湯畑 【草津温泉の湯が湧き出す名所】

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日本を代表する温泉のひとつである群馬県の「草津温泉」。日本一の自然湧出量を誇り、湧き出す湯は硫黄臭のきつい強酸性。そのため恋の病以外に効能があるとされ、昔より湯治客が絶えない。
そんな草津の名湯を産み出し続けている場所が、草津温泉の中心にある「湯畑」だ。

草津温泉の顔であり源泉である「湯畑」

草津温泉湯畑

草津温泉に訪れた人のほとんどはここに立ち寄るであろう、草津温泉の顔である「湯畑」。草津温泉街の中心に位置し、街の中から大量の温泉が湧きだす光景は圧巻。その光景はよく雑誌やパンフレットに載っているので、誰もが見たことがあるだろう。

草津温泉湯畑

まず草津温泉の顔の湯畑の「顔」とも言える湯の滝を見る。火山地帯にあるようなむき出しの荒々しい岩の上を大量の湯が滝のように流れ落ちる。そして、樋からも大量の湯が滝つぼに注がれている。
豊かな湯量を誇る他の温泉地にもほとんどない、豪快かつオープンな源泉だ。

草津温泉湯畑

滝つぼには草津の湯が並々と満たされている。白濁の湯、エメラルドグリーンの湯。なんとも表現できない、ミステリアスな湯の色だ。この草津の温泉は強酸性で1円玉を沈めておけば、1週間で溶けてしまうそうだ。
漂う硫黄の香りが温泉情緒を感じさせてくれる。この湯に思わず浸かりたくなるくらいだが、ここの温度は60℃を上回っているようだ。ちょっと無理。

草津温泉湯畑

湯の滝から階段を上ると、何本もの長い樋が続いているのが見える。その樋が行き止まりで1本の樋に集まり、あの滝に流れ落ちている。
これは源泉から樋を流すことで、熱すぎる湯の温度を冷ましているのだ。水を加えて温泉成分を薄めることなく、入浴可能温度まで湯を冷ます昔の人の知恵と技術の結晶がここにある。源泉から滝に落ちる間で約5℃、温度が下がるそうだ。

湯畑の周りはいろいろなお店が建ち並ぶ観光スポット

草津温泉湯畑

この日は祭り。湯畑の周囲には露店がいっぱい立ち並んでいてにぎやかだった。周りには土産店や飲食店、コンビニ、旅館が立ち並ぶ。荒々しい湯が湧く大地の横に華やかな温泉街。名物の温泉饅頭も店頭に並んでいて、とても活気がある。

草津温泉湯畑

樋をつたって流れていく草津の湯。近代施設が立ち並ぶ中、昔ながらの知恵の結晶が今も誇らしげに活躍を続ける。この手間暇かけた作業のおかげが、類を見ない良質な湯を草津で楽しめる。食品でいえば、天然無添加。そんな草津の湯を生み出す工場のようでもある。

草津温泉湯畑

毎分約4000リットルが湧出する源泉は国内屈指の自然湧出量を誇る。大地からとめどなくあふれる湯は、まさに地球からのプレゼント。しかし源泉の温度は約70℃もある。そこで、いったんここでせき止められた湯は6本の樋に流されて、自然の力で冷まされる。そして旅館や温泉施設まで送られ、湧きだしたこのままの湯がちょうどいい温度で楽しめる。何とも、最高の贅沢だ。

草津温泉湯畑

草津温泉は標高1156mに位置する。これだけ標高の高い所に、こんなに立派な温泉の町が形成されているのにも驚きを感じる。また湯畑のほとりには足湯もあり、急ぎの観光でもこの素晴らしい湯を感じることができる。

草津温泉湯畑

6本の樋が流れてくる風景は圧巻だ。辺りには温泉の硫黄の香、そして露店やお店の何とも美味しそうな食べ物の香りが漂う。
香りと温泉の熱気、そして訪れる人の賑わいに包まれた、落ち着きはあるが、とても情熱的な場所だ。

温泉の質を下げずに温度を下げる古の知恵

草津温泉湯畑

6本の樋を流れてきた湯は、湯の滝を落ちる直前に1つの樋に集められる。その湯の色は白濁したエメラルドグリーンで、とても不思議な色。

草津温泉湯畑

樋を流れる草津の湯。不思議な色をした湯は、夏の太陽に輝き、それはまるで宝石のよう。
湯畑の樋から湯の花を採取するそうだ。まさに湯の宝石がここで採取される。草津の湯の花は、数か月に1度しか採取できないので、天然ものは年に5000個ほどしか販売されないとても貴重なものだそうだ。

草津温泉湯畑

樋から流れおちる湯の存在感は抜群。エメラルドグリーンの色を持ちながら、汚れなく透明。太陽に輝く良質の湯は、湯畑という特異な施設の中でも、ひときわ強い存在感。
湯畑は期間限定だが、夜にはライトアップもされているそうだ。夜の幻想的な湯畑の風景も、今度は見てみたい。

草津温泉湯畑湯つぼ

たっぷりと湯が注がれる滝つぼに湯畑を1周して戻ってきた。上から滝つぼを満たす湯を眺めると、その色がよくわかる。濃い色をしているが湯は澄んでいてとてもきれい。ここから各施設に湯が送られていく。

風情があって楽しい草津温泉の散策

草津温泉

湯畑を楽しんだら、少し情緒あふれる草津の温泉街を散策。
とにかく多くの旅館が、軒を重ねるように立ち並ぶ。どの旅館に泊まっても、あの名湯を源泉掛け流しで楽しめるのが、草津温泉の素晴らしいところだ。

草津温泉共同湯

草津温泉には無料の共同浴場が18か所も点在している。
観光客も利用可能だが、ここは地元の人が管理・清掃している場所。時間があれば、「利用させて頂く」というスタンスでありがたく湯に浸からせて頂きたい。

湯畑脇にある歴史ある温泉宿

草津温泉湯畑

住所: 群馬県吾妻郡草津町草津
電話: 0279-88-7188
営業時間: 見学自由
交通: JR吾妻線長野原草津口駅からJRバス草津温泉行きで25分、終点下車、徒歩5分
   関越道・渋川伊香保ICより60km
上信越道・信州中野ICよりR292(志賀草津道路)を56km
駐車場: なし (近隣の有料駐車場を利用)

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