宇和米博物館 【日本一長い木造廊下でぞうきんがけレース】
愛媛県西予市宇和町は、米所や宿場町として江戸時代に栄えた町。今も江戸時代の面影を深く残す街並みがあり、立派な歴史を感じさせる家屋が建ち並ぶ卯之町の景観は見事だ。そんな歴史感じる卯之町で近年人気になっているイベントが「宇和米博物館」の「ぞうきんがけレース」だ。
木造建築で日本一長い廊下は100m超え!
卯之町の歴史ある家屋の中でもひときわ大きな建物が『宇和米博物館』だ。
昭和3年に建築された旧宇和小学校を、町並みを見下ろせる高台に移築して、博物館として利用している。
この建物の特徴は109mの廊下。木造建築の廊下としては、日本一の長さを誇る。建物を外から見ても、遠近法の見本のように、ずっと奥まで続いている。
この建物は小学校の校舎のひとつ。昔はこの校舎を一辺として、大きな校舎が何棟も建っていた。この卯之町は人口1万9千人ほどの町。(今は平成の合併で人口5万人弱の西予市の中心になっている)
山の上の盆地だが、西洋医学と米作で栄えた昔が偲ばれる。
入口から中に入ると、はるか先まで続く木造の廊下。光が差し込む長い廊下は、とても不思議な場所だ。ぴかぴかに磨かれた美しい床の木が、温かみを感じる。
100mのぞうきんがけレース「Z1グランプリ」
ぴかぴかの床の秘密はこれ。この長い廊下を生かした「ぞうきんがけレース」だ。
日本一長い雑巾がけを楽しめると同時に、この貴重な木造廊下の清掃をできる、一石二鳥のイベントだ。最近ではZ-1グランプリという、ぞうきんがけレースの大々的なイベントも開催される。
「ぞうきんがけレースは」結構有名で、テレビ番組でもたびたびとりあげられる。特に、関西系の吉本の芸人さんがよくチャレンジしているのを見る。挑戦された有名人のタイムが貼りだされている。
・テツ&トモ 中本哲也 記録1分 平成13年7月17日
・明石家さんま 記録1分18秒 平成16年2月14日
・矢部浩之 記録1分41秒 平成15年8月30日
・桂小枝 記録2分7秒 平成16年5月14日
その他、ペナルティのワッキーや吉本の若手芸人軍団などが訪れている。雑巾かけの控え室には、マキロンや絆創膏が備えられているのが、生々しかった。
米に関する暮らしと密着した展示も充実
さて、『米博物館』というので、コメに関する展示がされている。この卯之町は、愛媛県でも有数の米どころだ。昔からの米づくりの様子が展示されている。
明治時代の米の品種の説明。「よく育つけど、味はまずい」というのがコンセプト。戦時中の当時の食糧事情が偲ばれる。
「超効率かまど」と銘打ったかまどが展示されている。当時の最先端技術だ。今はボタンひとつ押すだけで、おいしいお米が炊き上がる。当時の人が現在の最先端技術を見たら、どう思うだろうか。
お米とは関係ないが、昔の活版印刷が展示されている。ひとつひとつ字を組み合わせ、新聞の紙面を作り出していた様子がわかる。時間と戦いながら、字を組み合わせていく作業は大変なものだっただろう。
今はパソコンやスマホで、瞬時に文面をつくり、データを送ることができる。技術の進歩をひしひしと感じた。
しかし、いずれこういった博物館に「ぱそこん」「すまほ」として、今の最先端技術が展示される日も来るのだろう。その時は、どんなびっくりするような技術が使われているのだろうか。
当時の学び舎も再現されている。小さな机。僕もこんな小さな机に小学生の時に座っていたのだろうか。
校舎の窓から見る宇和町の眺め。広い盆地には田が一面に広がっている。
町の中心部から一歩外れると、そこは一面の田が広がっている。昔ながらのわらぐろが組まれる日本の牧歌的原風景を楽しむことができる。
西予市のオススメ宿泊施設
■オーシャンビューの客室とアジの洗い
■ウッディな客室と温泉・山の幸
宇和米博物館
住所:愛媛県西予市宇和町卯之町2-24
交通:JR予讃線 卯之町(特急停車)から徒歩10分
松山自動車道 卯之町ICより約10分
駐車場:約20台
入場料:200円(開明学校・先哲記念館・民具館とのセット券400円)
営業時間:9時~17時
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
【投稿時最終訪問 2006年7月】