鬼押出し園【北軽井沢の絶景溶岩スポット】

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「鬼押出し園」は軽井沢の北、浅間山の山麓に広がる溶岩台地。浅間山の噴火で流れ出した溶岩が固まってできた一帯で、一面溶岩の奇岩に覆いつくされた独特な風景が広がります。寺院が建ち、木々が生えない岩がむき出しになった光景は、鬼という名と相まってまるであの世や地獄をを思わせます。そんな独特な世界を気軽に散策できる鬼押出し園は軽井沢の人気の観光スポットのひとつです。

噴煙を上げる浅間山山麓に広がる別世界

鬼押出し園

鬼押出し園は江戸時代の1783年に浅間山が噴火した際に流れ出た溶岩で形成された溶岩地形。元々浅間山には鬼が住むと信じられており、浅間山の噴火は、浅間山の中から鬼が巨大な石を押し出しているかのように見えたため、このような名前がついたと言われています。

鬼押出し園惣門

鬼押出し園の入口になる惣門。門の脇には二天尊像が護りを固めています。鬼押出し園にはコースがいくつかあり、時間にあわせて園内の周遊を楽しめます。今回は一般的な表参道から裏参道をめぐる約920mのコースをめぐります。時間があれば浅間山観音堂からの奥の院参道1200m、高山植物観察コース700mを追加して、より鬼押出し園の風景を楽しむことができます。

浅間山

目の前には標高2568mの浅間山が広がります。浅間山は日本百名山のひとつで現在も噴火が起こる活火山。よく見ると頂上には夏雲にまじって白い噴煙も立ち上っています。幾度もの噴火で今のような美しい円錐状の形となった浅間山。浅間山の山麓にはまるでラインが引かれたかのように緑が途切れており、その上部には荒々しい溶岩や岩に覆われた山体が雄々しく聳えています。有史上でも多くの犠牲者を出した山は、まさに恐れるべき鬼が住む山と言えますが、穏やかな時はとても美しい風景に感じます。

浅間山の頂上付近

浅間山の頂上付近の稜線、写真右側に小さい塊が見えます。これは「千トン岩」とよばれる岩で、噴火の際に火口から飛び出して今の場所に飛び落ちたそうです。こんな巨大な岩が飛び出して来る噴火はとても恐ろしいものだと感じます。稜線付近の荒涼とした岩肌と、空を飛ぶ雲がかかる高い山頂にはさらに自然の畏怖を感じます。あの向こうに鬼がいると言われても信じていた昔の人の気持ちもわかります。

鬼押出し園と浅間山

青空の下、広がりを見せる浅間山とその広い山麓。幾度もの大噴火で大地からあふれ出した造り出した地形。1300mという標高ながらも、高い高い山の上にいるような気がする雄大な風景です。

鬼押出し園の表参道はこの世とは別の場所のよう

鬼押出し園表参道

進むのは表参道。惣門から浅間山観音堂まで続く510mの遊歩道でコンクリートの道を歩いてゆっくり登っていきます。巨大な奇岩群を縫うように、浅間山を眺めながら歩ける気持ちの良い遊歩道です。

鬼押出し園表参道

鳥居の向こうに見える浅間山は鬼ではなく、神が住まうように思える神々しさ。夏空には真っ白な噴煙が山頂付近の噴火口から立ち上っています。

浅間山観音堂

行く先に浅間山観音堂が見えてきました。木々の映えない岩石の中に建つお堂は、賽の河原やあの世のような雰囲気をとても強く感じます。

鬼押出し園と浅間山

浅間山の頂上からは噴煙が真っ白な夏雲となって、青空にたなびいています。その手前に広がる広大な溶岩台地と相まって、日本とは思えないようなスケールを感じます。これだけ広大な溶岩台地を見られるところも稀有で、地質に興味がない方でもそのダイナミックな風景にとても見入ってしまいます。

