大滝乃湯 【草津温泉・人気の日帰り湯】

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日本三大名泉のひとつで、日本をを代表する「草津温泉」。その湯は1円玉を浸けておけば、1週間で溶けてしまう強烈な酸性温泉。強烈な殺菌作用を持つ湯がとにかく豊富に湧いているのが特徴。草津温泉には主な源泉が6つあり、他にも数十か所の源泉が点在する。草津町全体で毎分32000リットル、1日に23万本ものドラム缶がいっぱいになる温泉が湧き出している。そのため、草津温泉の宿や温泉施設では「源泉掛け流し」が当然のごとく行われている。
昨日は宿の温泉を堪能したが、こんな豪快な湯の町まで来て、1つの温泉だけしか入らないのはもったいない。そこで、有名な「湯畑」にもほど近い、「大滝乃湯」という日帰り温泉に訪れてみた。

湯治客にも大人気の草津温泉日帰り湯

大滝乃湯

大滝乃湯の入口。入口はごく普通だが、駐車場に停まっている車は長期温泉療養のセットを積み込んだ車がとても多い。普通の日帰り温泉施設ではなかなか見られない風景。ここの湯の効能や素晴らしさに、期待が否応なしに高まってくる。

大滝乃湯フロント

自動扉の奥はきれいなフロントになっている。奥へ続くフローリング床の廊下の奥が浴室だ。
受付をしていると「合わせ湯」という昔ながらの浴室の案内があるのが目につく。浴衣を着た女の人が、大きな板で湯もみをしている、あの湯だ。合わせ湯は以前は一つしかなく混浴だったが、近年モダンな女性用の合わせ湯がオープンしている。

落ち着いて極上の湯を楽しめる内湯

大滝乃湯内湯

内湯はウッディで、開放感もありとても気持ちいい。湯船も広く、洗い場もいっぱいある。リンスインシャンプーとボディソープの備え付けもあり、サウナも完備。天井近くからは源泉掛け流しのお湯がうたせ湯として大量に注がれている。

大滝乃湯内湯

壁にズラリと配された窓からは、高原の緑が鮮やかな色を浴室の中に射し込ませる。濃厚な湯に包まれてとても気持ちが良い。
内湯の源泉は「万代」。PHは1.5と強烈な酸性値。この湯にうたれると強烈。湯を飲み込んだわけでもないのに、一瞬にして口の中が酸っぱくなる。酸っぱくてザラザラな感触が口の中に広がる。まるで歯が融けそうなくらい。すごい湯だ。今までいくつもの湯に浸かったが、こんな強烈な温泉は初めてだ。草津の湯質のすごさを、わが身をもって実感した。

草津温泉名物、雰囲気ある合わせ湯

大滝乃湯合わせ湯

合わせ湯は露天風呂を通り抜け、階段を降りると合わせ湯の男性入口がある。中はこれぞ草津温泉のイメージにぴったりの、昔の湯治湯を思わせる素晴らしい雰囲気が待っていた。
源泉は「煮川」、ここもph2.0と強酸性。湧出温度は54度とある。

大滝乃湯合わせ湯

合わせ湯にはいくつもの湯船がある。ぬるめの湯から熱い湯へと順番に入っていくのが合わせ湯の作法らしい。壁の案内に記されている「一番ぬるい湯」へと入る。しかし「ぬるい」と思いながら入ったのに、「あっち~っ」と飛び出してしまった。入る湯船を間違えたかと思い、案内板を確かめ、他の湯船に手を入れてみるが、どうやら間違いない。
草津温泉は加水をしないので、この熱っついのでも「一番ぬるい湯」なのだ。まじかよ。生粋の江戸っ子じゃないとこんな熱い湯には入れんぞ・・・

大滝乃湯合わせ湯

そう思っていると目についたのが、これだ。
「湯~も~み板~♪」(ドラえもん風に)
草津温泉を象徴するするアイテム「湯もみ板」がこんな所に置いている。熱かったらこれを使って、湯の温度を下げろという事なんですね。
この長い板で約5分、湯を揉むことで(かき混ぜることで)温度を下げることができる。それとともに、その重労働ができるかどうかによって、時間湯の苦行に耐えられる体力があるかどうか試される、と案内板にある。むうう、どうやらこの時間湯というのは、湯を楽しむというより、湯治のための荒業なのか・・・
さっそく素っ裸のまま、一生懸命湯もみを始める。しかし美しい浴衣姿の女性ではなく、いい年こいた男が素っ裸でする湯もみは想像に耐えがたい・・・
絶対に見たくない。そんな姿を今、自分自身が演じていると思うと、悲しくなる以前に、自虐的な笑いがこみ上げてくる。
だが、湯もみを始めるとそんな笑いはすぐに消える。確かにこれはきつい。テレビで浴衣姿の女性が軽々と板で湯をかき回しているように見えるが、かなり重い。浴室を包む熱気もあって、一気に汗が噴き出す。
何とか5分の湯もみの荒業に耐え、湯もみをした湯に浸かる。って、全然温度下がってないやん。しかも運動した分、余計熱く感じる。結局、湯もみ板を元の場所に返して、気合いで激熱の湯船に浸かることにする。どうしても耐えられなくなった方は、合わせ湯の一角に打たせ湯があるので、こちらもどうぞ。

