所: 兵庫県宝塚市玉瀬字イヅリハ1-47
電話: 0797-91-0131
料金: 無料
営業時間: 9:00~18:00
休業日: 無休(メンテナンス日あり)
アクセス: JR福知山線・武田尾駅下車徒歩7分
     新名神・宝塚北スマートICから約5分
駐車場: あり(足湯用10台・無料)
日帰り湯 : 1800円(タオル・バスタオル付)
      11:00~15:00(最終受付14:00)

【投稿時最終訪問 2023年5月】

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