高樋沈下橋【四万十川最上流の沈下橋】

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最後の清流と呼ばれる高知県・四万十川。流域には大きな町は無く、ダムや堰と呼べるものも1箇所しかない。川沿いでは今も漁をして生計を立てる人もあり、川と共に暮らす生活が流域に残っている。四万十川よりも水質が良い川はたくさんあるのに最後の清流と呼ばれるのは、そういうかつての風景が色濃く残っているからだろう。
そんな四万十川には多くの「沈下橋」が今も使われている。「沈下橋」とは欄干がなく、川の増水時には流れの中に沈んでしまう橋のことだ。欄干を作らないことで、沈下時の水の抵抗を減らすことができ、川の流れに耐えることができる。また潜水することで、漂流物が橋にひっかかることによるの川の堰き止めを回避できるので、橋の流出や川の氾濫を防いでいる。
四万十川を訪れると、コンクリートづくりの無骨な橋が多く残っている。観光名所となっているが、ここは今も地元の方の足。狭く欄干のない橋を車やバイクが行き来している。
さて、この数多く残る沈下橋。源流にいちばん上流にある沈下橋を訪ねてみました。

高樋橋

高知県大野見村にある「高樋沈下橋」
昭和40年に作られた沈下橋だ。四万十川源流に大分近づいた小さな集落の中にある。このあたりの四万十川は、よくパンフレットや旅行雑誌に載っている景色とは違った表情を見せる。
窪川より県道19号線で四万十川を遡上する。細い曲がりくねった道で山の中を走り、時々集落に出くわす。川幅はどんどん狭くなってきて、川の色の緑も深くなっていく。そんな山間の村に樋口橋はある。
この沈下橋は車や通ることができない。河原の向こうも畑や森林があるだけのあぜ道だ。本当に村民の生活のための橋だ。
今日は雨のため、少し水がにごっている。しかし虫の音が山間に響く中、ゆっくりと流れる四万十のせせらぎはとても美しい。今まで走ってきた距離を考えると、四万十川の源流はもう程近いところにある。美しい川はこれからも守っていきたいものだ。
本当にこの川を汚すものは・・・

高樋橋の立て札

打首獄門に処す
「告 この川を汚す者 打首獄門に処す」という看板がここには立てられている。

高樋沈下橋

場所: 高知県高岡郡中土佐町大野見

入場料: 無料

付帯設備: 特になし

駐車場: 路肩に数台

アプローチ: 国道197号線より県道19号線を南下、約15分

近隣観光地: 四万十川源流点・四国カルスト

【投稿時最終訪問日時 2004年5月】

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