山の空気と濃厚な湯に包まれる広すぎる露天風呂

大滝乃湯露天風呂

合わせ湯を出たら、広い露天風呂を楽しむことにする。露天風呂はどれが湯船かわからないくらいに湯船がいっぱいある。
男性露天には大浴槽、中間浴槽、歩行湯の3つがあり、順に湯が流れていく。まずは一番熱い大浴槽に。石垣を流れる湯の滝を眺めながら、美しい緑を感じながら浸かれるとても気持ちのいい湯だ。

大滝乃湯露天風呂

露天風呂の湯の流し口。確かに源泉掛け流しらしく、温泉成分がぎっしりと凝固している。露天風呂の源泉は合わせ湯と同じ煮川。草津温泉の源泉の中でも煮川はここ大滝乃湯と地元の共同浴場でしか味わえないので、これだけたっぷりと注がれているのはとても贅沢だ。

大滝乃湯露天風呂

中間浴槽。ここもとても気持ちいい。この湯から川のように湯が流れ出している。

大滝乃湯露天風呂

中間浴槽が僕的にはとても気持ちよかった。湯の色は白いようでいて、エメラルドグリーンにも感じる不思議な色。草津白根山が、草津温泉に豊かな湯をもたらしていると言われているが、確かに、その頂にある火口湖の「湯釜」と同じ色をしている。 
草津の湯は1円玉を1週間で溶かすが、「湯釜」は五寸釘を1週間で溶かすほど強烈な酸性だという。そんな強酸性の湯だが、浸かりながら感じる緑のざわめきはとても気持ちいい。このままお湯の中に溶けてしまいそうな・・・
そんな気持ちよさも感じる。この湯は確実に、今まで入った温泉の中でも、トップレベルの湯だ。

大滝乃湯露天風呂

まるで川のように湯が流れていく「歩行湯」
源泉掛け流しの草津温泉。湯はこの歩行湯の先まで行けば、湯は川へと流される。草津では湯を捨てると言うそうだ。全くもってうらやましいほどの贅沢な使い方。まさに湯水のように、日本を代表する名湯が使われている。

大滝乃湯露天風呂

強酸性で菌がほとんど繁殖できない上に、1回限りの使い捨ての草津の湯はとても清潔。消毒されていないので、塩素臭さなんて全くない。色の濃いい温泉によくある硫黄くさいにおいは全くなく、とても湯の香もよい。思わず歩行湯なのに、この狭くて長い浴槽でもゆっくりと湯に浸かってくつろいでしまう。

大滝乃湯休憩室

お風呂を上がったら、地下にある無料休憩所でくつろぎたい。大広間があるが、すぐに人でいっぱいになる。
その理由は湯治客が多いこと。湯治目的でここに訪れる人の装備は本格的だ。キャンプで使うマットを持ってきて横になってくつろいだり、大きな荷物があったり。そのあたりにある日帰り温泉では絶対に見られない光景だ。確かに、この湯の素晴らしさをもってすれば、湯治に訪れる人が絶えないことも納得できる。
草津の素晴らしい湯と、その歴史・雰囲気を堪能できる大滝乃湯。この日帰り温泉は今まで僕が入った日帰り温泉施設の中でナンバー1を争う素晴らしい湯だった 。

草津温泉は源泉かけ流しの宿が選びたい放題

大滝乃湯

住所: 群馬県吾妻郡草津町草津596-13
電話: 0279-88-2600
休み: 不定休(12月に休館日あり)
営業時間: 9:00~21:00 (入館は20:00まで)
料金: 900円(子供400円)
交通: JR長野原草津口駅からJRバス草津温泉行きで25分、終点下車徒歩15分
   関越道・渋川伊香保ICより60km
上信越道・信州中野ICよりR292(志賀草津道路)を56km
駐車場: 100台(無料)
泉質: 酸性硫黄泉(すべて源泉掛け流し)
風呂: 内風呂(男女別各1)、露天風呂(男女別各1)、合わせ湯(混浴1・女性専用時間あり)
施設: レストラン、喫茶、、無料休憩大部屋、有料休憩個室、マッサージ、土産店
備品: ボディソープ、リンスインシャンプー、ドライヤー、コインロッカー、タオル(有料)

【投稿時最終訪問2008年7月】

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