浅間山の山肌

浅間山の岩肌を覆う原生林と香料とした溶岩。浅間山の噴火の跡が作り出した広大な風景はとても美しく、目を奪われるばかりです。

浅間山観音堂は絶景と鎮魂の霊場

浅間山観音水盤舎

表参道を進むと、その奥に水盤舎があります。その向こうには浅間山。ここから浅間山観音の境内。神や鬼が住まう地の神が鎮座するエリアに近づいたことを実感します。

浅間山観音鐘楼堂

浅間山観音の鐘楼堂。昭和35年に建立されたもので、浅間山を背にして建つ姿は日本でありながら日本離れしている光景です。

浅間山観音鐘楼堂

鐘楼堂では鐘をつくことができます。鬼押出し園の溶岩台地に響く美しい鐘の音は、雄大な風景と相まって心が洗われるようです。

浅間山観音堂

鬼押出し園に鎮座する浅間山観音堂。江戸時代の1783年に浅間山が噴火した際、周辺の村々を飲み込んで1000人を超える多くの犠牲者を出しました。その犠牲者を供養するために1958年(昭和33年)に東京上野にある寛永寺の別院として創建されました。厄除けのご利益がある神社で、荒涼とした溶岩台地に凛としてそびえる姿には神々しさを感じます。

浅間山観音堂の舞台

浅間山観音堂には京都清水寺のような広い舞台があります。ここからの眺めは絶景。今までは主に浅間山方面の風景でしたが、ここからは北東南の180度の絶景を一望できます。一面に広がる樹海と遠くに聳える高い山々、そして南側には大迫力の浅間山の姿を望めます。樹海の中には軽井沢おもちゃ王国の観覧車も見え、北軽井沢の美しさを愛でる絶好のスポットです。

鬼押出し園の溶岩台地

標高1300mながらも一面に広がる溶岩のため厳しい地形条件となっている鬼押出し園。園内では厳しい条件でも生育する美しい高山植物の姿を見ることが出来ます。溶岩の奇岩の合間にイワカガミやコマクサなど花を咲かせており、岩の間にはうっすらと光るヒカリゴケの姿も見ることが出来ます。

鬼押出し園からの四阿山

鬼押出し園の北側に鎮座するのは「四阿山」。標高2354mの山で日本百名山のひとつ。溶岩台地の奇岩の向こうに見える山容はとても雄大で、感動的な風景です。

奥の院参道を炎観音まで参拝

鬼押出し園

時間があればさらに浅間山に近づける奥の院参道を歩きたいところ。時間や体力が足りなければ途中にある炎観音まではすぐに立ち寄れますので、もう少しだけ歩きましょう。

鬼押出し園炎観音

積上がった溶岩の祠に祀られた炎観音。昭和47年に信者から寄進された祠で、ここから見る浅間山の景色は雄大で、神々や鬼が住む別世界のように見えます。

鬼押出し園の奇岩

溶岩が産み出した巨岩が転がる鬼押出し園には、名前がつけられた色んな名前の岩があります。探しながら歩くのも楽しいです。これはゴリラ岩でしょうか?

裏参道と鬼押出し園の土産やグルメ

鬼押出し園の裏参道

帰路は裏参道から帰ります。表参道よりも広く舗装道路で歩きやすくなっています。

鬼押出し園のお休み処

所々にある「お休み処」という名のコンクリートの囲いがついたベンチ。屋根のあるベンチは夏の散策にはとてもありがたい場所ですが、浅間山が噴火した際、噴石から身を守るシェルターになっているとも思われます。今も頻繁に噴火をする浅間山。丈夫な囲いがついたスペースは、有事の際にはとても心強い場所です。

鬼押出し園の土産屋

鬼押出し園の入口まで戻って来ました。付近には屋台や土産屋が並んでいるので、最後に少し覗いてみて面白そうなものや美味しそうなものを探してみましょう。

鬼押出し園の展望レストラン

駐車場からも気になっていた外壁が溶岩風の建物である展望レストラン「鬼めしセンター」は、鬼押し出し園の風景にとてもマッチしていて、ランドマークともいえる建物。1階にはこだわりのラーメンがいただける「鬼火山」というお店があるなど、鬼押出し園の絶景を眺めながら食事ができるスポットです。

鬼押出し園

住所: 群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原1053
電話: 0279-86-4141
料金: 大人700円、子供500円
休み: 無休
営業時間: 8:00~17:00 (最終入園16:30)
交通: 上信越自動車道・碓井軽井沢ICより車で約45分
駐車場:750台(無料)

【投稿時最終訪問 2017年8月】

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